体の芯から温まる「長ネギのBBQ」をお試しあれ
本格的な冬到来。キャンプ人気がさらに高まっている今年は、冬キャンプに初挑戦! キャンプデビュー! などという方もいるのでは? 「そんなときに試してほしいのが、長ネギのBBQ」と話すのは、“初代葱師”として長ネギに特化した会社を起業。この10月にはビジネス書『なぜネギ1本が1万円で売れるのか?』(講談社)を上梓し、山形から長ネギの魅力を発信する農家の清水 寅(しみず・つよし)さんです。
「長ネギBBQ」に必要な材料は、次の3つだけ。
【材料(人数分お好きなだけ)】
・長ネギ
・豚バラ肉(薄切り)
・塩
つくり方も簡単です。
【豚バラ肉巻き】
(1)長ネギは、丸ごと洗って水気を拭いておく。豚バラ肉に塩をふり、長ネギに巻きつけていく。
(2)熱した炭火などの上で焼く。肉に火が通ったら出来上がり。箸で持てる幅にカットして食べる。
【一本焼き】
(1)長ネギは、丸ごと洗って水気を拭いておく。
(2)熱した炭火などの上で焼く。表面の皮に焦げ目がついたら、焦げた皮だけむく。
(3)(2)をハサミなどで、箸で持てる幅にカットして食べる。
焼くのは、1本丸ごと載せられる、炭火グリルや焚き火台がベスト。なければ大きめのフライパンを用意して、その幅に合わせてカットして焼きます。
とてもシンプルですが、清水さん曰く、長ネギをおいしく食べるための秘訣が詰まっているそう。ここからは、日常にも生かせる、おいしく食べる5つのコツを教えてもらいました。
長ネギをおいしく食べる5つのコツ
コツ1.(なるべく)切らずに丸ごと食べる
「長ネギの醍醐味といえば、加熱したときのトロッとした甘みです。これは、アリシンという成分が熱され、旨みに変わったもの。おいしく食べるには、この旨みを逃さないこと! そのためには、なるべく切る面積を少なくします。空気に触れる表面積が少ないほど、旨みを逃しません。だから、丸ごと一本焼けるBBQは、長ネギのおいしさを堪能できるベストな料理なんです」
コツ2.ビタミンBと一緒に食べよう
清水さん曰く、アリシンは、スタミナのつく栄養素であるビタミンBと相性がよく、一緒に食べると体への吸収もよいのだとか。中でも、おいしい脂もたっぷり乗った豚バラ肉は、ベストマッチ!
コツ3.カットはまっすぐ、箸で断面を掴める幅に
「自宅家庭で調理する場合、どうしても切らないと加熱できないときは、必ず輪切りにしてください。斜め切りは表面積が増え、おいしさが逃げるモトになってしまうんです」
コツ4.時期や部位によって使い分ける
「長ネギは、品種はもちろん、部位によって味わいが違うのですが、時期によっても違います。
旬は、やっぱり秋冬。辛みも甘みも夏場よりギュッと強くなり、加熱するととってもおいしい! アリシンのおかげで体も温まりますし、今の時期に、積極的に食べていただきたいですね。
部位でいえば、土の上で光合成している青い部分は、栄養価が高く、辛みも旨みも強い。豚肉など肉類と、さっと炒めて食べるとおいしいですよ。一方で根っこに近い白い部分は、重力で甘みが下に落ちるから、甘さが強い。マグロでいうと、大トロのような部位です。これらの中間にあるココ(上写真)は、中トロのようなおいしさですよ」
コツ5.スーパーでは切り口をチェック
「購入するときは、太さより断面をチェックします。この際、トロッとしたものが見えるはず。これの多い、みずみずしいものを選ぶといいですよ。
自宅へ持ち帰ったら、ビニール袋から出して新聞紙などで包み、台所の涼しい場所で保存します。夏場など暑い季節は、カットして新聞紙などに包み、冷蔵庫へ入れてください。どの時期も、なるべく早く食べ切るのがおすすめです」
ちなみに、自分で育てている人は、土から抜いた翌日に食べると旨みが増すのだとか。
旬を丸ごと食べるおいしさとたのしさが詰まってる!
長ネギは、スーパーや八百屋へ行けば、ほぼ確実に手に入ります。そんな、身近な野菜ということもあって「ネギって薬味でしょ?」「鍋料理の彩りに欲しいかな」などと、軽く思われがち。
ここまで読んでも、まだそう思っている、そこのあなたはもったいない! 今こそ長ネギの旬です。今回ご紹介した「1本丸ごとBBQ」は、ビジュアルはもちろん、とろける旨みに驚くはず。とても簡単なので、どうぞ試してみてくださいね。
さて今回は、長ネギのおいしい食べ方を伺いました。次回は、10年ほど前までは農業未経験者だったのに、今やたくさんの畑を持ち、社員一丸となって働く清水さんに、農業の魅力などを伺います!