ランタンやバーナーの燃料として便利なガス缶。ホワイトガソリンや灯油などの燃料と違い、誰にでもあつかいやすいので、使用している方も多いと思います。
ただし、ガス缶は使用方法を間違えると大事故につながる恐れがあります。あなたはガス缶を正しく使用できていますか?
キャンプ初心者の方はもちろんのこと、ガス缶の扱いになれている方も、この機会に安全にガス缶を使うためのポイントを確認しておきましょう。
ガス缶を安全に使うための6つのポイント
1.ガス缶を使うべきではない場所とは?
バーナーなどを使用して火を起こすためには、空気中にある酸素を使います。したがって、換気のない場所でのガス缶の使用は、酸欠や一酸化炭素中毒になる恐れがあります。
車内や閉め切ったテント内でのガス缶の使用は厳禁です。
雨天などで、やむを得ずにテント内で使用する場合は、ベンチレーションを全開にして、空気の通り道をつくりましょう。
また、化繊系のテントは非常に燃えやすいので、使用中に倒れたり、周囲に燃えやすいものを置かないよう細心の注意を払ってください。
2.ガス缶の危険な使いかた
バーナーの炎からガス缶へ伝わる熱を輻射熱(ふくしゃねつ)と呼びます。ガス缶を誤って使用すると、この輻射熱でガス缶があたたまり、爆発する恐れがあります。
以下は誤った使いかたです。
バーナーを2台以上並べて使用する
2台のシングルバーナーを近い位置に並べて使用することは厳禁です。熱がこもってガス缶に伝わります。バーナーとバーナーの間を1メートルほどは離して使用しましょう。
バーナーの径よりも大きな調理器具を使った長時間の調理
バーナーのゴトクの径よりも、極端に大きなフライパンやクッカーを使った長時間の調理は危険です。大きめの調理器具を使用する場合、短時間の使用でも、こまめにガス缶を触ってガス缶があたたまっていないか確認しながら使用しましょう。
バーナーの四方を覆って使用する
風防などでバーナーの四方を囲んで使用するのは危険です。一方向は開けて、熱の逃げ道を作りましょう。
バーナーを使用して炭おこしをする
バーナーの上で炭をあたためると、炭から出た輻射熱でガス缶があたたまるので大変危険です。炭おこしにはガストーチなどの、ガス缶と炭との距離がとれる道具を使用しましょう。
3.ガス缶とバーナーを使用する前の安全確認
ガス缶を使用する前には必ずガス缶に異常がないか確認するようにしましょう。
以下が確認のポイントです。
ガス缶が腐食していないか?
濡れたまま放置したガス缶はサビてしまい、腐食する恐れがあります。腐食して穴があくと、ガスが漏れて非常に危険です。サビなどの異常がないか、ガス缶の表面を確認しましょう。
ガス缶のノズル部分に異常はないか?
ガス缶のノズル部分が曲がっていると、バーナーを連結した際にガス漏れを起こすことがあります。使用前に必ず確認しましょう。特にCB缶はノズル部分が突起しており、曲がりやすいので、注意が必要です。
バーナーのOリングの確認
意外と盲点だと思いますが、バーナーのOリングが劣化していると、ガス缶を取り付けた際に、ガス漏れをおこす恐れがあります。イワタニプリムスの公式ホームページによると、Oリングの交換の目安は1~2年ほどです。Oリングにひび割れなどの破損がないか、こまめに確認しましょう。
4.ガス缶と道具は同じメーカーのものを使用する
ガス缶はメーカーごとに、微妙にノズルのサイズや大きさが異なります。
使用するバーナーやランタンなどの道具とガス缶は同じメーカーのものを使用するようにしましょう。
5.ガス缶の安全な保管方法
気温が40度Cを超える場所にガス缶を放置すると、ガス缶の内部で急速にガスが気化するので、爆発の恐れがあります。車内や夏場のアスファルトの上、砂浜の上などに放置するのは絶対にやめてください。ガス缶は直射日光があたらない、風通しの良い場所に保管してください。
また、ガス缶に穴があいてしまうと、ガスが噴き出すので大変危険です。ガス缶の保管は落下のリスクがない場所にしましょう。ガス缶が錆びて腐食した場合も、ガス缶に穴があく恐れがあります。湿気がある場所にガス缶を保管しないように心がけましょう。
ノズルの破損を避けるために、使用しない時は付属のキャップをして保管してくださいね。
6.ガス管の安全な捨て方
ガス缶の捨て方は自治体によって異なります。
使い切ってから燃えないゴミとして捨てる自治体と、使い切ったガス缶に穴をあけてから捨てる自治体があるようです。
ご自身が住んでいる自治体に確認してからゴミに出すようにしましょう。
まとめ
今回はガス缶を安全に使うためのポイントをお伝えしました。ガス缶は初心者の方だけでなく、扱いになれた方も安全な使用方法を見落としがちです。この機会に安全な使用方法を見直して、楽しいアウトドアライフを満喫してくださいね。