持っていればなんとかなる!ソロキャンパーの「マイ・もしもセット」を構築しよう!
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    2021.03.20

    持っていればなんとかなる!ソロキャンパーの「マイ・もしもセット」を構築しよう!

    私が書きました!
    アウトドアプロデューサー/ネイチャーインタープリター
    長谷部雅一
    1977年4月5日生まれ。有限会社ビーネイチャー取締役。家族がいるのにもかかわらず、ソロキャンプ、ソロ登山、ソロ旅などなど、お一人様遊びをこよなく愛する風来坊なネイチャー系会社の役員。仕事の範囲は広く、プロジェクトの企画・コーディネート・運営の他、研修講師、ネイチャーインタープリター、場作りの仕掛け人も務める。著書『ネイチャーエデュケーション』(ミクニ出版)、『ブッシュクラフト読本 自然を愉しむ基本スキルとノウハウ』(メイツ出版)など多数。その他雑誌連載、テレビやラジオなど、アウトドア、幼児教育を主として多数のメディアにて活躍中。

    ソロキャンパーは、アクシデントは自分でどうにかするのが基本原則の外遊び。そうはいっても自然が相手の遊びだけに、どうにもならないことや、準備や事前学習をしてもどうしてもなにかが起きるもの…。そんな時でも、「マイ・もしもセット」があれば、フィールドで起きるたくさんの「しまった!」「ヤバい!」「○○を忘れた!!」を自分でスマートに解決できることが大幅に増える。今回は、僕が国内外を問わずバックパッキングの旅で必ず持って行っている「もしもセット」をベースに、自分にとってベストなセットをつくるのに役立つ情報をお伝えします。

    もしもセットって何?

    「もしもセット」は、怪我や病気に対応する「ファーストエイドセット(救急セット)」と似ているが、使用シーンが大きく異なる。僕は、キャンプや旅中に自分の身体以外に起きる、トラブル全般に対処するためのセットを「もしもセット」として準備している。ただし、アウトドアにおけるトラブルは命に直結することもあるので、どちらも同等の重要さがあることを忘れずに。

    基本は「ファーストエイドセット」と「もしもセット」2種類を持っていくようにしていて、どうしても軽くしたいときは「もしもセット」だけでも済むように、簡易的なファーストエイドをもしもセットにも入れるようにしている。

    「もしもセット」の中身

    早速、僕が実際にいつもフィールドに持ち歩いている「もしもセット」の中身を紹介します。「もしもセット」の中身は常にアップデートしているので、もしかしたら明日にでも中身が刷新されている可能性がありますが、是非参考にしてみてください。

    1:ケース

    ケースは軽量でポケットや仕切りがたくさんあるオーガナイザータイプがオススメ。種類別や大きさ別などに整理して入れる事で、「もしも」の時に素早く対処に取りかかることができる。

    2:簡易ファーストエイド

    ちょっとした怪我や病気に対応できるように最小限のものを入れたセット。ファーストエイドセットとの違いは、絆創膏のサイズ種類や、骨折や大出血などの対処ができないこと。中に入っているのは、次の通り。

    ・絆創膏:サイズは小さな傷用
    ・虫刺され/かゆみ止め:蚊以外にも対応できる強めのもの
    ・内服薬(痛み止め、総合風邪薬、下痢止め):自分に合ったもの
    ・毛抜き:とげ抜きなどに使用
    ・綿棒:患部の汚れ落としや鼻の怪我など
    ・安全ピン:服やバックパックの補修、袖口を身体に留めて三角巾代わりなど
    一部は濡れないようにアルミの小さなお弁当箱に入っている。

    3:ツールナイフ

    片手に収まる程度のペンチ付きツールナイフ。小さな「もしも」の時は、ブレード以外の機能を使うことが多い。写真のツールナイフの機能をフルに使えば、たとえばこんな事ができる。

    ・折れたポールの修復
    ・予備ロープの切断
    ・木の枝などを使って、タープのポールやペグ、箸、トライポットなどの製作
     ※その他たいがいの小さな制作物はストレスなく作れる
    ・壊れたジッパーの補修
    ・調理
    ・サングラスやシングルバーナーなどの補修、調整

    つまり、これひとつあれば何かをしようとしたときなんとかなるのだ。

    4:ポケットティッシュ、ウェットティッシュ(アルコール除菌)

    普段はまったくいらないのに、いざとなったら無いと困るのがこのふたつ。緊急時のトイレはもちろん、傷口を拭く、水場が無い時の食器類のクリーニング、昨今では除菌にも使用可能。

    5:予備ヘッドライト

    日帰りのキャンプや登山などでは、どうしても忘れがちなのがヘッドライト。不慮の事態で夜間行動が必要になったとき、またメインのヘッドライトが壊れてしまった時など本当に予備があってよかったと思うことが多い。

    ふたつある理由は、ひとつはそれなりの照度があるもので予備として使い、ふたつ目は本当のエマージェンシー時にレスキュー隊に気付いてもらうために赤色などで数日点滅させておくためのもの(もちろんこちらも予備ヘッドライトとして使用)。

    6:カラビナ・温度計・ホイッスル

    カラビナはクライミングで使用可能なものを2つ。そして温度計とエマージェンシーホイッスルとキーホルダーカラビナが入っている。こちらの主な使用方法は次の通り。

    ・カラビナ(クライミング用):もしもの時の安全管理、タープやテントの設営
    ・キーホルダーカラビナ:細かな物を取り付けたりかけたりする
    ・温度計:外気を知って対策をとるため
    ・エマージェンシーホイッスル:SOSの発信として(濡れても使えるもの推奨)

    7:細引き類

    パラシュートコードとリフレクト機能付きの芯にケブラーを使用している細引きの2種。どちらも約10mある。こちらの主な使用方法は次の通り。

    ・もしもの時の安全管理 ※カラビナと併用
    ・簡易タープの作成時や設営時
    ・張り綱の予備
    ・シューレースの予備
    ・骨折時の固定用
    ・ブッシュクラフト的製作物用(三脚をつくるなど)
    ・バックパックに荷物や薪を固定
    ・パラシュートコードを解いて縫い糸などに使用

    これ以外にも、想像次第で様々な事に使える。ロープは結び方を知っていてはじめて無限の能力を発揮してくれるので、日々鍛錬が必要だ。

    8:マスク

    ソロとはいっても、行き帰りの移動中やキャンプ場、登山道などでは人と関わることがある。もしもフィールドで持ってきたマスクが濡れたり汚れたり破損しても、予備があれば安心だ。

    9:エマージェンシーシート/サバイバルシート

    まさにエマージェンシー時のシートで、防水性、断熱性などがある薄くて軽く、そしてコンパクトに収納できる。自身の保温や敷物、工夫次第で簡易タープや水を溜める容器などにも活用できる。

    10:補修テープ

    いわゆる、超強力ガムテープのようなもの。バックパックやウェア、テントの補修などに使用する。テープは強力であらゆる所につけられるタイプの物を選ぼう。1本そのままだと大きいので、ある程度の長さを切って丸めておく(僕は3mほどを常に携帯)。また、側面がべたついてきて他の物に影響が出るので防水もかねて小さな袋に入れておくのがオススメ。

    11:予備電池

    ヘッドライトやランタンなど、電池が必要なタイプの予備。ポイントは、電池を必要とする器具の使用電池を揃えておくこと。そうすることで、どの器具のバッテリーが切れても使える。焚火などの発火用としても使用できる。湿気などに弱いので、ジッパー付きの袋に入れるなど防水の工夫をしておく。

    12:インシュロック(結束バンド)

    輪の形にして、細い方を留め具に通せば締めつけることはできても簡単には外れなくなるという仕組みで、元々は工事用の素材。サイズは違うが、外国の軍では人間の簡易拘束にも使われているくらい丈夫で信頼性が高いアイテム。15cm程度の長さの物を持っていて、長さが足りない時は繋げて使用している。こちらの主な使用方法は次の通り。

    ・靴のソール剥がれの補修
    ・車やバイクの簡単な破損
    ・焚火用三脚づくりの仮留め
    ・バックパックやテントのプラスチックパーツが破損した際の強制接続

    今回のセットの中には、飛行機の荷物預けにもそのまま対応できるように発火系のものや携帯バッテリーなどは入っていないけど、陸路専用と決めて入れておくのもいいだろう(僕は面倒くさがり屋で中身の入れ替えはしないため…)。紹介した用途以外にも組み合わせや使い方によって様々な時に対応できる僕の強い味方。持っているだけでもなんとなく安心できるから不思議だ。みなさんも、オリジナルの「もしもセット」を構築してみてください。

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