コーヒーで革を染めてみよう
新品の革もいいけれど、新しすぎて他のレザーアイテムと並べたときに浮いてしまう…。そんなことはありませんか?
そんなときは、革をうっすら飴色に染められる「コーヒー染め」をしてみましょう!新品に近い革を少し汚してしまった時のリカバリーにも使えますよ。
今回はレザークラフト初心者でも作りやすい「コードクリップ」を作り、色の変化を楽しんでみたいと思います。
材料・道具
- 革(2cm×8cmを2枚)
- コーヒー粉(20gの豆でコーヒーを入れた後の出がらし)
- ミョウバン(1〜2g)
- 革包丁(カッターなどで代用可)
- 銀ペン(ボールペンなどで代用可)
- トコノール
- コバ磨き(手芸用のへらなどで代用可)
- バネホックと打具
- ポンチ(バネホックに対応したサイズの穴が開けられるもの)
- 筆かハケ
革はタンニンなめしのもの、できればヌメ革を選び、使用前にちゃんと着色できそうか端切れで試してから使用してください。クロムなめしのものや合皮は水分を弾いてしまい、上手く着色できません。
作り方
1.まずは染液を作ります。コーヒーの出がらしを鍋に入れ、水200gを入れて10分ほど煮出します。
2.煮出した液をコーヒーフィルターやざるなどでこし、もう一度火にかけます。しばらく煮込んで1/4以下の量になるまで水分を飛ばし、濃縮します。
3.濃縮できたら適当なビンなどに移し、冷ましておきます。
4.ちゃんと革が染まるかどうかテストをします。
革は植物性のタンニンを使ってなめす「タンニンなめし」と金属を使ってなめす「クロムなめし」、大きく分けて2通りのなめし方をされています。
タンニンなめしはレザークラフト用として一般に売られている革に多く、使いこむことで飴色にエイジングしていくのが魅力の革です。クロムなめしは市販のレザー製品でよく使われ、色が変色しにくく水分にも比較的強いのが特徴です。
コーヒー染めに使う革はタンニンなめし、できれば無着色のヌメ革が適しています。クロムなめしの革は水分を弾いてしまうため、コーヒー染めには適しません。
タンニンなめしの革でも、表面がコーティングされていたりすると色が入らないので、必ず目立たないところでテストしてから染めるようにしてください。
5.本体を作ります。革を8cm×2cmの短冊状に切ります。
6.マスキングテープなど丸いものをあてて銀ペンで印をつけ、端を丸くします。
もしガタついてしまったら、サンドペーパーをかけてなめらかに整えてください。
7.トコノールを床面(裏面)全体に薄く塗り、へらなど硬いもので磨いて毛羽立ちを抑えます。
8.トコノールをコバ(断面)にも塗り、コバ磨きでなめらかに整えます。
9.いよいよ着色に入ります。工程3で作った染液を片方の革にたっぷり塗ります。
布でコーヒー染めをする場合は染液に染めたいものを丸ごと漬けますが、革の場合は筆で染液を塗る「刷毛染め」という方法で染めます。水に弱い革も、この方法なら痛みを最小限にして染められます。
10.少し乾かして、染液をもう1度塗ります。これをもう1度、合計3回塗ります。
11.色止めのため、お湯に1.5%のミョウバンを溶かしたミョウバン液を塗り、よく乾かします。
12.バネホックをつけます。ポンチでバネホックの足が通る大きさの穴を開けます。
13.打具と金槌を使ってバネホックを取りつけます。
ホックをつけるのは一見難しそうですが、ホックの向きさえ間違わなければ大丈夫。4つの部品を取りつけ、溝の向きを確認しながら打具をセットし、金具を潰してしまわないよう気をつけながら打ち込んだら、完成です。
革を濡らしているので、乾いたらしっかりめにオイルを塗り込んで保護してくださいね。
染色ができると、レザークラフトの幅が広がる
コーヒー染めはガッツリ色を変えたい時というより、ほんの少しエイジングさせたいような時に向いた方法です。新品の革でもしばらく使い込んだ革のような、ナチュラルな飴色に変えられますよ。
もう少し色を濃くしたい場合は塗り重ねる回数を増やすか、錆びた鉄製品と酢を使って染める「ビネガルーン染め」という方法を試してみてください。少し手間はかかりますが、黒に近いしっかりした色に染められます。