「モウソウチク抽出物」が新型コロナウイルスにも持続的な不活化効果を発揮
手指はもちろん、手で触れる場所や使うものなどの除菌や消毒が当たり前になったこの1年。キャンプに行っても、調理道具や食器などの除菌や消毒をしておいた方が安心ですね。手指用の除菌スプレーは、種類も多く、香りなど好みで選んでいると思いますが、キッチン回りの除菌には、口に入っても安全な成分で作られている必要があります。さらに調理器具って、水に濡れていることも多いですよね。その場合、水によって除菌スプレーのアルコール濃度が薄まり効果が低くなることもあります。そんなアルコール製剤の弱点をカバーし、ウイルスの持続的な不活化が確認されたのが、「タケックス」から2020年9月に発売されたモウソウチク抽出物含有アルコール製剤「タケックスクリーン 77」です。
タケックスは、「竹の可能性を創造し、地球環境の保全と世界の健康に貢献すること」をミッションに研究・開発を行なっています。昨年発売されたモウソウチク抽出物を含有した「タケックスクリーン77」は、新型コロナウイルスに対しても、検証試験の結果15日後の不活化率99.99%以上のウイルス不活化効果があることが確認されました。不活化とは、ウイルスの感染力が無力化されて、増殖ができない状態のことです。タケックスクリーン77は、アルコール濃度77%にモウソウチク抽出物が配合されることにより、抗ウイルス効果の持続期間がぐっと長くなります。
※試験機関:(一財)日本繊維製品品質技術センター
モウソウチク抽出物とは
新型コロナウイルスに対しても、除菌効果が持続することが確認された「モウソウチク抽出物」とは、中国・日本に生息するイネ科のモウソウチク(孟宗竹)の茎の表皮を粉砕し、エタノールで抽出されたものです。このモウソウチク抽出物は、厚生労働省から食品添加物として認可されている安全性が高いものになります。竹には、抗菌効果、消臭効果、抗酸化作用があるといわれていて、竹の皮で食品を包むなど、昔から活用されています。
竹は、成長期には2か月で20mも成長します。しかも、この期間にCO2を大量に吸収してくれます。また、竹林は適度に伐採を行い、竹林の再生サイクルを整えることで地下茎に栄養が蓄積され、タケノコが芽吹き、新しい竹が成長し資源になります。このように短期間で成長する竹の成分変動を調査したところ、内側の白い繊維質部位に存在する濃密な栄養分は、酸化しやすく腐りやすい上に、すぐにカビが発生し、虫も入りやすい成分組織で成り立っていることがわかりました。この繊維質部分を細菌やカビ、腐敗や虫から守っているのが緑の表皮部分です。まさに自然の防腐剤といったところです。そこから抽出されたモウソウチク抽出物を配合したタケックスクリーン77は、今回、タケックスと大阪府立大学との共同研究において、新型コロナウイルス、ノロウイルス、A型インフルエンザウイルスに対して試験が行なわれ、すべてにおいて10日以上の99.99%の不活化が確認されました。昔の人は、日々の体験から竹のパワーをよく知っていたようですね。
※ノロウイルスは、ネコカリシウイルスを代替使用。
アルコール製剤の弱点をクリア
自然の竹の恵みであるモウソウチク抽出物が配合されたことによるメリットは、なんといっても食品添加物に使われる安全性を持つ除菌スプレーということです。アウトドアでは、調理器具や食器など、安心して除菌できます。キャンプ時はもちろん、自宅でも活用の場が多そうです。また、ぬれている場所でアルコール濃度が低くなっても、除菌の効果が低下しないのもうれしいところです。モノの除菌には、熱水や塩素系漂白剤の主成分である次亜塩素酸ナトリウムが有効ですが、指定の濃度に薄めたり、手指に直接触れないよう手袋をしたり、除菌時に気を配るべきポイントがいくつかあります。手指と一緒で器具や食器もきちんと洗えば大丈夫ではありますが、スプレーでさっと除菌できるのは便利そうです。さらに、アルコールだけのよりも長時間、抗ウイルス効果が持続するのも除菌の回数が減らせそうです。
※長時間抗ウイルス効果は持続しますが、ウイルスがついた手で触るなど、新たにウイルスが付着した場合は、改めて除菌する必要があります。
自宅なら、ドアノブや手すりに使うのもおすすめです。また、赤ちゃんのおもちゃなど、口に入れるものにも使えます。キャンプはこれ1本でOKと言いたいところですが、「タケックスクリーン 77」は、モノを除菌するための製品のため医薬部外品ではありません。つまり、薬機法で定められるところの手指消毒用の除菌スプレーではないことになります。基本的にモノにスプレーして使うタイプですが、このコロナ禍で、アルコールが手に入らないときは手指消毒に使用してもいいとの通達が厚生労働省からあったそうなので、いざというときには使用可能です。
モウソウチク抽出物は、食品添加物に使用できる安全性により口に入っても大丈夫なため、マスクスプレーとしても活用できます。この場合、アルコールを吸い込まないよう、塗布してアルコールがとんだ状態になってからマスクをつけるようにしてください。竹は、短期間で成長し、新たな竹が成長するために間伐も必要なため、環境にもやさしい原料といえますね。里山再生など地域の活性化や、化学品の代替資源として、竹のパワーがこれからもひと役かってくれそうです。
タケックス
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