衰えることがないソロキャンプの人気。近年の一人用の道具は種類が充実し、買いやすい価格のものも増えている。しかし、それぞれどんな長所をもつのか? アウトドアの達人のチェックポイントをご紹介!
ソロキャンプにいいテント・タープはどれだ?
ソロ用テントやシェルター、タープを、快適さ、軽量さ、デザイン形状、素材、ディテールまで、登山とアウトドアに詳しい達人が徹底的にチェックした。
アウトドアライター・高橋庄太郎さん
仕事も遊びも野外が舞台で、とくにソロ登山は大好物。自宅の一室は完全にアウトドア用具で埋め尽くされている。著書に『山道具 選び方、使い方』など。
「ソロキャンプ」が流行語になった昨年に続き、今年もソロ用テントが大人気。とくに居住性が高く、しかも軽量なタイプが増えている印象だ。モデルによってはすぐに完売してしまうので、気になるものは早めに手に入れてしまいたい。
「僕はテント泊で山歩きに行くことが多く、やはり重量が気になります」
というのは、アウトドアライターの高橋庄太郎さん。自身でテント製作をプロデュースして販売するほどテント好きで、新作を見る目は好奇心でいっぱいだ。
「シンプルなテントは使い飽きてきたので、個性が強いタイプが気になります。このなかでは、巨大な屋根を作れるパーゴワークスの“ニンジャシェルター”、小さな自転車くらい置ける前室を持つビッグアグネスの“ブラックテイルホテル2”など。ブラックダイヤモンドのブルーの発色はかっこ良すぎですね」
一方、タープを使う機会はあまりないというが……。
「ニーモのタープは見た目が美しい!しかも難燃素材なので焚き火との相性も良く、これは欲しくなっちゃいました」
もうひとつ気になる存在は、アルティメイトディレクション。
「僕は重さよりも快適性重視ですが、ときにはこういうもので身軽に行動してみたい。害虫が少ない時季限定で(笑)」
01 フロアレスで、懐かしの三角テントみたい
パーゴワークス/
ニンジャシェルター ¥41,800
サイドのパネルを跳ね上げ、タープ的な屋根が作れるユニークなシェルター。フロア(床)がないので、寝る場合はシートを敷いたり、別売りのインナーテントを組み合わせたり。「開放的で気持ちいい!天井の高さを変えるのが簡単で、雨や風のときは下げて対応できるのもありがたい。ただ、設営が少々難しく、かなり試行錯誤しました(笑)。そこは慣れなのでしょうが、使いこなせば大活躍しそうです」(高橋)
前面を閉めた状態。内側に別売り「ニンジャネスト」を組み合わせると、一般的なテントの使い心地に近付く。
問い合わせ先:パーゴワークス 042(312)2865
02 焚き火といっしょでもこれなら心強いかも
ogawa/
タッソT/C ¥54,780
テントの形状を六角形、七角形、八角形に変えることで使用面積を選ぶことができ、それと同時に天井高も3段階で変わるというおもしろいアイデア。「前面を高く上げると風を呼び込むこともでき、これからの暑い時季に良さそう。今季から加わったコットンとポリエステルを混紡した素材は、たしかに通気性や吸湿性に優れています。焚き火から火の粉が付着しても燃えにくそうなのもいい」(高橋)
山頂によくある方向指示板のようなガイドシート。この上の線に合わせてペグを打てば、六角形、七角形、八角形を決められる。
問い合わせ先:キャンパルジャパン 0800-800-7120
03 2人用でもこんなに軽量なの?
バーゴ/
ノーフライ2P ¥86,900
前室がある出入り口はメッシュと防水生地の二重構造だがサイドは防水生地のみ。使用素材を減らし、さらにポールは軽量なカーボンとアルミのハイブリッドにしたおかげで2人眠れるサイズで約1.2kgに。「ポールの使い方がおもしろいですね。フックなどを使わないので破損するパーツが少なく、収納時はコンパクトになります。手元に欲しくなりますが、問題はお値段がちょっと高いことかな」(高橋)
スリーブに通さず、フックにもかけず、ただテントを内側から支えるポール。慣れればスピーディーに設営できる。
問い合わせ先:ケンコー社 06(6374)2788
04 人気モデルの進化がうれしい
ライペン/
ドマドーム1PLUS ¥56,100
前室部分が縦・横ともに立体的で、広いドマ(土間)をもつ。以前から人気だったが、今年は土間部分を少し減らし、軽量化したタイプが登場した。「旧タイプは僕も愛用。雨が降っているときに出入り口を開けたままでも内部が濡れにくく、驚くほど気持ち良くて、大好きなんです。ただ2人用で2kgもあるので、重量1680gに抑えたコイツは非常に魅力的。生産数が限定されているので、焦ります」(高橋)
ここがテント名の由来でもある「ドマ」。強い風雨のときでもシューズなどをほとんど濡らさずに保管できる。
問い合わせ先:アライテント 04(2944)5855
(BE-PAL 2021年5月号より)
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