世界的なナイフ職人直伝のナイフの研ぎ方
かほなんは、2020年に2種類のコラボナイフを作った。播州三木にある“みきかじや村“と、岐阜県関市にある“キクナイフ”。どちらも大好評となり、発売と同時に注文が殺到。数か月待ちになるほどだったという。今回は、薪割りから料理までナイフ1本でこなすかほなんが、普段使っているキャンプ用のナイフを簡単に研ぐための“道具の作り方”と”研ぎ方”を教えてくれた。
「今回は、ナイフの研ぎ方と研ぐ道具の作り方を紹介します。これは、さばいどるとのコラボナイフを作ってくれたキクナイフのキクさん(松田菊男さん)に教えていただいたやり方です。プロの研ぎ師の方が教えてくれた方法なので、ぜひ参考にしてください!」
まずは、道具作りから。かほなんが用意したのは以下のもの。どれも100均やホームセンターで買えるものばかり。これなら気軽にナイフ研ぎをスタートできそうだ。
【おもな材料と道具】
板・・・2枚(今回は、約1cm厚と約4cm厚を使用。大きさは、幅約10cm、長さ約30cm)
サンドペーパー・・・600番
両面テープ・・・紙タイプの薄いもの。幅40mm
厚めの布・・・今回は、着古したデニムを使用。帆布などでもOK
画鋲
コンパウンド
シリコンスプレー
滑り止めマット
ハサミ
カッター
ウエットティッシュ・・・コンパウンドなどの拭き取りに使用
青棒・・・仕上げ用の研磨剤。コンパウンドで代用できるので、なくてもOK
1.粗研ぎ用の道具を作る
「粗研ぎ用は、刃がかなり切れなくなったときだけ使います。薄いほうの板に両面テープを貼っていきます」
「はみ出した部分はカッターで切って整えます。全面に貼れたら、剥離紙を剥がして、そこに600番のサンドペーパーを貼ります」
「次に板のサイズに合わせて、余分なところをカット。これで、できあがり!」
2.仕上げ用の道具を作る
「今度は厚い板を使います。用意した布を板のサイズより少し大きめにカットします。布の上の真ん中に板を置いて、板の側面に画鋲を打って留めていきます。一辺ずつ引っ張りながらピンとするように」
10分もかからず、必要な道具2種類を完成させたかほなん。たしかに、これだけ準備が簡単なら誰にでもできそうだ。
自分でキャンプナイフを研いでみよう!まずは粗研ぎから
「これは、ぜんぜん切れなくなったときだけやる研ぎ方です。ナイフの先端をよく見ると、1mmくらいだけ色が変わった部分があります。その刃先の角度に合わせて、ナイフをサンドペーパーを貼った板の上に置き、ほんのちょこっとだけ立てます。そして両手で安定させながら、手前に引きます。刃全体がサンドペーパーの上を通るように。最後にしゃくりあげないようにしてください。これを1~2回、両面やればできあがりです」
コピー用紙がボロボロになるほど切れ味が悪かったナイフが、この研ぎだけで、スッと刃が入るようになった。続いては、仕上げ用の研ぎ方を。
日常的なメンテナンスで切れ味を長持ちさせる方法
「コンパウンドを布の上に塗ります。今回は、コンパウンドに加えて青棒も塗ってみました。キクさんのような研ぎ職人さんたちも青棒を使っていました」
「粗研ぎと同じで、ナイフの刃先の角度に合わせて、手前に引いていきます。グリップに近い方から刃先にかけて、1回引くごとに、全体が同じ角度で布に当たるようにします。こちらも両面、同じようにやってください。たったこれだけです。簡単でしょ!」
気をつけるのは、刃を当てる角度だけ。全体を同じような角度で一気に引くことで、安定した切れ味がよみがえる。いろいろと試して、好みの切れ味に仕上げる楽しさがありそうだ。
最後にシリコンスプレーを塗って完了です
「どうですか?愛用のナイフは切れるようになりましたか?刃を研ぎ終えたら、最後にシリコンスプレーを吹きかけてから、布などでサッと拭き取っておきます。これをしておけば錆止めになります。ただしこれは工業用なので、食べ物を切る前には、洗ったりアルコールで拭いてから使いましょう」
専用の研ぎ機を買うことなく、気軽な材料でもしっかりナイフを研げる。出費を抑え、DIYとして楽しい時間を過ごせるナイフの研ぎ方。キャンプに行かない休日に、ぜひトライしてみてください!
取材協力/青川峡キャンピングパーク https://www.aogawa.jp/
構成/山本修二
さばいどるチャンネルでも紹介!
今回紹介した「ナイフの研ぎ方と研ぐ道具の作り方」は、さばいどるチャンネルでも紹介されています。合わせてチェックしよう。