クオリティの高い薪ストーブ。ハースストーン「ヘリテイジ」を1シーズン使ってみた
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    2021.03.25

    クオリティの高い薪ストーブ。ハースストーン「ヘリテイジ」を1シーズン使ってみた

    私が書きました!
    山岳指導員(アルパインクライミング)
    ミツル
    山と自然に囲まれた長野県在住。登山では日本体育協会公認・山岳指導員(アルパインクライミング)の資格を持つ本格派。登山、バックカントリー、フリークライミング、アルパインクライミング、沢登りと山に関する遊びが生きがい。2児の父親をしながら、アウトドア系のフリーライターとして活躍中

    写真は全て著者私物。

    石の薪ストーブに一目惚れして、hearth stone(ハースストーン)のHeritage(ヘリテイジ)を、昨年の秋に購入しました。このヘリテイジは、昨年(2020年)に仕様の変更があり、以前のクリーンバーンシステムに加え、触媒を使った三次燃焼が追加されました。昨年の秋に購入して、約1シーズン使った感想をご紹介します。

    hearth stone(ハースストーン)とは?

    ハースストーンは、1978年にアメリカのバーモント州に設立された薪ストーブメーカーです。

    ハースストーンの特徴は、天然石のソープストーンを、薪ストーブ本体の壁として使用していることです。ハースストーンは、その見た目の美しさもさることながら、高い蓄熱性を生かしたクオリティの高い薪ストーブを製造しています。

    ソープストーンの魅力

    ソープストーンを使った天板。

    ハースストーンの薪ストーブに使われるソープストーンは、厚さ約3cmと、厚いものを使用しています。また、温度変化や高温にも強い石なので、優れた耐久性があります。

    そして、なんといっても一番の魅力は、美しい見た目です。著者も初めてこのストーブを見た時には、ソープストーンの美しさに衝撃を受けたのを今でもはっきり覚えています。天然石を使用しているので、全く同じものはありません。世界にひとつだけのストーブを持つということにもロマンを感じました。

    また、天然石を使用しているので、鋳物のストーブに比べると、熱くなりすぎず暖かさが柔らかいのが特徴です。蓄熱性が高く、長時間温かさが保つというのも魅力のひとつです。

    Heritage(ヘリテイジ)のスペック

    ヘリテイジの仕様は、下記の通りです。

    最大出力 15,120kcal/hr
    最大暖房面積 185平米(56坪)
    重量 215kg
    最長の薪の長さ 53cm
    煙突の接続位置 上部・背面
    燃焼方式 ハイブリット
    サイズ(幅×高さ×奥行) 700×768×483mm

    最新版(2020年)ヘリテイジの最大の特徴は、なんといっても「クリーンバーン二次燃焼システム+触媒による三次燃焼システム」ということです。二次燃焼で煙を燃やして、さらに触媒を介すといった、実に画期的なハイブリット燃焼システムです。これによって、煙は最小限に抑えられ、燃費効率は最大限に改善されました。

    サイドドアは上下開閉式なので火の粉が飛び散るリスクが軽減されます。

    ダンパーの開閉ハンドル。

    ハースストーンのヘリテイジを使って良かった点

    著者は、このストーブが2台目の薪ストーブです。今まで使っていたストーブとの比較で、良かった点をまとめました。なお、以前使っていたのは、鋳物の薪ストーブです。燃焼方式は、触媒方式のごく一般的な薪ストーブで、今現在も多くの家庭で使われている一流メーカーの薪ストーブでした。

    良かった点は下記の通りです。

    ・焚き付けが容易
    ・運用がとても簡単(よく燃える)
    ・燃費がいい
    ・煙が少ない、外に出ても匂わない
    ・蓄熱性能が抜群
    ・不快な熱さがない

    それでは、良かった点の詳細を紹介していきます。

    焚き付けが容易

    前に使っていたストーブでも、焚き付けに苦労したことはほとんどありませんでしたが、それにも増して焚き付けが簡単なことに最初はびっくりしました。以前使用していたものは、着火剤を使えば一発着火できましたが、著者は牛乳パックを使うことが多く、そうなると「一発で!」という訳にはいきません。

    しかし、ヘリテイジにしてからは空気の通りが良いため、7cm×7cm程度の牛乳パックが1枚あれば、十分に焚き付けができてしまいます。コツを掴むまでは、着火剤を使っていましたが、1シーズンが終わろうとしている現在では、一切使っていません。

    運用がとても簡単(よく燃える)

    炉内の上部についているパイプの穴から循環された煙が出て二次燃焼される。

    薪が小さくなってきたり、温度が下がってくると薪を補充しますが、薪をくべてからすぐ、本当によく燃えてくれます。以前はダンパーを開けた状態で、薪をしっかり燃やしてからダンパーを閉めていました。しかし、ヘリテイジではダンパーを開けたままでもクリーンバーンシステムで燃えてくれるので、必要以上に燃えることがありません。万が一ダンパーを閉め忘れたとしても、クリーンバーンのおかげで煙突を痛めたり、勢いよく燃えすぎたりといったことはなく、ダンパーを気にせずに燃やせるのは、本当に楽です。

    燃費が良い

    今までは、寝る前(24時前後)に薪を炉内にある程度いっぱいにしても、朝起きた(6時前後)にはすっかりストーブも冷めて、小さな燠(おき)が残っているか否かといったところでした。ところがヘリテイジでは朝起きても燠がしっかり残っているので、細めの薪をくべればすぐに再び燃え始めてくれます。

    真冬の寒い時期に高温で炊き続ける場合、4時間に1度程度薪を足せば、高温で燃え続けてくれます。感覚的には今までの1.5~2倍程度は燃費が良くなった、と感じています。

    煙が少ない、外に出ても匂わない

    煙の量や、外に出た時の匂いに関しては、劇的な違いを感じています。さすがに焚き付けの時はそれなりの煙が出て匂いも感じられますが、一度燃え始めてしまえば煙はほとんど出ず、匂いも全く感じられません。

    薪をくべた直後の煙の様子。

    薪を足す際には多少の煙は出ますが、写真の通り、気になるほどの煙は出ません。ちなみに、この写真はダンパーを開けた状態で撮影しています。

    そして薪をくべた30分後は……

    薪を追加した30分後。

    ダンパーを閉めてじっくり燃やしている状態ですが、煙は確認できません。(本当にストーブ焚いてるの?って疑われるレベルです。)

    蓄熱性能が抜群

    鋳物のストーブと比べて、ソープストーンのストーブは、蓄熱性が高く、冷め方もゆっくりです。朝出かける前にいっぱい薪をくべて、夕方帰宅してもオイルヒーターくらいの温かさは維持しています。

    ちなみに、以前使用していた鋳物のストーブでは朝めいっぱい薪をくべても、夕方には薪ストーブの本体は冷たく感じられるほどでした。

    不快な熱さがない

    鋳物のストーブがしっかり燃焼しているときは、薪ストーブ本体の近くによると「危険を感じる」と思ってしまうほど熱く感じられます。そして、近くに干したタオルなどは、うっすら焦げてしまうこともありました。しかし、ソープストーンの薪ストーブでは、そのようなことが一切ありません。燃え盛る最中でも、近くに寄って寛げるレベルです。

    こんなことを聞いてしまうと、家の中全体が暖まるのかと不安に思う方もいらっしゃると思いますが、その心配は全くいりません。著者の家は43坪の総2階、吹き抜けのある木造住宅ですが、家の隅々まで暖まります。著者は吹き抜けのすぐ横の部屋で寝ていますが、真冬でも時々窓を開けないと、暑くて寝られないこともあるくらいです。

    ヘリテイジの注意点は?

    ここまでは、ヘリテイジのいいところばかりを挙げてきましたが注意点もあります。それは、「部屋全体が暖まるまで少し時間がかかる」という点です。ストーブを焚き始めてから部屋が暖まるまでには実に1時間以上かかります。

    一度完全に冷えてしまうと、再度暖まるまでに少し時間がかかることは注意が必要です。

    まとめ

    薪ストーブの「ハースストーン ヘリテイジ」を、約1シーズン使ってきました。今までは上手に焚かないと煙ってしまったりガラスが汚れてしまったりするので、気を使って薪ストーブを焚いていましたが、今はそんなことは全くありません。本当に優れたストーブだと実感しています。

    これから薪ストーブの導入を検討されている方は是非、候補の1つにヘリテイジを入れてみてはいかがでしょうか?素敵な薪ストーブライフが待っています。

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