熊本県阿蘇市は、世界でもトップレベルの巨大カルデラ(火山活動でできた凹地)を有する場所として知られ、黒川温泉という日本有数の温泉街があったり、広大な草原で牛や馬が元気に育ったりと恩恵を受けている。
そんな阿蘇市では、自然に恵まれた環境をより多くの人に体験してもらう試みとしてサイクルツーリズム(自転車を使った観光)を積極的に進めている。今回は、自転車を使用したおすすめの観光地を紹介する。
温泉に料理、絶景と魅力的なものが揃う阿蘇市
観光スポットを紹介する前に、阿蘇では自転車を使った観光・サイクルツーリズムを推進している。目的地の途中にあるショップや風景を堪能してもらい、阿蘇の魅力を存分に味わってもらいたいため。カルデラの上を走る爽快感と、美味しい空気の中で走る心地よさ、そしていろんなスポットを立ち寄りながら走る楽しみは格別だ!
ということで、早速オススメの観光スポットを紹介する。
※場所によっては自転車では行きにくい場所があるので、事前にチェックしておこう。
キャンプをコンセプトにしたカフェ「tanzvongras coffee」
キャンプが趣味というオーナーが一人で運営するカフェ。tanzvongras coffee(ダンス フォン グラス カフェ)のtanzvongrasはドイツ語で、日本語に訳すと“草とダンス”。草は阿蘇市の自然を、ダンスは遊びを意味しているそうだ。
キャンプカフェというコンセプトに合わせ、店内のファニチャーやライト、インテリアに至るまでキャンプ用品を使用しており、その半数は私物。もちろんオーナー自身がキャンプをする際にもそれを使用している。
店名をドイツ語で表現しているのは、キャンプで使用しているコマンダンテというブランドのコーヒーミルに由来する。手で握って使用するハンドミルでありながら、バリスタの世界大会で使用する業務用ミルに匹敵する味と言われるほど高い性能を持つとされる。
そんな優れたミルに尊敬の意を込めたとオーナーは話す。店の売りは、カルデラの湧水を使用したドリップコーヒー。クリアな味わいでケーキやお菓子の味を邪魔せず、美味しくいただけるそうだ。テイクアウトもやっているので、旅行の休憩がてら寄ってみてはいかがだろうか。
ショップ情報
熊本県阿蘇市内牧289-1
TEL. 050-5327-5964
営業時間:10:30〜17:00
定休日:水曜日
https://campcafe-tanz-von-gras.business.site/
熊本トップレベルの人気店「いまきん食堂」
tanzvongras coffeeの近くには、1910年創業のいまきん食堂がある。熊本でも屈指の人気店として知られる。それもあり、平日でも3時間待ちすることもあるとか。伺った当日は若者でごった返していた。
一番の売りは、熊本の和牛・あか牛をたっぷり使った牛丼。レアに焼き上げた肉はとろっとした食感で、口の中で転がしただけで溶けてなくなってしまう。特製ダレと半熟卵、そしてワサビも味を引き立て、至福の時間を与えてくれる。
牛丼のほかにあか牛を使ったハンバーグ定食やうどん、そば、そしてちゃんぽんなども提供している。予約はできないため、気になる人はお早めに訪れたほうがいいだろう。
ショップ情報
熊本県阿蘇市内牧290
TEL. 0967-32-0031
営業時間:11:00〜15:00(L.O.14:00)
定休日:水曜日
http://aso-imakin.com/
お土産を買うならここ「道の駅 阿蘇」
阿蘇の美味しい土産物や特産物が一堂に集まる道の駅 阿蘇は、阿蘇五岳を広く見渡せる絶景の位置にある。
駐車場は全164台(普通車147台、大型車15台、障害者等駐車スペース2台)があり、そのほかにバイク専用駐車場とロードバイク用のサドルラックも完備している。夜間利用する人向けの手洗い場やトイレもあるので、キャンピングカーなどで旅をする人にも安心だ。
お店の前では野菜が販売されており、中に入るとあか牛のステーキやハンバーグ、人気料理店でも取り扱う阿部牧場の乳製品など様々なお土産が販売されている。そのほかにも、パン工房 豆の木や阿蘇天然アイスといったお店もあるので、阿蘇へ来たらぜひ立ち寄ってみてほしい。
ショップ情報
熊本県阿蘇市黒川1440-1
TEL. 0967-35-5088
営業時間:9:00〜18:00(売店)
定休日:無休
https://www.aso-denku.jp/
熊本の大自然「阿蘇山」
世界規模で見ても最大級の火山と言われている阿蘇山。阿蘇山とは阿蘇五岳だけでなく、外輪山や火口原も含む一帯を指し、10万年前に一斉に噴火が起きたことで巨大カルデラができたと言われている。最高峰は標高1592mの高岳。
阿蘇山を観光で見られる場所として有名なのが中岳。標高は1506mで、途中までバスや車で行くことができる。火口の奥は噴煙が上がることが多く、取材時も見ることができなかったが、高く伸びる煙を見て自然活動の壮大さを見ることができ満足。
なお、急遽規制がかかり入山できないこともあるので、観光で観に行く際は事前に阿蘇火山火口規制情報をチェックしよう。
阿蘇火山火口規制情報
http://www.aso.ne.jp/~volcano/info/
阿蘇の絶景を堪能できる「瀬の本高原ホテル」
最後にオススメの宿泊施設も紹介。こちらは熊本空港からバスに乗って約1時間10分で行ける、黒川温泉郷内にあるホテル。標高920mにある立地から阿蘇五岳を一望でき、新緑、紅葉、そしてススキと四季折々の美しい風景が見られるのが魅力である。
黒川温泉郷は江戸時代から湯治の場として、藩の役人もこぞって利用していたとされる歴史ある場所。敷地内にある温泉はすべて源泉掛け流しで、サイクリングで疲れた身体を癒すのに絶好だ!
料理は阿蘇の恵みを駆使した四季折々の和食をコースで提供。また、時間と季節によって異なった景色が見られるダイニングからの眺めも一見の価値ありだ!
ホテル情報
熊本県阿蘇郡南小国町大字満願寺5644
問い合わせ:0967-44-0121(9:00〜20:00)
https://hotel.senomoto.com
文・撮影/小川迪裕