身近なアイテムの組み合わせで”虫除け液”を作ってみた
春から夏にかけて、行楽シーズンで山へ出かける人は増えていく。ただ、増えるのは人だけにあらず、山で生息する虫たちにとっても暖かい気候は好ましい。
山の中では様々な虫が暮らしているが、とくにわれわれ人間にとってやっかいな虫のひとつが「メマトイ」(コバエ)だ。顔周辺を飛び回り、目に飛び込む習性のあるこの虫を撃退する、身近なアイテムの組み合わせをご紹介しよう。
山の中に潜む害虫たち
気候に応じて日中の気温が上がってくると、虫たちの活動も活発になる。山で暮らす虫の中には、人に攻撃をするものもある。蜂のようにこちらからの刺激に応じて攻撃をしかけてくる虫がいるほか、好き好んで人間などの動物に近づいてくる虫もいる。
山の中で遊んでいて私自身が特に煩わしく感じるのが俗に「メマトイ」と呼ばれるハエの仲間だ。体調2~3mmほどの小さなハエが、顔の周りをブンブンうろつき、あげく目を狙って飛びついてくる。走って逃げてもかなり長い間つきまとってくる。
メマトイの習性
文字通り目の周りを飛び回るため「メマトイ」という呼ばれているが、なんと涙を舐めてタンパク質を摂取する特性があるそうだ。そのためリスクを顧みず目に向かって飛び込んでくるほか、カメラのレンズなど目に似たものにも近づくという。涙を舐めるだけならまだしろ、じつは東洋眼虫という寄生虫の中間宿主であり、症例は少ないが人間への感染例もあるとのこと。
なんとも気持ちの悪い話ではあるが、調べると市販の虫除けでは効果が少ないという。効力の強い市販の虫除けを備えて山に向かったものの、蚊は避けられたがメマトイには効かないという経験が私にもあった。
メマトイ防御効果にも期待!”ハッカ油”を手に入れた
いろいろと試してみて、私自身がメマトイに効果的だと感じた製品が「ハッカ油」だ。「ハッカ油」はハッカから抽出される油で、スーッとするような独特の清涼感は液体に含まれる「メントール」によるもの。ちなみに「ミント」はシソ科ハッカ属の植物の総称。「ハッカ」という場合は、このなかでも「和種ハッカ(ジャパニーズミント)」と「洋種ハッカ(ペッパーミント)」だけを指すそうだ。
清涼感のある香りを持つこの「ハッカ油」は、部屋の芳香用として、また気分を癒すためアロマとして利用する人が多いが、虫除けとしての効果も知られており、アウトドアグッズとして多くのメディアでも取り上げられている。
市販のデオドラント製品と混ぜて使うと、より便利に
ただし、使用したことがある方はご存知かもしれないが「ハッカ油」は少量でもかなり香りが強く、刺激も大きい。原液は肌に直接つけないほうが良いし、ましてやメマトイ対策として顔の付近に吹き付けるのはNG(絶対にやってはいけない)だ。目に入ると想像を絶する痛みが伴い危険なため。
そこでオススメしたいのが、市販のデオドラント製品と混ぜて使う方法だ。個人的に気に入っているのが、「シーブリーズ」社の”デオ&ウォーター”という製品。手につけて首元や脇など汗をかきやすい部位に塗ると、スッと爽快感が得られるものだ。
気になる割合はどの程度にすべきか?
ドラッグストアやコンビニなどでも手に入るシーブリーズには、様々な香りの商品が発売されているが、甘い香りのものよりも少しシャープでフルーティーなものとの相性が良さそうだ。肌に塗る場合は個人差もあるので、ハッカ油1:シーブリーズ9くらいから試して、肌荒れなどがないことを確認しながら徐々に濃くしていくことをオススメする。私の場合、メマトイがいる山に行くときには、いろいろ試して1:4ほどの濃さに調整して使っている。
ちなみにハッカ油に含まれる物質はポリスチレン(PS)を溶かしてしまうため、容器はポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)またはガラス製のものを選んでおきたい。
作った液体を首回りに吹き付けるほか、帽子のつばや、マウンテンバイクのヘルメットに吹き付けておいても効果が期待できる。肌に付けた場合、汗で流れてしまうと効き目が薄れるので、携帯して虫が多いエリアで再度、吹き付けるのもよいだろう。
手軽に作れて使い勝手もよい自家製虫除け液。これから虫が増える時期に向けて準備してみてはいかがだろうか。
出典:https://hakka.be/knowledge/type/