今月は山野を闊歩する最新シューズテクノロジーをVersus!
ジャバラパーツで屈曲性抜群!
BELLOWS FLEX
キーン/
テンポフレックス ミッド ウォータープルーフ
新開発の「KEEN.BELLOWS FLEX」を搭載したミッドカットのハイキングシューズ。屈曲性が高いので長時間歩き続けても疲労が少ない。防水メンブレン「KEEN.DRY」を内蔵しているので雨の日のアクティビティーにも使いやすい。ローカットタイプもある。
¥18,700
問い合わせ先:キーン・ジャパン 03(6416)4808
SPEC
●サイズ=25~30cm
●カラー=3種類
指の付け根が大きく曲がり、歩行時のストレスが激減
この春、KEENのハイキングシューズに画期的なテクノロジーが搭載された。それが「KEEN.BELLOWS FLEX」だ。これはシューズアッパーの屈曲部(指の付け根)にシリコン製のジャバラパーツを埋め込むオリジナル技術である。
これまでのアウトドアシューズはアッパー素材が硬く、どうしても歩きにくくなってしまっていた。そこで屈曲部をアコーディオン状にすることで指先が大きく曲がるようにしたのである。これは元々は同社のユーティリティブーツ(ワークブーツ)に搭載されて高評価を受けていた技術だが、アウトドア用にも効果が高い。このおかげで従来に比べて歩行ストレスが劇的に軽減され、より長い距離、長い時間を快適に歩けるようになった。
実際僕はこのモデルを2か月近く使用しているが、あまりの歩きやすさと疲れにくさから、普通の靴には戻れなくなりつつある。「どうして今までなかったのだろう?」という感じだ。
この新システムを搭載しているのはトレッキング用の「リッジフレックス」とハイキング用の「テンポフレックス」の2シリーズ。シューズの未来を変える革命的製品だ。
ここがスゴい!
ジャバラ構造で屈曲性が抜群
ジャバラ部分が大きく曲がるので、歩行時のストレスがほとんどない。とくに急峻な斜面の直登や長距離ハイキングではここの柔らかさが大きな武器になる。
踵が大きく安定性が高い
ミッドソールの踵部分が分厚くクッション性が高い。また左右に大きく張り出しているので、歩行時の安定感に富む。このおかげで安心してズンズン歩ける。
排土性が高くキャンプでも安心
独自のソールパターンは不整地でのグリップ力が高く、ぬかるみや泥道でも排土性がいいので安心して使える。雨の日のキャンプやフェスにもお薦めだ。
V S
捻挫の危険を未然に防ぐ!
ADV-C Chassis
サロモン/
X ULTRA 4 ミッド GORE-TEX
ロングトレイルハイカーに愛され続けているロングセラーモデル「X ULTRA 3 GORE-TEX」をベースに、登山中に生じる怪我の約80%を占める"足首の捻挫"に着目した新技術を搭載した第4世代モデル。新開発のシャーシ構造で足首まわりの安定性を高めている。
¥22,000
問い合わせ先:サロモン コールセンター 03(6631)0837
SPEC
●サイズ=25~28.5cm
●カラー=3種類
足首の捻挫を防ぐ新開発シャーシを搭載
一方、登山中に生じる怪我の約80%を占めるという「足首の捻挫の予防」に着目して開発されたのがサロモンの「ADV-C Chassis」である。
最大の特徴は土踏まずの部分に埋め込まれた新開発シャーシ。これは足の踏みはずしなどで影響を受ける「関節」をピンポイントでサポートし、全体の可動域を損なうことなく、安定した歩行が可能になった。
また甲から踵に向かって伸びるアクティブサポート(写真の黒いベルト)が、このアドバンスドシャーシと連動することでより大きな安定性を確保し、外足への捻じれを防いでいる。
さらに、アウトソールには濡れた路面でのグリップ力に定評のある「コンタグリップ・MA」を採用しているから、滑りやすい路面でも安心だ。
このXウルトラ・シリーズは日帰り登山やファストハイキングで圧倒的人気を誇るベストセラーモデル。僕も履いているが安定感が高く使いやすい。
その4代目となるこのモデルはこのミッドカットタイプのほかに、ローカットタイプと、ワイドタイプをラインナップ。登山中の足元を支える新たな相棒にピッタリである。
ここがスゴい!
ピンポイントで関節を保護する
このように甲全体に大きなフレックスを持ちながら、内蔵シャーシのおかげで、足首まわりは捻じれにくい。可動域をスポイルしないのが大きな特徴だ。
防水性の高いスリッポンスタイル
トレランシューズの技術から応用したスリッポン形状は足入れがスムーズで、足場の不安定なトレイルでも快適に歩き続けることが可能。防水性も高い。
濡れた路面に強いコンタグリップ
外へ外へと張り出したラギットなブロックパターンのおかげで不整地でも安定。コンパウンドにコンタグリップを採用しているので濡れた路面にも強い。
※撮影/中村文隆
(BE-PAL 2021年5月号より)