ブッシュクラフトに和モダンなテイストを盛り込んだ、スズキサトルさんのスタイルがおもしろすぎる!
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    2021.05.09

    ブッシュクラフトに和モダンなテイストを盛り込んだ、スズキサトルさんのスタイルがおもしろすぎる!

    BE-PAL6月号は、この表紙が目印です!ドラえもんミニ・シェラカップ付き。

    最新号『男前なブッシュクラフト入門』の特集もお見逃しなく!

    BE-PAL最新号は、もうご覧いただけたでしょうか?この号では、『男前なブッシュクラフト入門』と題した小特集を組んでおります。ブッシュクラフトのスペシャリスト3名にご登場いただき、皆様の道具やスタイル、そして、興味深いテクニックを紹介しています。

    ゲストの皆さまに共通するのは、シンプルな道具と自然のなかにある素材を使って、工夫しながら野外生活を楽しんでいるということ。その磨き抜かれた知恵とワザは、キャンプをより奥深いものにし、災害時でも生き抜く力となることを教えてくれています。

    ここでは3名のゲストのなかから、イラストレーターのスズキサトルさんを紹介します。

    タープでシェルターを作り火をおこすスズキサトルさん。スズキさんのホームページはこちら https://suzuki-satoru.com/

    宮笠にわらじ。それがスズキさんのスタイル

    スズキさんの取材は、長野県松川村にある馬羅尾(ばろお)高原キャンプ場で行ないました。キャンプ場に到着するや、”宮笠”をかぶり”わらじ”を履いた男性が登場。それがスズキさんでした。

    「宮笠は、山に入ったときに枝を避けてくれるヘルメットのようなもの。夏でも涼しく、日差しをさえぎる効果もあります。わらじは、ビブラムシートを切ってロープを通して自作しました。サーフィン用のネオプレーンのソックスを履いているから保温性が高く、沢を渡るときにも冷たさを感じません」

    そう話すスズキさんは、山岳画を描くために山に登り、新しいブッシュクラフトの道具やワザを探るために野営をします。宮笠とわらじという個性的なスタイルも、ご自身が実用性を追求してたどりついた答えだそうです。

    スズキさん考案のビークフライ。シェルターの下に広い土間のようなスペースがあります。

    ビークフライとは?

    この日は、スズキさんが考案した「ビークフライ」というフロア付きのシェルターの張り方を教えていただきました。タープの約4分の1を中に折り曲げ、そこをフットプリントに。背面のセンターをペグで地面に固定し、前面には枝で作った2本のポールを立てて雨や日差しをしのげるスペースを作り出します。

    「普段は3×3mのタープを使いますが、今回は3×4.5mの長方形のタープを使ってみました。このサイズは寝るためのスペースの前に、煮炊きやクラフトができる広い土間のようなスペースまで作り出せるので快適に過ごせます」

    スズキさんは、周辺に落ちていた枝でペグを作り、太めの枝で作ったハンマーでそれを打ち込みました。シェルター内の居住性を高めるため、後方にも枝で作ったポールを立てて、シェルターを引き上げています。流れるような動作でみるみるシェルターが完成しました。

    「ペグは、持っていきません。その場で見つけた枝を使ってペグを作れば、荷物を軽くすることもできますから」

    自作のポールは、タープのループをかけやすいよう枝がY字になった部分を使用。お見事です!

    「張った形が鳥の口ばしに似ていたんで、ビークフライと名付けました。設営が簡単で、雨や風の状況に合わせて、入口をクローズしてテントのように使うこともできます」

    こちらが背面。鳥の口ばしのように尖っています。

    タープの角を折りこんでいるため、そこがフットプリント代わりとなり、快適に眠れます。

    木のスツールも自作です

    シェルターの準備ができるや、自作したという木のスツールを組み立て、ナイフで見事なフェザースティックを作り、焚き火の準備に取りかかります。

    スズキさんが自作した木のスツール。張りが強く座り心地も快適。

    分解して持ち運べるように工夫されていました。

    生地は「X-pac」という伸びにくいもの。脚はホゾで組み合わせています。脚の下側を紐で結び、そこに枝を入れてグルグルッと絞ることで座面の張りを高めています。

    まるでアートのようなフェザースティック

    「フェザースティックは、放射線状に削っていくフラワーと一方向に削るクラシックがあります。フラワーの方が簡単なので、こちらから試してみるといいと思います。最初は厚く、最上部から長いフェザーを作り、上にいくに従い、薄くしていくと着火しやすくなります」

    スズキさんが作るフェザースティックは、もはやそれ自体がアートのように美しいもの。しかも、先端の短い部分にメタルマッチで着火するや、厚みを持たせたフェザーに向かってきれいに火が移っていきました。

    スズキさんが作ったフェザースティック。こちらはクラシック。

    こちらが放射線状にフェザーを作るフラワー。

    フェザースティックに直接着火。見る見る火が大きなフェザーに向かっていきます。

    ご紹介したいことはまだまだありますが、今回はこのへんで。ぜひ、7月号のブッシュクラフト特集記事もチェックしてください。

    また、2021年6月8日から9月5日まで、長野県安曇野市にある田淵行男記念館で「野外道具と山岳画 スズキサトル ブッシュクラフト展」が開催されるそうです。スズキさんが考案したブッシュクラフトの道具や、山岳画が展示される貴重な機会です。ぜひ出かけてみましょう。

    協力/馬羅尾高原キャンプ場
    撮影/柳澤牧嘉
    構成/山本修二

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