バルセロナの中心部から電車に乗って約1時間。「東京でいう高尾山のような位置」にある、かつての修行の場でありトレッキングコースも豊富にある、モンセラットのご紹介その2です。
モンセラットの中にいくつかあるハイキングコースの中でも今回『サンタ・コバ』を選んだのは、この登山電車に乗ってみたかったのと、ゆっくり歩いても往復1時間ほどで帰ってこられるコースだったから。服装も普通の旅行で着るようなもので行けます。
本気度高めの山頂コース(往復3時間・山頂からピレネー山脈が見えるらしい!)というのもあるのですが、戻ってきてからカフェテリアで食事したい&地元のデザートも食べたい、なおかつお土産を見る時間も欲しいし(山の売店は店じまいが早い)ということで今回は諦めました。出発とゴールの拠点にもなっている礼拝堂前には山頂コースから戻ってきたとおぼしき、両手にストックを持ちザック装着の登山目的の人びともちらほらいました。
ここからてくてく出発です。個人的に海外初トレッキングデビュー(?)なので興奮ぎみ。
キリスト復活を現したモニュメント(ガウディ作らしい)。歩いているとこのようなモニュメントや彫像が、道中あちこちで見ることができて、飽きません。
このサンタ・コバのハイキングコースの道幅はおおむね広く歩きやすく、家族連れが横に並んで歩けるくらいの幅はあります。犬も連れてみな自由に散策しています。ゴールに向かって右側は断崖絶壁、そして反対側に目を向けると、切り立った岸壁がどこまでも続いています。
ゆっくり写真を撮りながら歩いたので、ゴールの教会まで25分くらいで到着しました。
見えてきました。それにしてもものすごい場所に教会を建てたものです。なんでも、かつてイベリア半島を支配した異教徒による襲撃からマリア像を守るため、この聖なる洞窟(Santa Cova)に隠していたのだとか。
この逸話にまつわるさまざまな奇跡の言い伝えもあり、モンセラットには多くの巡礼者が訪れるようになり、聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラと並びスペインの二大巡礼地に数えられるに至ったとのこと。現在この洞窟には、マリア像の複製が安置されています。
とくに普段信仰心など強く自覚することがなくても、静まりかえった礼拝堂に足を踏み入れると、我が振る舞いを問われているような気持ちになります。
中庭で一服して、中心部に戻ってきました。往復1時間。礼拝堂近くにある、セルフサービスのカフェテリアで遅いお昼♪ 並べてある中から好きなものを取って最後にお会計するシステムです。野菜の丸焼きとチキングリル。1時間歩いたあとの食事は最高です。
カフェテリアの隣がお土産の売店になっていて、品数も豊富。持っていると幸せになれそうなデザインの、マリア像の写真をあしらったしおりや、ポストカードがたくさん。もちろんレプリカの黒いマリア像も大小サイズを取り揃えて販売中です。
この公式(?)の売店以外にも、名産品を売りに来ているマーケットに遭遇しました。珍しいハチミツやハーブ、ひよこ豆、焼き菓子、オリーブオイルなど見るだけでも楽しいラインナップ。そして売り子のお母さんたち、大変日本語がお上手です。チーズも全種類味見させてくれて、昔アニメで見たようなまん丸の形をしたチーズがズラリと並びどれも魅力的。味見させてもらったうえで、クセが強めでかつ匂いが強くないヤギのチーズを買いました。
夕方、朝買った往復切符を使ってバルセロナに戻りました。モンセラットにはできたての新しい美術館もあり、まる1日滞在して濃い時間が過ごせます。都市での観光に疲れたら山へ1日足を伸ばすのはいかがでしょう。絶景を拝めてパワースポットでパワーチャージできて、少年たちの美声を聞いたりしてちょっと心の洗濯もできる。そんなモンセラット・ハイキング、おススメです。
イラスト・写真・文/コタロー
旅行・冒険が好きなイラストレーター。長野県出身。LINEスタンプ『コタローのクライマーズスタンプ』発売中。https://store.line.me/stickershop/product/1274881/
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