コロナ渦のために個人で山林を購入し、アウトドアを楽しむ方が増えているようですね。私は身近なフィールドでキャンプがしたいと思い、近所にある裏山に注目しました。
近所には標高200mほどの山が広がっています。その裏山でキャンプをしたところ、キャンプ場でのキャンプとはひと味違う魅力がありました。
裏山には、当然のことながら、水場や整地されたキャンプサイトはありません。クルマでキャンプサイトに乗り入れることもできません。裏山キャンプをするには、バックパッキングの装備と、ちょっとしたコツが必要になります。裏山キャンプの魅力と、バックパックの中身、快適に過ごすための注意点とコツをお伝えしたいと思います。
今回、地主さんに声をかけて、キャンプの許可を頂きました。キャンプ場以外の場所でキャンプをする場合、必ずその土地の持ち主がいますので、許可を得てから行なってくださいね。共有地の場合は、自治体や、その場所の管理をしている役所の許可が必要になりますよ。
裏山キャンプの魅力とは?
裏山キャンプの魅力とは以下のとおりです。
1. キャンプ地を自由に選ぶことができ、誰もいない環境を満喫できる
2. 自然を身近に感じることができる
3. お金も時間もかからない
以上が裏山キャンプの魅力になります。順を追って説明します。
ソロキャンプを楽しむ方の多くは、ソロキャンプに「ゆっくりとした自分一人だけの時間」を求めていますよね?そんな方には裏山キャンプはぴったりです。裏山キャンプのキャンプ地では、基本的に自分以外には誰もいません。自分の時間を誰にも邪魔されることなく、考えごとに没頭したり、自然を眺めて思う存分ゆったりと過ごすことができます。また、自分の好きな場所をキャンプ地にすることができるので、キャンプ場よりも自由度が高いですね。
あるがままの自然を感じられるのも、裏山キャンプの魅力です。風にそよぐ木々の音、川の流れる音、鳥のさえずり、に耳を傾けることができます。山の中を歩き回ることで、美しい景色に出会えることもありますよ。
近くの裏山であれば移動に費用はかかりませんし、キャンプ場ではないので、利用料金もかかりません。徒歩で出かけられれば、渋滞に巻き込まれることもなく、チェックインやチェックアウトの時間にせかされることもありません。キャンプサイトの予約も不要です。近場であれば思い立ったらすぐに出かけることができるのも魅力ですね。
バックパックの中身
裏山でキャンプする際、私が持っていった道具を用途別に紹介します。全ての道具を容量50リッターほどのバックパックに詰めました。
張る
・ハンモック(ヘネシーハンモック)
裏山にはフラットな地面が少ないので、テントではなくハンモックを持っていきました。
ハンモックは適度な間隔の2本の木があれば、張ることができます。たとえそこが斜面であっても、キャンプ地になるので、裏山キャンプにはもってこいの道具です。
寝る
1 マット(サーマレストのZレスト)
2 ダウンジャケット(フェザーフレンズのヘリオスフーディ)
3 インフレータブルの枕
4 インナーシュラフ(コクーンのシルク製トラベルシーツ)
5 ダウンの寝袋(快適使用温度0度のもの)
6 オールウェザーブランケット
出かけたのは12月の初旬です。寝袋の保温効果をアップするために、厚手のダウンジャケットとインナーシュラフを持っていきました。
オールウェザーブランケットとは、保温性に優れた丈夫なシートです。キャンプ地の地面に敷くためと、どうしても寒くなったときに包まるために持っていきました。
食べる
1 湯沸かし用のクッカー(DUGの焚火缶Sサイズ)
2 スープやコーヒー用のマグ(EVERNEWのデミタスカップ)
3 水筒(ナルゲンの広口1.0L TRITAN)
4 火器(ソロストーブライト)
5 炊飯用のクッカー(ロータスのアルミポット)
6 食器(EVERNEWのTi570Cup)
7 食器(EVERNEWのチタンカップ400FD)
8 火器(トランギアのアルコールバーナー)
9 アルコールを入れたボトル(セリアで購入したボトル)
10 ナイフ(OPINEL No.7)
11 武器(スノーピークのスクー)
火器には小枝を燃料にできるソロストーブライトを持っていきました。小枝が湿っていて、使えなかった場合の保険に、アルコールストーブも用意しました。
また、裏山には水場がないので、自宅から水を運ぶ必要があります。プラティパスのボトルに2.5リットルと1リットルの水を詰めて、持っていきました。
食料は夕食のための1食分とコーヒーや紅茶などの飲み物、チョコレートやお菓子などの非常食をスタッフバックに入れました。
灯す
1 収納ケース(GRANITE GEARのエアセルブロックスSサイズ)
2 キャンドルランタン(UCOのキャンドルランタンブラス)
3 キャンドルランタンのオイル(Vergoの燃料ボトル)
4 ヘッドライト(PETZLのZIPKA)
夜間の手元の作業のために、ヘッドライトを持っていきました。キャンドルランタンにはLEDランタンほどの明るさはありませんが、夜の雰囲気づくりにぴったりの道具です。収納ケースには耐衝撃性があるものを用意しました。
その他
1 セカンドバック(中身は財布や携帯、ライターなどのこまごまとしたもの)
2 芯を抜いたトイレットペーパー
3 速乾タオル(SEA TO SUMMITのドライライトタオルMサイズ)
4 ジップロックのスクリューロック
5 自作のハンギングチェーン
6 ジップロックのフリーザーパック
7 小物入れ
1 斧(グレンスフォッシュブルークスのスカンジナビアンフォレスト)
2 スコップ(MIZOのモグ)
3 皮手袋
裏山キャンプの注意点
自分が好きなところをキャンプ地にできるのは、裏山キャンプの大きな魅力のひとつです。ただし、キャンプ場ではないので、全ての行動が自己責任になります。ちょっとした気のゆるみが大きな事故につながることがあります。裏山キャンプを快適に過ごすための注意点をお伝えいたしますね。
キャンプ地の選択が最も重要
森の中にテントを張る場合、頭上に注意を払ってください。上を見上げて木が裂けた箇所や、落ちてきそうな木の枝がないか確認するようにしましょう。
また、地面のコンディションの確認も重要です。雨が降ったときに水没する場所かを見極める必要があります。苔むしていて湿気がある場所、歩いてみて、ぬかるんでいる場所は避けましょう。
崖の真下や上にテントを張るのは非常に危険です。地滑りや落石の恐れがあるので避けましょう。
火器を使用する場合はキャンプ場以上に注意を!
森の中でバーナーやネイチャーストーブなどの火器を使用する場合、キャンプ場以上に注意が必要です。山火事を引きおこす恐れがあります!
火器を使用する前に、まわりの環境を整えるようにしてください。
火器を使用する場所のまわりから、最低でも直径1メートルほどの範囲の、小枝や落ち葉などの燃えやすいものを取りのぞきましょう。森の地面は、落ち葉が腐った腐葉土からできています。小枝や落ち葉を取りのぞいても、腐葉土も燃えることがあるので、注意してくださいね。
ネイチャーストーブを使用する場合は、落ち葉などの、火の粉をあげやすいものは火にくべないようにしましょう。
個人的に、直火での焚き火は山火事のリスクが高いと思います。周辺にある木の根や野草にもダメージを与えます。おすすめできません。
快適に過ごすためのコツとおすすめの道具
野生動物に対する配慮が必要
山にはイノシシや穴熊、タヌキなどの野生動物が生息しています。夜間に食べ物を放置すると、野生動物を引き寄せる原因になります。
人間と動物、お互いのために、食べ物や、食べ物のにおいがするゴミはひとまとめにして、野生動物に荒らされない木の上などの場所に移しましょう。
ジップロックなどの密封できる袋や容器があれば、ゴミをひとまとめにして、におい対策もできるので便利です。
トイレットペーパーは便利
裏山キャンプではトイレットペーパーを持っていくのをおすすめします。芯をはずして持っていけば、つぶれるのでコンパクトになります。
トイレットペーパーは、水の節約が必要な状況でも役にたちます。
水場が近くにない場合、トイレットペーパーで食後の皿を拭くことで水を節約できます。そのまま使用しても気にならないていどに、皿やカトラリーを綺麗にすることができますよ。
トイレットペーパーは、燃えやすいのでネイチャーストーブの焚き付けにも使えます。
裏山キャンプで特におすすめな道具
裏山キャンプには斧や鉈、ナイフなどの刃物を持参をおすすめします。キャンプ地の整地や、藪漕ぎをする際の道をつくるのに便利だからです。
刃物があれば、トラブルの際にも応用がききます。今回、キャンプ地の地面がゆるく、ハンモック設営の際に、持っていったペグが使用できませんでした。キャンプ地にあった枝を削って、ペグのかわりにしました。
裏山キャンプの様子と感想
私が出かけたのは徒歩10分の裏山です。移動時間がほぼないので、時間に追われることもなく、午後になってからゆったりと家を出ました。
裏山の尾根上には登山道がありました。登山道をしばらく歩いて、尾根から少し下った場所に、ハンモックを張るのにちょうどいい間隔の2本の木を見つけました。2本の木のまわりに生い茂っていた、草や、幼木を斧でカットして整地し、そこをキャンプ地にしました。
2本の木を使って、ハンモックを張ります。
夜寒くなったら、すぐに飛びこめるように、寝袋や枕を出して、寝床の準備をしました。
設営が終わったのでほっと一息。キャンプ地のまわりの枝を集め、ソロストーブライトを使ってコーヒータイムです。
コーヒーを飲んで、あたりを散策したあとは、ハンモックの中でゴロゴロしながら過ごしました。人の気配がなく、静かなので、ゆったりと過ごすことができました。
暗くなる前に、食事の準備をして、夕食を早めにすませました。メニューはサバ缶を使った炊き込みご飯と、フリーズドライの味噌汁です。
夕食を終えてしばらくすると、あたりがうす暗くなってきました。キャンドルランタンに火を灯します。ぼんやりと照らすあかりが目にやさしく、ながめているとほっとします。
ソロストーブライトを使って、小さな火を楽しんだあと、寝床につきました。夜中には遠くから「ホーホー」というフクロウの鳴き声が聞こえてきましたよ。
翌日は朝早くに目が覚めたので、自宅に帰って家族と朝食をとりました。
個人的な感想になりますが、裏山キャンプでは、私がソロキャンプに求める、自然との一体感や非日常を感じることができました。キャンプ後には、近場に出かけたとは思えないほどのリラックス効果がありましたよ!キャンプ地への移動時間がほとんどかからないのも、気が楽でした。
ソロキャンプに慣れてきて、バックパッキングをしてみたいと思っている方。遠出をする時間がなかなか取れない方にも裏山キャンプはおすすめです!自宅から近いフィールドとは思えないほどの体験ができるはずですよ!