宮本諏訪神社を背に北へ向かうと、「あー、これぞ小谷だねー!」と皆が声を揃える風景が。こんもりとまあるい立山を背に、棚田と古民家の集落。『まんが日本昔ばなし』そのままの世界。のどかすぎる。こういった風景のなかを歩けるのも、日本のロングトレイルならでは。棚田では「斉藤先生」と呼ばれる農家さんが田んぼの準備をしていました。
畦道を抜けると、人の背よりも巨大な岩が現れます。これは御頭岩と書いて「おとのいわ」と呼ばれる岩。諏訪大社での御柱祭の前年に薙鎌神事が小谷村内の神社で行われるのですが、かつてはその大祝一行がこの岩に薙鎌を安置し、お昼ごはんを食べていたと言われています。この一帯はガニ原と呼ばれていますが、その由来はガニ=牛に履かせるわらじからだそう。ここから北へ向かうには、峠をいくつも越える厳しい道程。牛にも旅支度を、ということだったのかもしれませんね。