コーヒー用品のほとんどが、ダイソーで手に入る
コーヒーのハンドドリップに挑戦しようとしている方にとって、コーヒー用品をそろえることが最初のハードルです。
1つ1つはそれほど高価でなくとも、一度にそろえようとするとそれなりの出費になってしまいます。
道具にこだわると沼のようにはまってしまうコーヒーの世界ですが、最初のハードルは低い方が良いでしょう。
そこで便利なのが、やはり100円均一の商品。とくに最近ではダイソーのコーヒー用品コーナーがかなり充実してきています。
2020年に登場したコーヒーミルに、コーヒーのハンドドリップに欠かせないドリッパーなど、今では最低限必要なコーヒー用品のほとんどはダイソーでそろえることが可能です。
今回はダイソーが取り扱っているコーヒー用品のなかからいくつかチョイスし、レビューしてみます。
500円で手に入るコーヒーミル
現在ダイソーが販売しているコーヒー用品のなかで、もっとも注目すべきアイテムがこちらです。
価格はコーヒーミルとしては破格の500円。この製品は以前購入してから、普段使いのコーヒーミルの1つとして今も使用し続けています。
ハンドルをスライドすれば持ち運びのときに邪魔にならず、コーヒー豆の粒度をダイヤルで簡単に調整可能。セラミック製の臼は錆びることがなく、ガラスで作られたキャニスターはいつまでも綺麗な状態を維持してくれます。
500円のコーヒーミルでありながら安かろう悪かろうの製品ではなく、使い勝手についてよく考えられている優れものです。
挽いたコーヒー豆の粒度にばらつきが見られたのが少々残念なところですが、初めて購入するコーヒーミルとしては十分なものです。
最大の難点は、あまりにも人気があるためなかなか手に入らないということ。気になる方は、店頭で発見したら即購入するのがおすすめです。
目的にあわせて種類を選べるコーヒードリッパー
ダイソーでは豊富な種類のコーヒードリッパーをラインナップしており、見た目の好みや目的にあわせて選択可能です。
今回は4種類のコーヒードリッパーが手に入ったので、それらを実際に使用して使い勝手を確かめてみます。
樹脂製コーヒードリッパー
外見としてはオーソドックスなタイプのコーヒードリッパー。
日本国内でとくに高い人気を誇るメリタとカリタの製品によく似ていますが、メリタの穴の数は1つ、カリタは3つ、そしてダイソーのものは4つと穴の数が違います。
100円の商品でありながら、メリタやカリタのドリッパーと作りや質感はまったく遜色ありません。
実際に使用してみると、穴が4つあるためお湯が落ちるスピードがやや早め。お湯を少しずつゆっくり注げば濃い味に、早めに注げばスッキリとした味に作ることができます。
毎回味を安定させるにはそれなりに慣れが必要ですが、抽出のしかたに変化をつける楽しさがあることでしょう。
あわせて販売されているペーパーフィルターとの相性も良く、隙間なくピッタリとおさまります。コーヒードリッパーとしてとくに悪いところは見当たらず、普段からハンドドリップでコーヒーを作っている方であっても買って損はない製品です。
磁器製コーヒードリッパー
ダイソーではオシャレな磁器製のドリッパーも販売しています。価格は200円。磁器や陶器で作られているドリッパーは1000円を超えるものばかりなのでかなりお買い得です。
透明感のある見た目が美しく、まったく安っぽさを感じさせない綺麗な仕上がり。キッチンやリビングに飾っておいても違和感がありません。
穴はオーソドックスな3つ穴。とくに記載されていませんが、4人分のコーヒーが入れられるサイズです。
ペーパーフィルターを入れてみると、若干おさまりが悪いように感じられます。焼き物なのである程度仕方ありませんが、ドリッパーを上から見ると若干形がゆがんでいました。これが原因だとすれば、個体差があるのでしょう。
実際に使用してみると、いつも通りの淹れ方で十分に美味しいコーヒーを作ることができました。ドリッパーの内側にフィルターがぴったりくっつくので、お湯が落ちるスピードはゆっくりめ。そのぶんコクや香りが強めに出ました。
ペーパーフィルターのおさまりが少しだけ悪いこと以外に気になるところはありません。
磁器製なので当然ながら樹脂製のコーヒードリッパーより重いのですが、持ち手の形状が良いためとても持ちやすく感じられます。使い勝手に関しても、とくに不満点はありません。
しかし、このダイソー製品にかかわらず、陶器製や磁器製のドリッパーは重いうえに落とすと簡単に割れてしまいます。そのためキャンプやハイキングなどに持っていくコーヒー用品には向いていません。
200円で購入できるので割れてしまってもすぐに買い替えられますが、たとえ安いものでも愛着を持って長く使い続けたいタイプの方は、あくまで家庭で使用する道具として扱うことをおすすめします。
ステンレス製折りたたみコーヒードリッパー
バネのような形状が特徴的で、薄く折りたたむことができるコーヒードリッパー。たたんだ状態の薄さは2.5cmほどです。
見た目はユニフレームの「コーヒーバネット」に酷似している製品ですが、ユニフレームのものは価格が約2000円。
ユニフレーム製品の20分の1の価格であるダイソー製コーヒードリッパーの使い勝手を確かめてみます。
まず、カップへの座りが悪いのが気になりました。このタイプのコーヒードリッパーとしては仕方がないことなのかもしれませんが、手で触れるとカタカタと動くので抽出中に倒れてしまわないか心配です。
次に気になったのが、ペーパーフィルターのおさまりの悪さ。このコーヒードリッパーには円錐型のペーパーフィルターを使用するのですが、フィルターの幅よりもドリッパーの幅のほうがかなり広くできています。
コーヒーを抽出してみると壁がないためお湯の落ちるスピードがかなり早く、できたコーヒーはかなりあっさりした味。さっぱりとしたコーヒーが好きな方に向いているように感じられました。
実際にコーヒーを作ってみて気になったのが、できあがったコーヒーかかなりぬるくなっていたこと。横からフィルターに風が当たり、温度が下がっていたのが原因だと思われます。
以上のことから、コーヒーの味にこだわりたい方には向いていないように感じました。しかし、そもそもこのドリッパーは持ち運びや収納のしやすさを重視して作られたであろうアイテム。
ミニマムな装備でアウトドアを楽しんでいる方や、使用するかは別として常にコーヒー用品をキャンプ用品のなかに入れておきたい方などは購入して試してみる価値は大いにあるでしょう。
紙製コーヒードリッパー
ドリッパーとフィルターの両方の機能を1つにまとめたもので、そのすべてが紙製。使用前の状態では非常に薄いため、携帯製においてはドリッパーのなかでは断トツです。12枚入りで100円なので、1回分のコストもそれほど高くありません。
紙製とはいえ作りはしっかりしており、1枚1枚じっくり見くらべても品質にムラはなし。メイド・イン・ジャパンならではの真面目なものづくり精神がうかがえます。
厚紙の部分を折ってカップに乗せてみると、座りも悪くなく、なかなかの安定感。お湯を注いでいる最中も不安感はありません。
樹脂製や磁器製のドリッパーのように抽出のスピードをコントロールするのは難しいものの、豆を多めに入れれば十分に濃厚で美味しいコーヒーを作ることができます。
そしてなにより、使い終わったらドリッパーとコーヒー豆をそのまま捨てられるのが大きなメリット。使用するたびに洗わなくてはならないドリッパーとくらべて、はるかにお手軽です。
これであれば登山のように可能な限り荷物を少なくしたい状況でも使いやすいことでしょう。コーヒーの味にこだわるよりも、コーヒーを飲む場所にこだわりたいという方にこそ向いていると感じます。
携帯製を重視するのであれば、ステンレス製折りたたみコーヒードリッパーよりもこちらの紙製コーヒードリッパーの方をおすすめしたいところです。
豆の味を最大限引き出すティー&コーヒープレス
一般的にフレンチプレスとも呼ばれるこの道具は、紅茶にもコーヒーにも使用できます。
フレンチプレスはコーヒー豆を入れお湯を注いで数分待つだけと、とても手軽。初心者・ベテラン関係なく安定して美味しいコーヒーを作ることができる便利なアイテムです。
紙のフィルターを使用するペーパードリップと違い、フレンチプレスはステンレス製のメッシュフィルターを使用します。
コーヒー豆から出た油分がフィルターに吸われることがないため、よりダイレクトにコーヒー豆の香りや味が楽しめるのが特徴です。
ダイソーが販売しているこちらのフレンチプレスは、コーヒーミルと同じく500円の商品。
全体的にプラスチックを多用しているためチープな感じがあるものの、持ち手の形状が良いためとても持ちやすく、メッシュフィルターは分解清掃が可能と使い勝手は良好です。
さっそくコーヒーを作ってみます。コーヒー豆を入れてお湯を注ぎ、メッシュフィルターを上げた状態でフタをかぶせて4分間待機。
4分経過したところでメッシュフィルターをゆっくり押し下げてゆき、下がりきったらカップに注ぎます。
できあがったコーヒーには微細なコーヒーの粉がたくさん含まれており、ペーパードリップで作ったコーヒーよりも香りが豊かでかなり力強い味。まさにフレンチプレスならではの味わいが楽しめました。
欲をいえば、お湯を入れる量がひと目でわかる目印がついていたらもっと使いやすくなるはずです。その点については、自分にとって最適なお湯の量を見つけ、シールやマジックなどでマーキングするなどの工夫を施すのも良いでしょう。
初心者でも簡単に美味しいコーヒーを作ることができるフレンチプレスは、コーヒー用品としてはとてもかなり魅力的な代物。
ダイソー製品であるこちらのティー&コーヒープレスにおいてもその点は同様で、使い勝手に関して大きな不満はありませんでした。
しかし、フレンチプレスという道具自体がアウトドアでの使用には向いていません。その理由は多くの製品がガラスでできているため衝撃に弱いことと、普通のドリッパーとくらべて洗うのに手間がかかることの2つ。
その点に目をつぶるか、もしくはなんらかの方法でクリアできるのであれば、キャンプなどで使用するのも良いでしょう。コーヒー豆の個性がはっきりと出る道具なので、豆選びも大いに楽しめます。
コーヒーデビューはダイソーの製品で十分!
今回はダイソー製のコーヒー用品をいくつか試してみました。そしてすべてを使用して感じたことは、どれも値段以上の価値があるということ。
これからコーヒーの世界に足を踏み入れようとしている方にとっては、必要にして十分な品質や使いやすさを備えていると感じます。
家庭向けの道具やアウトドアで便利な道具など、それぞれ適しているシチュエーションが異なるため、これらのコーヒー用品を一度に全部購入してもおそらく無駄にならないでしょう。
まずはダイソー製品から手軽に始めてみて、少しずつこだわりの道具を増やしていってはいかがでしょうか。
毎朝の1杯が楽しみになる、華やかなコーヒー生活が実現できるかもしれません。