圧巻の収納力とゆったり就寝スペースの
"動くガレージハウス"
桑原インターナショナル
代表 桑原 崇さん(48歳)
映画『E.T.』で主役のエリオット少年が乗っていた『KUWAHARA』ブランドの自転車を手がける大阪の老舗メーカー3代目社長。MTBやバイクパッキングなどを趣味として楽しんでいる。
トヨタ レジアスエース スーパーロングバン
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自転車メーカーオーナー
「例年でしたらイベント出展が忙しい時期ですが、今は皆無。なので休日にマウンテンバイクでトレイルを走りに行く機会が増えました」とは、大阪市に本拠地を置く自転車メーカーのオーナー・桑原さんだ。
桑原さんが、イベントやライドのために自転車を運ぶ車は、長さ、幅、高さが国産ワンボックスの中でも最大級の『レジアスエース スーパーロング』。全長5mを超える広い室内を、「運転」「睡眠」「積載」の3ブロックに振り分けて、快適な移動と睡眠、そして、大容量の荷物を運ぶ工夫を凝らしている。
その中で最優先したのが後方の積載スペース作り。
「タイヤが細い自転車は、タイヤを付けたまま。一方、マウンテンバイクは、前輪をはずして積めるように、積載スペースを工夫しました。壁の左右にスチールシェルフを置き、それをスタンド代わりにしたので、移動中に車が揺れても安心です。ラックの上段には、工具やメンテナンス用品、それに備蓄用を兼ねた食料も積んでいます」
自転車を固定するストラップと、棚から荷物が脱落しないように留めるストラップは、すべて自転車の廃チューブを再利用。
車内の中央部は、上下2段構造でスペースを最大限に有効活用している。上段にはベッド、下段には広々とした収納スペースを自作した。
「ベッドは座ったときに頭が当たらない、ゆったりとした高さにしました。だから仕事をする際にもストレスを感じません。下の収納スペースには、大型キャリーカートがそのまま入り、冷蔵庫も積んでいます」
コンロ、テーブル、チェアなどキャンプ関連の道具も、ここに常備しているそうだ。
「最近、ベッドフロアに低反発マットを敷いたら自宅より快適に眠れるようになりました(笑)。現場近くに泊まることで時間を節約。仕事にも遊びにも頼もしいベースとなる相棒です」
4台の自転車が余裕で積めるスーパー収納術
今回は、自転車4台を積んだが、イベント出展の際には、最大で7台の自転車と3×3mのテントまで積んで出かけるそうだ。
自転車の上のラックには、工具やメンテナンス道具、食料品などを分類して収納している。
全長が短く、幅も狭い細身の自転車は、タイヤを付けたまま右側に積載。
高さ、長さがあり、かさばるマウンテンバイクは、前輪をはずして効率的に積載。
ベッドの高さを工夫してゆったりスペースを確保
「メールを返すような仕事も快適です」。ベッドはワークスペースとしても活躍。下段には、ガスボンベ式の冷蔵庫も完備。
「ベッドの上で屈まないですむように、自分の座高に合わせてゆったりとした高さにしました。これが快適さの秘訣です」
「低反発マットの上だと快適で眠くなっちゃいます(笑)」
災害時を想定した備蓄品もたっぷり!
「災害時には、この車で避難できるようにしています。家族4人が3日は避難生活できるだけの食料や水を車内に積んでいます」。食品は、車中泊の際に食べては入れ替えるそうだ。
家族4人分揃えています!
こだわりの収納ポイント
1自転車は種類、サイズごとにまとめる
2備品はキャリーカートごと積むとラク
3食料品は備蓄用を兼多めに常備
※構成/山本修二 撮影/奥田高文
(BE-PAL 2020年10月号より)