車中泊をサポートするカーサイドテント
気軽に出かけて気に入った場所で寝泊まりする車中泊の旅が注目されているが、クルマを自分好みの隠れ家に仕上げたバンにせよ、プロの知識が詰まったキャンピングカーにせよ、車内だけで暮らしを完結させるのは結構大変。そんな悩みを解消するのがカーサイドテントだ。
広げるだけでクルマのすぐそばに開放的なリビングが生まれるし、車内でベッドを作るときはちょっと荷物を外に出しておける。フルクローズタイプなら着替えだってお手の物。カーサイドテントがひとつあると、プライベート空間を大幅に拡充できるのだから。
市場には多くのカーサイドテントが販売されていて、その多くがフロアレスなのだが、この春、コールマンがリリースした「カーサイドテント/3025」(3万6182円+税)は、なんとインナーテント付きでドームテント並の居住性を誇るという。その噂は本当なのか?さっそく試してきた。
カーサイドテント/3025はカーシェア派にも使いやすい
収納サイズはφ23×73cm、重量約10kg。インナーテントが同じ広さの「タフドーム/3025+」の収納サイズはφ24×76cm、重量11.5kgだからややスリムになっているが、持った感じはほぼ同じ。
屋根にFRP製ポールを通し、アルミポール2本とクルマのルーフで支える仕組み。「タフドーム/3025+」よりも約1.5kg軽くなった最大の理由は、ポールの数が減っているためだろう。
ルーフのポールは端っこが袋状になっているので組み立てている途中に不用意に抜けることがないので、ひとりでも迷うことなく設営できる。とはいえ、風に煽られるとやっかいなので、車両やテントが密集するイベント会場ではトラブルを避けるためにもパートナーにサポートしてもらうほうが安心だ。
コールマン「スクリーンキャノピージョイントタープⅢ」などと同じで、本体にあらかじめ装備されている樹脂のジョイントパーツにルーフ用と脚となるポールを差し込む。まっすぐのポールを素直に真下に伸ばせばいいので不安はない。また、張り綱を脚となるポールに巻きつけるため、風によるたわみを軽減できるのも頼もしい。
設営でもっとも悩ましいのがクルマへの取り付け位置だ。今どきのクルマは曲線が多く、なかなか吸盤が効く場所が見つからない。テント本体にはいくつか吸盤の取り付けグロメットがあるので、最初はいろいろな位置で試すしかない。
本体サイズは330×325×H210cmで、車高160〜195cmのクルマに対応する。一部のハイルーフ車を除き、アルファード、ヴェルファイア、ランクル、セレナ、デリカほか多くのミニバン、SUVに対応する汎用性の高さも自慢。クルマを買い替えても使い続けられるし、カーシェア派、飛行機+レンタカーの旅でも使いやすい。
テーブルとコットを置いても余裕の広さ。背も高く、フルクローズにしても圧迫感がない。自由度が高いフリーサイトであればドアパネルを張り出してもっと広々過ごしてもよさそう。
インナーを取り付ければほぼドームテント
カーサイドテント/3025はうれしいことにインナーテント付き。フックで引っ掛ければいいので夜になってから準備しても焦ることはない。
気をつけたいのがインナーテントは前後非対称だということ。コールマンのテントは、通常、テントのドアパネルにランタンマークがあるほうが外側になるわけだが、カーサイドテント/3025はクルマ側のドアパネルにランタンマークが描かれている。慣れている人こそ、最初の設営では注意が必要だ。
インナーテントは300×250×H185cmで、見た目はドームテントそのまま。家族4〜5人が車内で眠るには2段ベッドにでもしないと窮屈なのだが、カーサイドテントがあれば、リビングそしてベッドルームを大きく拡張できるのがいい。
フロアレスのカーサイドテントはマット&寝袋のほかにコットも必要だが、カーサイドテント/3025であればコット不要。寒い時期はクルマの下からの風を防ぐシートがほしいが、それでもインナーなしに比べると随分あたたかい。
カーサイドテント/3025は、自分でバンを改造する自信がないけれど気軽な車中泊の旅にあこがれている人、バンコンや軽キャンパーはあるけれど荷物が増えがちでもっとゆとりがほしい人にぴったりの道具。また、雨の日はテントとクルマの連結に頭を悩ませるが、その心配もない。車中泊派でなくても利用価値は高い。
【問い合わせ先】コールマン ジャパン https://www.coleman.co.jp