アウトドア好きなら誰もが持っている!? 必須&万能ギア
冬は、キャンプで山で、ふわぁと湯気のたつ料理がますますおいしい季節。そんなフィールドでの料理に活躍するのが「シェラカップ」です。アウトドア好きには、おなじみのギアですよね。お酒やコーヒーを飲んだり、料理を取り分けたりといった“入れ物”としてはもちろん、その素材によっては直火にかけられる“調理道具”にもなる、万能選手でもあります。
この10月には、シェラカップ一つでつくれるレシピブック『簡単 シェラカップレシピ』(山と渓谷社)が発売。キャンプブームもあり、シェラカップはますます注目のマト!
そこで、著者の料理家・蓮池陽子さんに、知っておくと便利な「シェラカップの基本」と、シェラカップレシピに「あると便利な道具」や「基本のお手入れ」を伺いました。
シェラカップの基本
売り場にずらっと並ぶシェラカップ。どれを選べばいいのか、目移りしてしまいますよね。そこで、基本の“キを”蓮池さんに聞きました。知っておくと、使うときや購入するときに役立ちますし、長く愛用するのにも欠かせません。改めて、おさらいしましょう!
素材は「ステンレス」か「チタニウム」を選ぶ
「売り場では、錆びにくい金属製かどうかをチェックしてください。中でも、加熱調理にはステンレスかチタニウムの2種類がいいでしょう。それぞれの特徴を押さえて、お好みの使い心地を選んでみてくださいね」
◉ステンレス・・・丈夫で値段も手頃ですが、焦げつきに注意を。
◉チタニウム・・・軽量かつ強度が高く、お湯が早く湧く。熱伝導率が高い一方で、ステンレス以上に焦げやすい面も。
「ちなみに、アルミ製のシェラカップも加熱できないわけではないですが、強度にやや不安があります。冷たいドリンクを飲んだり、切った野菜を入れるなどボウルのようにしたり。軽量でリーズナブルなので、シェラカップレシピではサブアイテムとして活用するのがおすすめです」
ハンドルは熱くなるので御用心
「シェラカップといえば、特徴的なのがそのハンドル。多くのものが、本体からひと続きになっています。フォールディング(折りたためる)タイプなら、よりコンパクトに持ち運べますよ。加熱調理中はハンドルも熱くなるので、火傷などに注意しましょうね。別売りのカバーや手ぬぐいなどで覆うと安心です」
最初の一つはソロサイズ
「一人分のシェラカップレシピで使うのは、ソロサイズです。メジャーなのは、容量300mlほどの直径10〜12cmのもの。初めて買うのなら、このサイズを一つ買えば間違いないでしょう。中には『深型』という350〜400mlほど入るものもあり、スープや鍋料理などの汁物を、たっぷり食べたい人におすすめです」
目盛り付きがおすすめ
「カップの内側に、容量の目盛りが刻んであると便利ですよ。50ml刻みや『一合』と書かれた炊飯に便利な目盛りが入っているものもあるので、チェックしてみてください。軽量が難しい山やキャンプ場で重宝します」
加熱は「ストーブ」で
家庭の台所なら、ガスコンロを使えばOK。キャンプや山の場合は「ストーブ」を使用します。
「『ストーブ』とは、登山用のガスコンロです。「バーナー」とも呼びます。主流は、比較的コンパクトな、丸いガスカートリッジを使うタイプです。この他、ホームセンターなどで入手しやすいカセットボンベを使うタイプもあります」
あると便利な3つの道具
シェラカップレシピにトライするには「シェラカップ」「ストーブなど加熱する道具や環境」「箸など混ぜて食べるためのカトラリー」の3つさえあればOK。でも、蓮池さん曰く「一緒にあるとさらに便利な道具が3つある」そうです。
ふた
「炊飯や蒸し物などはとくに、ふたがあると便利です。アルミホイルで代用する方もいらっしゃいますが、これは着火する恐れも。ふたの中には、まな板やお皿代わりに使えるものもあるので、一緒に購入するのがベターです」
「同じ径のシェラカップを2つ持っている場合は、重ねてふた代わりにするのもアリですよ。ボリュームのある蒸し料理をするのにも、このスタイルはおすすめ!」
ストーブ用の網
「ストーブの五徳に網をのせ、その上にシェラカップを置くと安定します。炊飯や煮炊きなど、長時間の加熱に便利です」
フライパン用アルミホイル
「スーパーなどでも手に入る、“フライパン用”アルミホイルはセットで使うと便利です。シェラカップは、焦げやすいのが難点。そこで、焼く・炒める、揚げるといった調理では、焦げ付き予防にシェラカップに敷きます」
「手指をやさしく折り曲げて、底面などにそわせるように敷きます。穴があかないように注意して、隙間がなるべくできないように、ぴったりと」
基本のお手入れ
「フィールドでは、食べ終わった後にパンやごはんでさらったり、不要な布で拭うなど、最小限の後始末のみ。家に帰ってから、洗剤などを使い洗います。カップの内側はしっかり汚れを落とし、よく乾かして、次の出番に備えましょう。
頑固な汚れには、研磨剤入りのクレンザーと目の荒いスポンジを使って5分ほどゴシゴシやってみてください。ただし、使い過ぎると余計な傷がつく場合もあるので、注意してくださいね」
さて次回は、キャンプや山ではもちろん、リモートワークのランチにもおすすめ! 一人分の炊きたてごはんが楽しめるシェラカップレシピ「基本の炊飯」と「アレンジごはん」をご紹介します。
写真=山本 智