さあ、もう少しで昼休憩をする源氏山公園だ。すでに正午近くだからお腹ペコペコのはずだが、今はまだ遊ぶほうが大事らしい。道を遮るような感じで斜めに生えている木に登ろうとしたり(木にしがみついたまま動けず)、急な階段を見つけて「てっぺんからボールを投げてみたい!」と、持参したゴムボールを嬉々として取り出したり、寄り道の連続でなかなか到着しない。親子ハイキングはゴールを目指すことを考えるより、プロセスを楽しむのが大切なのかも、と思いながら、息子の遊びたい気持ちに付き合う。
その後、無事に源氏山公園に到着。ここまで来るのにかかったのは1時間ほど。あれだけ寄り道したことを思えば、なかなかいいペースではないだろうか。おにぎりを頬張り、公園でバドミントンをして遊ぶ。子供向けの、シャフトの短いラケットを購入してから、打ち返すのがだんだん上手になってきた息子。ラリーが続くようになると、大人も子供も本気で楽しめるからうれしい。
公園でひとしきり遊んでから、ハイキング再開。午後になっても疲れ知らずの息子は、手と足を駆使して岩場を登り、下りの山道でもまた走り、元気いっぱいに動き回った。そして30分もかからずに北鎌倉駅までやってきた。「ボク、まだまだ歩けるよ!」と余裕の表情を見せる息子。これなら、次回はもっと長いコースでもいけそうだ。
あ、そういえば。大仏様のお背中、見逃した……。
さて、最後にお知らせです。
『BE-PAL』5月号の「バックパッカーの旅道具図鑑」で、子連れ旅の際に持っていく荷物を紹介しています。息子が0歳の頃から、いっしょに海外に出かけるのがライフワークになっている私たち。子供がいるからこそ準備しておきたいものを、旅の写真と共に掲載中です。ぜひご覧ください。
写真・文/旅音(たびおと)
カメラマン(林澄里)、ライター(林加奈子)のふたりによる、旅にまつわるさまざまな仕事を手がける夫婦ユニット。単行本や雑誌の撮影・執筆、トークイベント出演など、活動は多岐にわたる。近年は息子といっしょに海外へ出かけるのが恒例行事に。著書に『インドホリック』(SPACE SHOWER BOOKS)、『中南米スイッチ』(新紀元社)。
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