焚き火料理は火加減が大事なポイントでもある。達人たちの料理の極意を、レシピと一緒にご紹介!
イラストレーター 本山賢司さん
野宿や焚き火の達人で、アウトドアに関するイラスト、エッセイ、小説などを手がける。名著『図解 焚火料理大全』(新潮文庫)の著者。
ゴルゴンゾーラチーズと生クリームでコクのある逸品に!
ゴルゴン海老
〈材料〉(2人分)
無頭のブラックタイガー・・・5尾
ゴルゴンゾーラチーズ・・・大さじ1杯程度
生クリーム・・・適量
好みの食用油・・・適量
〈作り方〉
(1)無頭ブラックタイガーの殻、背ワタをとる。フライパンに油をひき、味つけなしでエビをソテーしたら、皿にとりだす。
(2)ゴルゴンゾーラチーズに生クリーム(塩味をみて適量)を加え、ソースを作る。
(3)ゴルゴンゾーラが溶けたら、エビをさっとからめる。
極意 ソース作りは弱火で!
ソースは焚き火の熾火で、フライパンを火にかけたりはずしたりしながら、弱火をキープ。焦がさないように注意。
ばりっ、じゅわぁ~、トロリ、三位一体食感が楽しめる
ゴールデントースト
〈材料〉(1人分)
トースト・・・1枚
卵・・・2~3個
バター・・・適量
〈作り方〉
(1)トーストの片面をこんがり焼いて、バターをたっぷりしみ込ませる。
(2)焼いていない片面を、こんがり焼く。
(3)フライパンに溶き卵を流し入れ、弱火でゆっくりかき混ぜる。
(4)溶き卵が好みのトロミになったら、トーストのバターの面にたっぷり載せる。
極意 焦がさないよう熾火で!
トーストは焚き火が安定して、たまってきた熾火で作ると、おいしく焼ける。
屋久島カヤックツアーKAZE代表 今野正幸さん
屋久島在住20年のカヤックガイド。ツアー中は野外料理人としても大活躍。素潜り魚突きが得意で、今回もメインの魚は自ら調達。
現地調達で、イタリアの漁師めしを再現!
ズッパ・ディ・ペッシェ
〈材料〉(4人分)
釣ってきた魚・・・1尾
伊勢エビ、ゾウリエビ、アサリ、カメノテなど、好きな魚介類・・・ふんだんに
タマネギ、ジャガイモ、ピーマンなどの野菜・・・適量
トマト缶・・・1缶
ニンニク・・・3かけ
オリーブオイル・・・適量
白ワイン・・・適量
水・・・適量
塩・コショウ、ローズマリーやバジルなどの香草・・・適量
〈作り方〉
(1)使いたい魚介類を準備する。
(2)ダッチオーブンにオリーブオイルを多めに入れ、ニンニクを低温からローストし、オイルにニンニクの香りをつける。
(3)火の通りにくい野菜から順に入れ、軽く炒める。
(4)魚、魚介類などを入れ、白ワインを注ぎ入れる。
(5)トマト缶、水を具材が浸るくらい入れ、塩、コショウ、香草を加えてコトコト煮る。
極意 煮込みすぎないのがコツ
白ワインのアルコールは煮込む前に飛ばそう。魚が煮崩れしないよう、火入れはほどほどに。
屋久島発!塩釜+焚き火で新鮮な魚のうま味を凝縮!
コショウダイの塩釜焼きニンニク香草レモン風味
〈材料〉(4人分)
魚(20~40cmくらい)・・・1尾
塩・・・1~3kg(魚のサイズで調整)
卵白・・・1~3個
ニンニク・・・3かけ
レモン・・・1個
月桃の葉・・・数枚(笹の葉でも可)
飾り用のミニトマト&パセリ・・・適量
ローズマリー、フェンネル、タイム、スイートバジルなどの香草・・・適量
〈作り方〉
(1)食べたい魚を釣る!(もしくは買う)
(2)魚の腹に香草を詰める。
(3)身に切り込みを入れ、切れ目にもニンニクと香草を詰める。魚の表面にたっぷりの香草、刻んだレモンの皮をちらしたら、月桃の葉で包む。
(4)卵白で練った塩で全体を包み、鉄板などに載せ、熾火でじっくり蒸し焼きに。
(5)塩釜の表面全体がキツネ色に焦げてくれば完成(約1時間)。
(6)塩釜をハンマー等で割り、魚の上にミニトマト、パセリを飾る。
極意 下火を強くしすぎないこと
上火8下火2くらいでOK。熾火をうまく作り、遠赤外線でじんわりと焼こう。
※構成/松村由美子 撮影/今野正幸
(BE-PAL 2020年11月号より)