この声が出始めたということは、水路に落ちる子供が出始めた合図。全身泥だらけのビショビショになった子供は意気消沈。しばらく無言で立ち尽くす…。
そんな子に対しては、自然と子供達から励ましの言葉が出てきて、少しするとまた度胸試しに復帰する(もちろん先生の優しいフォローも重要なエネルギーになっている)。
水路に落ちていない子供達も、この事件の後には必ず今まで以上の”恐怖感”が増してくる。そうすると、いままでの通常グレードさえも難度が跳ね上がってしまう。
この状態で始めに飛び始める子は、恐怖のオーラが立ちこめる水路にまたポジティブな勢いをつけてくれるのだ。
ただの危ない遊びと思うことなかれ。子供達の様子をよく観察していると、この度胸試しには挑戦、協力、応援、手をさしのべる…など、様々な成長の要素が入っているのだ。
遊び場としては少々危険であることは確かだが、子供達の身体の能力や心の成長具合をうまく見極めて、命をかけた度胸試しの場を見守ってあげることも重要なのだ。
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長谷部雅一
アウトドアプロデューサー。
アウトドアイベントの企画・運営を手がける「Be-Nature School」スタッフ。人と自然をつなぐインタープリターとしても活躍中。
著作に『ネイチャーエデュケーション』1300円+税 みくに出版刊