塩の道の出発点へ。海まで約50m、住宅街にぽつんと案内板が。あ、意外と地味な始まりなのね……。この界隈は、往時は廻船問屋や歓楽街があり賑わった場所。そして京都を起点に、前田氏が治めていた加賀から続く北陸道との交差点でもあり、塩問屋や乾物を扱う四十物屋(あいものや)、酒屋などが軒を連ねていたそう。このあたりはガイド渡辺さんの歴史解説も熱が入るところです。
北陸新幹線の線路を越えたあたりは、かつては鉄砲町と呼ばれており、道がクランクとなっています。これは城下町だった名残。糸魚川藩は徳川家康の次男である結城秀康の流れを汲んでおり、道沿いの善導寺には三つ葉葵の紋が見られます。善導寺を過ぎたあたりから、徐々に勾配がついて、日本海が背後に見えてきます。ここから塩の道らしい山歩きのスタートです。