キャンプで美味しいコーヒーを淹れたい
アウトドアシーンでコーヒーを楽しむひととき。寒い冬、暑い夏。四季を通して空の下でいただくコーヒーは、どうしてあんなに美味しいのでしょう。
野外で本格的なコーヒーを淹れるために、道具を一式持参しようと思えば、それなりにかさばるものです。中でも荷物になるのは、ドリップ用のケトルではないでしょうか。
キャンパーであれば、すでにケトルを持っている方も多いでしょう。「コーヒーのためだけに新しくドリップケトルを買うのはちょっと……」と思われる方もいらっしゃると思います。
ハンドドリップの際は、細く一定の量のお湯を注ぎたいところです。ですが、キャンプ用ケトルの注ぎ口は、口径が大きく、短いものが多いのです。この形状だと勢いよくお湯が出てしまって、ゆっくり注ぐのがむずかしいですよね。注ぎ終わりにポタポタと、尻もれしてしまうこともあります。
そんな「手持ちのケトルでうまくドリップができない」悩みを一発解決してくれるアイテムが、「きゅうすスキッター」です。新しくドリッパーケトルを買うことなく、これを使って快適なハンドドリップを実現してみませんか。
簡単便利「きゅうすスキッター」の取りつけ方
「そそぎ口に差し込むだけでスッキリ水を切ります」という宣伝文句のとおり、きゅうすスキッターはきゅうすやケトルの液だれ、尻もれをふせぐためのアイテムです。
キャンプ用ケトルにもこれが使えます。私も手持ちのもので試してみました。
私がキャンプで使用しているのは、このケシュアのケトルです。リーズナブルながら、洗練されたかわいすぎないデザイン、ほどよい大きさが気に入っています(直火でも使っているので少々ススっぽいですが、ご容赦ください)。
このケトルはきゅうすに比べて、注ぎ口が広めです。きゅうすスキッターを使おうと思うと、そのままの形ではうまく止まらず滑ってしまいます。こんなときは、指で持って少しだけ幅を広げてあげます。
写真上がそのままの状態、下が広げた状態です。ステンレス製ながら柔らかく、指で簡単に曲げられます。ケトルやポットの注ぎ口の形状にあわせて、広がりを調節してみてください。
あっという間に取りつけが完了しました。差し込むだけなので、とても簡単です。
ケトルだけでなく、きゅうす、ポット、土瓶など、さまざまな形の注ぎ口に取りつけることができます。
実際にドリップしてみた
実際に使ってみたいと思います。写真はきゅうすスキッターをつけていない状態で、お湯を注いだところ。注ぎ口の大きさに比例して、勢いよく水が流れ出ています。これでは狙ったところにドリップするのはむずかしそうです。
ではきゅうすスキッターをつけた、同じケトルで、同じように傾けてみましょう。
流れ出る水量が、目に見えて変わりました。細く流れるお湯はまさにドリップケトル。これならハンドドリップでコーヒーが淹れられそうです。
同じケトルとは思えない、ゆるやかな水の流れ……狙ったところにお湯を落とすのも簡単です。
なぜこんなに変わるのでしょう?
流れる水道の水にスプーンなどを近づけると、吸い寄せられるように水の流れが変わるのが分かります。「コアンダ効果」というのですが、きゅうすスキッターは、これと同じ原理を利用しています。
コーヒー党の味方、きゅうすスキッターは、流体力学に基づいた素晴らしいアイデア製品でした。
コーヒーを淹れるとき以外にも便利なので、基本的には一度つけたら外さなくてOK。オールステンレス製ですので、衛生的なところもうれしいですね。
取りつけ形状の注意点など
家で使用している大きいケトルや、きゅうすでも試してみましたが、問題なく使えました。
曲げ方次第で使える幅は広そうですが、かなり変わった形状や、最初から細い水が注げるような注ぎ口の細いものには、入らないこともあるようです。
※参考:きゅうすスキッターの長さは、約52mm。
きゅうすスキッターは2個入りですので、万が一変形させすぎて失敗してしまった、なんてことがあっても安心ですね。
キャンプで使う、ドリップケトルが欲しかった方。大いに検討の価値あり、ではないでしょうか。