作業時間わずか5分。山で湯を沸かす作業が快適になる道具を作ろう
自分で作れば愛着も沸く
ちょっとした改造から手作りまで、アウトドア用品をより使いやすくするための工夫を、ご自身のYouTubeチャンネルで多数公開しているアウトドア系人気YouTuber『winpy-jijii』さん。今回は、超簡単だけど、かなり使えるアルスト=アルコールストーブ用のUL(ウルトラライト)五徳を針金だけで作ってもらった。
「アルスト用の五徳は最近では100均でも売ってます。でも針金があれば、軽くて持ち運びもしやすい五徳を安くて簡単に作れるんで、やってみましょうか」
針金だけで自分が使いたい好みのサイズの五徳が作れる
この日、winpy-jijiiさんが用意した材料は、太さ2㎜の針金のみ。使った工具は、ラジオペンチと針金を切るときに使うニッパだけ。これなら、即、真似できそうだ。
「まず完成したものを見たらええんちゃうかな。針金をコの字型にしたものを3個。これを組み合わせただけですわ。私のアルストはビールの缶で自作しました。皆さんも愛用しているアルストに合わせて、ぴったりの五徳を作ってみましょう」
針金だけで強度は大丈夫?
針金だけで作られた五徳。強度は大丈夫なのか聞いてみた。
「コの字型の短辺が3か所タテ方向にあるので、簡単には曲がりません。500mlの湯を沸かしラーメンを作ったり、コーヒーを淹れる湯を沸かすぐらいの重量なら問題ないですよ」と。素晴らしい!
さあ一緒に作ってみましょう!
「では作ってみましょうか。まず、針金をコの字型に曲げていきます。手でも曲がりますが、ラジオペンチを使って、90度にきれいに曲げましょ。コの字型の短い辺が五徳の高さになるので、アルストより少し高くなるようにな。次に両端をニッパで切って長さを揃えます。今回は目分量でやってますが、皆さんは作りたいサイズを測るとええんちゃうかな」
細かい作業はケガをしないよう慎重に
winpy-jijiiさんは、これまでにこの五徳を何個も作っている。そのため、サイズ感が頭に入っていて、直感的に長さを決めていた。初めて作る方は、紙の上にアルストを置いて、その周りに三角形を描く。続いて一辺の長さを測り、両端にジョイントにするために曲げる部分の長さをプラス10~15mmほどを加えた長さでカットするといい。
「ここまでできたら、ラジオペンチの先を使って、ジョイント部分を曲げていきます。短い辺のほうに対して垂直になるように。なるべく小さいループを作ってな。あとでガタガタせんでええから。ループの形は、『?』の上の部分みたいな感じで。一度下に曲げてから上にグルんとやるようにな」
左右の先端を同じように曲げれば1個目のコの字型パーツのできあがり。あとは、同じものを2個、計3個作る。
いよいよ組み立て
「では、組み立てましょ。最初のコの字型のパーツの先端のループ部分に、2個目のコの字型パーツの角を入れます。そしたら、抜けないようにループの先端をラジオペンチでキュッとつぶします。3個目のコの字型パーツも同じように。これで、3つのパーツが合体しました。そしたら、最後にひと工夫。1個目に3個目のループを入れます。ここだけは、着脱できるように硬く閉めないで、引っ張ったら抜けるようにな。テンションをかけたときだけ、ギリギリ抜けるような隙間を開けて先をつぶします。これで完成ですわ。あとは、形を整えてガタつきがあったら、接合部分を直したりしてね」
使わないときには折りたためる。だから持ち運びも楽々
winpy-jijiiさんは、接合部分の1か所だけ着脱できるようにループの先を少しだけ開く工夫をしている。そのため、この部分を外せば瞬時にコンパクトに折りたためる。
「専用のアルミケースを作って、そこにアルスト2個、ウコンドリンクの缶で作った燃料入れ、そして、この五徳が丁度入るようにしてます。軽くてコンパクトなんで、登山のときにはよ~く使ってますねん。これのええところは、隙間が多いんで、横からアルストの蓋を出し入れできること。アルストの上に載せるタイプよりも便利なんちゃうかな」
winpy-jijiiさんは、この五徳を5分もかからずに完成させてしまった。そのアイデアのみならず、手先の器用さにも驚かされた。ほんとうに簡単に作れて便利なので、皆様もぜひ作ってみよう。
構成/山本修二
『winpy-jijiiのアウトドアチャンネル』もチェック!
今回紹介した針金で作る”アルスト用UL五徳”は、winpy-jijiiさんのYouTubeチャンネルで公開中。あわせて参考にしよう。