「はじめての冬キャンプ」で気を付けるべき3つのポイント
道が凍結していたらどうすればいい? テントの中で暖房ってどうしてるの? 子供と雪遊びするときに注意する点は? などなど、初めて冬キャンプに挑戦するときにわからないことって、けっこうありますよね。
そんな素朴な疑問に、冬キャンプの達人・長谷部雅一さんがお答えします。
どんな場合でも、あらかじめ危険を想定して備えておけば、慌てる必要はありません。準備を万端に整えて、楽しいポカポカキャンプを過ごしましょう!
Q .テントで暖房器具を使ってもOK?
A .危険です! 一酸化炭素中毒にならないように対策しましょう。
冬キャンプでいちばん怖いのは、暖房器具による一酸化炭素中毒。
大人の場合、一酸化炭素の血中濃度が10–20%で頭痛、20–40%で目眩が起こり、50–60%で昏睡、痙攣が発生、70%以上で死に至るとされ、子供は大人の1/2の血中濃度で致死量に達してしまいます。
基本、テント内での暖房や火器の使用は禁止。暖房器具をテント内で使いたいという人は、「ストーブ使用可能」とうたっている専用のテントを使いましょう。
【対策1】一酸化炭素チェッカーを使用する
一酸化炭素は無臭のため、一酸化炭素チェッカーを設置するのが有効。写真は一酸化炭素の濃度を知らせるDOD/キャンプ用一酸化炭素チェッカー2。湿度の高い環境でも探知することが可能です。ただし、風向きなどで測定値が変わることも理解しておきましょう。
【対策2】こまめな空気の入れ換えが必須!
常時新鮮な空気が流れるよう、上部のベンチレーションを開けるほか、テントの出入り口を5cm以上開けておくようにしましょう。
さらに1時間に1回、5分程度、すべての出入り口を開け、完全に空気の入れ換えを行ないます。
テントの容積によってはもっと時間がかかることもあるので、事前の情報収集をお忘れなく。
Q. 雪中キャンプは寒そうなので、車の中で寝ようと思っているんですが…。
A .「車中泊」は極力避けて。駐車時は「車止め」が必要です。
とくに気をつけたいのは、キャンプサイトが斜面になっている場合の駐車方法。路面凍結などで車が滑って移動し、テントサイトに突っ込んでしまう可能性があるので、大きめの薪などで「車止め」をしておくこと。
また、「車中泊」はできるだけ避けるようにしてください。暖房のつけっぱなしによる一酸化炭素中毒や、車内の急激な室温下降による凍死の可能性もあります。
Q .子供と初めての冬キャンプ。寒さ対策のポイントは?
A .子供はいつの間にか低体温症になってしまうことがあるので要注意です。
冬キャンプは、意外に汗をかくもの。常に暖かい服装を心掛け、体を動かして汗をかいたり、雪などで濡れたら乾いた服に着替えることを心がけましょう。
とくに子供は遊んでいると、靴の中や手袋がビショビショに濡れていることに気づかないことも…。唇が紫色になったら、低体温症のサインです。
温かい飲み物や食べ物で体の中から温めることを忘れずに!
教えてくれた人
※構成/大石裕美 撮影/山本 智 イラスト/奥 まほみ (BE-PAL 2021年3月号より)