今年の春分の日は3月20日、土曜日です。天文学的には、太陽が天の赤道をよぎる日です。この季節に毎年巡って来ますが、あなたは春分の日のこと、どれだけ知っていますか?
春分の日の日の出/日の入り時刻は何時?
ここでは国立天文台暦計算室のデータから東京の時刻を紹介します。
日の出時刻は5時45分。日の入りは17時53分です。これは毎年、同じです。春分の日は昼と夜の時間が同じわけですから、日没は17時45分でもよさそうですが、ちょっと遅いです。
ちなみに19日の日の出は5時46分、日の入り17時52分。21日の日の出は5時44分、日の入り17時53分。
春分の日に太陽が南中する時刻は何時?
南中とは天体が真南を通過することです。春分の日に太陽が南中するのは11時48分。正午のちょっと前です。このとき、太陽の高度は54.2度です。
春分の日はなぜ年によって日が変わる?
今年は3月20日で、昨年も3月20日でした。2019年と2018年は21日でした。その前2017年、2016年はまた3月20日でした。
太陽が「天の赤道」を横切るところを「春分点」と呼びます。「天の赤道」とは、地球の赤道をそのまま天まで延ばして天球上と交わってできる円です。
地球は太陽の周りを、毎年、正確に365日で一周しているわけではありません。365日と5時間49分かけて一周しています。春分点を通過する時刻も、毎年、約6時間ずつズレていきます。そのため春分の日も少しずつズレていくのです。
ごくマレに春分の日が19日や22日になることがありますが、2030年までは20日か21日です。
春分点を過ぎる時刻は何時?
天文学的にかなりマニアックな質問です。上でご説明した春分点を通過する瞬間が春分です。こちらも毎年違います。
今年は3月20日の18時37分です。日の入りから約40分後、太陽が天の赤道を通過します。
春分の日はなぜ「お彼岸」なのか?
日本では春分の日、秋分の日をはさんで前後7日間がお彼岸と呼ばれ、ご先祖様への供養を行なう日でもあります。
春分の日は祝日です。「昼と夜の時間がほぼ同じだから」という天文学的な意味ではなく、「自然をたたえ、生物をいつくしむ」日として1948年、祝日に制定されています。地域差はあるものの、草花が芽吹き、冬眠していた動物たちも目を覚まし、作物の種まきが始まる季節。豊かな一年を祈る日でもあります。
お彼岸は仏教用語ですが、古来、極楽浄土は西の土地にあるとされます。仏教が生まれたインドは、日本から見れば確かに西方の地。太陽が真西に沈む日がもっとも極楽浄土に近づくと考えられていたことから、春分と秋分の日がお彼岸になったと言われています。
なぜ春分の日におはぎを食べるのか?
これは「お彼岸」の関係です。お墓や仏前へのお供え物、その代表がおはぎです。牡丹餅(ぼたもち)とも呼ばれます。「棚から牡丹餅」などと言いますが、おはぎ=牡丹餅=縁起がいいというイメージではないでしょか(牡丹餅とおはぎは違う物という説明もあります)。
古来、日本では小豆は邪気を払うものとして大事に扱われてきました。お彼岸の日に、そうした縁起の良い供養物としておはぎが食べられるようになったと言われています。
それでは今年もよい春分の日をお迎えください。
文/佐藤恵菜