軽トラキャンピングカーは、費用の安さと見た目のユニークさから、キャンパーの間で注目が集まっています。軽トラキャンピングカーの魅力や種類を解説し、DIYでキャンパーシェルを作る方法やおすすめの幌(ほろ)を紹介します。
軽トラキャンピングカーの魅力とは?
軽トラキャンピングカーとは、軽トラの荷台にキャンパーシェルや帆を取り付け、キャンプ仕様にカスタマイズしたものです。経済的かつ個性的なキャンピングカーとして、近年多くのキャンパーから人気を集めています。
なんといっても経済的
軽トラキャンピングカーの本体となる軽トラは、一般的なキャンピングカーやミニバンと比べかなり安く入手できます。
カスタマイズ費用をプラスしても、比較的安価な部類に属する軽キャンパーの購入費より高くはならないでしょう。
維持費を安く抑えられることも魅力です。軽トラは軽自動車であるため、普通自動車に比べ税金が安くなります。
一般的に軽トラは燃費が優れていることから、燃料代も抑えられるでしょう。頑丈な構造で長持ちしやすい点もポイントです。
見た目がユニーク
軽トラキャンピングカーの魅力として、見た目をユニークにできることが挙げられます。ベースが軽トラということだけで、キャンプ場でも目立つ存在になれるでしょう。
荷台に取り付けるキャンパーシェルや帆を好みで選んだり、キャンパーシェルをDIYで自作したりできるため、自分だけの個性的なキャンピングカーを作れます。
軽トラキャンピングカーをテント代わりに使えば、テントで過ごす他のオートキャンパーとは違ったスタイルで楽しめることも魅力です。
荷台は地面から高さがあるため、冬場のキャンプでも底冷えする心配もありません。フラットな底面の上で暖をとりながら、快適な環境を作れます。
軽トラキャンピングカーの種類は二つ
荷台に居住スペースを載せる軽トラキャンピングカーには、居住スペースを荷台に固定するタイプと着脱できるタイプの2種類があります。利便性や乗車定員の違いを理解しておくことが大事です。
荷台に固定するタイプ
居住スペースを荷台に固定するタイプは、運転席の後部や天井部をくり抜き、運転席と居住スペースの空間をつなげている点が特徴です。
ベースが軽トラであるということ以外は、『キャブコンタイプ』のキャンピングカーと同様の構造となっています。運転席と居住スペースとの行き来も可能です。
4人乗車できるようになることもメリットといえます。軽トラは原則として2人乗りですが、固定式の場合は普通自動車扱いとなるため、居住スペースにも人を乗せて移動できます。
ただし、居住スペースを荷台に固定した場合、特種用途自動車として8ナンバー登録しなければなりません。高速料金や税金も、軽トラに比べ高くなるでしょう。
着脱できるタイプ
居住スペースを着脱できるタイプは、『トラックキャンパー』や『トラキャン』と呼ばれるタイプです。
キャンパーとして使用しないときは居住スペースを取り外し、普通の軽トラとして使えます。車検の際も軽トラとして通せます。
軽トラと居住スペースが別々になっていることから、それぞれを買い替える場合も取り付けが簡単です。
荷台に載せる居住スペースは荷物として扱われるため、移動中は運転席と助手席の部分に2人しか乗れません。固定式に比べ、乗車定員は少なくなります。
軽トラをキャンプ仕様にする方法
軽トラキャンピングカーで荷台に載せる主なものには、テント・帆・キャンパーシェルの3種類があります。それぞれの特徴を確認しましょう。
荷台にテントを張る
軽トラの荷台に帆やキャンパーシェルを設置するのが面倒なら、荷台にテントを張る方法がおすすめです。
荷台に設置されている縄掛けピックを使い、テント用ロープで四隅を固定すれば、より手軽に軽トラをキャンプ仕様にできます。
一般的な日本製の軽トラは荷台の長さが約2mあるため、テントを張って横になるのに十分な広さといえるでしょう。地面からの底冷えを感じることもありません。
ただし、テントを張ったまま走行すると、テントが飛ばされる恐れがあるため危険です。荷台にテントを張る場合は、キャンプ場に着いてから設置しましょう。
荷台に幌を取り付ける
配送用の軽トラの荷台でよく使われている、雨風やホコリを避けるための帆を取り付けて、キャンプ仕様の居住スペースにすることも可能です。
骨組みを設置して帆で覆う組み立て式なら、広々とした空間を保てます。居住スペースの内部に多くの荷物を入れたい場合におすすめです。
1枚の帆を広げるだけで空間を作れるシートタイプもあります。撤去作業に手間がかからないため、手軽に居住スペースを確保できるアイテムとして活用できるでしょう。
軽トラをキャンプ仕様にできる帆は、サイズ・デザイン・使い勝手などの違いにより、さまざまな種類の商品が販売されています。
キャンパーシェルを設置
軽トラを本格的なキャンプ仕様にしたいなら、より過ごしやすい環境を確保できるキャンパーシェルの設置がおすすめです。
市販のキャンパーシェルには、ベッドやキッチンなど、本格的な装備が整った快適な居住空間が用意されているものもあります。
近年は、キャンパーシェルを自作する『モバイルハウス』も人気です。市販のモバイルハウスもありますが、材料費も抑えられるためDIYで自作し軽トラに載せるスタイルが一般的です。
デザインを自由に表現したり、断熱材やソーラーパネルを有効活用したりと、愛好家の間でさまざまなモバイルハウスが楽しまれています。
人気の幌でキャンプを手軽に楽しもう
軽トラキャンピングカー用の幌を取り扱う人気ブランドを紹介します。キャンプ仕様の居住スペースを、手軽に荷台へ設置したい人におすすめです。
軽トラ専用キャリアで使い勝手抜群 HARD CARGO JAPAN
軽トラのカスタム用パーツを専門に取り扱うブランドです。耐荷重100kgの軽トラ専用キャリアは、全モデル・全年式の軽トラに対応します。
キャリア専用幌を併せて購入すれば、吊り下げるだけで設置できるため取り付けが簡単です。幌を取り付けても、キャリア上部はそのまま物置きスペースとして利用できます。
ファスナーは三方開き仕様に設計されているため、荷物をスムーズに積み込みできるでしょう。キーロックに対応していることから、セキュリティ面の不安も軽減できます。
機能性が高い幌でキャンプを楽しみたい人や、自転車・カヤックなど持ち運びしにくい荷物を載せて移動したい人におすすめです。
HARD CARGO JAPAN │ ハードカーゴジャパン-軽トラ用ラックキット
テントモチーフの幌がおしゃれ Bug-truck
テントをモチーフに設計されたおしゃれな幌を展開するブランドです。スタイリッシュなビジュアルと優れた機能性が備わった幌で、玄人好みのキャンパーに仕上がるでしょう。
幌の生地には、丈夫なクラフテル幌布を採用しています。左右の三角窓にはメッシュが標準装備されており、環境に合わせて窓を全開にすることも可能です。
荷物を出し入れしやすいように、開口部は大きく開閉できる仕様に設計されています。分割できるフレームには穴開け加工などを施しておらず、簡単に着脱できることも魅力です。
幌は日本の職人が手作りで丁寧に作っています。好きなロゴを後から自分でプリントしたい場合は、プリントなしの状態で納品してもらうことも可能です。
bug-truck(バグトラック)使える多機能「幌」システム【公式ネットショップ】
キャンパーシェルをDIYしてみよう
荷台に載せるシェルをDIYすれば、自分好みの軽トラキャンピングカーを作れます。DIYの大まかな流れを理解し、シェル作りに挑戦してみましょう。
軽トラに積載できるサイズを確認
キャンパーシェルは積載物として扱われるため、法律で定められた範囲を超えないサイズで作らなければなりません。
シェルを載せた状態で、全体の長さを車両の長さの110%以内に収め、高さは地面から2.5m以下にする必要があります。幅の上限は車両幅まで、重さは最大350kgです。
これらのいずれか一つでも超えた状態で走行した場合は、道路交通法違反となってしまうため注意しましょう。
参考:交通の方法に関する教則 第4章 第4節 乗車と積載|警視庁
設計図を作る
シェルをDIYで作る場合は、最初に設計図を作る必要があります。まずは、どのようなシェルにしたいのかイメージすることが重要です。
具体的なイメージがわかないなら、軽トラキャンピングカーの画像などを見ながら、理想のシェルをイメージしてみましょう。
イメージが決まったら全体の寸法を決め、実際に図面を描いていきます。具体的な図面作成では、『3D CAD』のソフトを使うのが便利です。
シェルの素材を選ぶ
設計図が完成したら、シェルの素材を選びましょう。よく使われる素材としては、木材・アルミ・FRP(繊維強化プラスチック)が挙げられます。
木材は軽量で加工しやすいことから、骨組みや壁の素材として人気です。防水加工を施したり、重ねて断熱効果を高めたりできます。
木材のつなぎ目には、防水目的でアルミがよく使われています。より防水性を高めるために、木製シェルの下にFRPを貼り付ける方法も効果的です。
木材ベースでDIYする場合は、できるだけ防水性を高める必要があります。素材選びでは、軽さや加工のしやすさだけでなく、防水を意識して選ぶことも重要です。
なお、トラックに積むタイプのキャンパーシェルは、車検時に積荷として扱われるため降ろす必要があります。そのことも考慮して素材選びをしましょう。
材料を加工し組み立てる
材料を準備できたら、設計図を見ながら材料を加工します。DIYでシェルを自作する場合は、自分で加工しやすい木材のみで骨組みを作るのがおすすめです。
部品を組み立てる際は、最初にボンドなどで仮固定し、ずれないように確認しながら釘やネジで本固定しましょう。
最初に屋根と壁の骨組みを作り、次に屋根下地・天井・内壁を張り、外壁と屋根を張った後に塗装して建具を取り付けるという流れが、組み立ての基本です。
内装のコツ
シェルの内装を考える際は、居住のしやすさ・プライバシー対策・寒さ対策を重視するのがポイントです。
居住性を高めるためには、寝るためのベッドや食事・作業に必要なテーブルが欠かせません。夜間の利用を考えると照明も必要です。
夜間に照明をつけると、内部が丸見えになってしまう可能性があります。プライバシーを守るために、フィルムを貼るなどの工夫を凝らしましょう。
冬場や夜間の寒さ対策として、断熱材や段ボールで壁の断熱性を高めるのが効果的です。夜間のエンジン使用を禁止しているキャンプ場が多いことにも注意しましょう。
まとめ
軽トラの荷台に居住スペースを載せた軽トラキャンピングカーは、経済的かつ個性的な点が魅力です。荷台に取り付けるものとしては、テント・幌・キャンパーシェルがあります。
有名ブランドが販売する人気の幌を選べば、軽トラを手軽にカスタマイズできます。自分好みの本格的な軽トラキャンピングカーを作りたいなら、キャンパーシェルのDIYにチャレンジしてみましょう。