中南米やインドを長く旅したあとに子どもが生まれて、もう6年が経った。旅に出たい、という思いは出産後も変わらず、初めて息子と海外に出かけたのは、生後10カ月のときの台湾。それからは年に一度、旅に出ることが家族最大のイベントになった。
とはいえ、これまでのように丸一日移動しっぱなしとか、お昼抜きで頑張って観光、というような強行スケジュールはさすがに難しい。でも、ビーチでのんびり過ごすだけ、というのは、あちこち見て回りたい私たちにとっては退屈してしまう……。
どんな風に動けば、子どもがいっしょでも「その国らしさ」を満喫できるのか。いろいろ試行錯誤を重ねた結果、各地の公園を訪れるのがかなり面白い、ということに気づいた。
子どもは公園と聞けば目が輝くし、親としては遊具が日本とは違うとか、遊びに来ている現地の子の様子がわかるとか、いろいろ発見がある。それに、遊んで発散したあとなら、機嫌よく大人のリクエスト(街歩きやカフェ巡り)に付き合ってくれる可能性が大、である。
さて今回は、これまでに訪れたことのある、抜群の立地と充実の設備でとても印象に残っているふたつの公園をご紹介したい。
マレーシアの首都、クアラルンプールにあるKLCC公園は、高層ビル群に囲まれた場所にある。ここは高さ452mを誇る街のランドマーク、ペトロナスツインタワーの撮影スポットとしても人気で、大人だけでもぜひ立ち寄りたいスポットだ。
この公園で特筆すべき点は、遊具の数がとにかく多いこと。すべり台だけでも10基以上はある。これだけ種類が豊富であれば、滑る順番を巡って衝突することもないし、次から次へと試せるし、のびのび遊べてありがたい。
ただし、すべり台の着地部分が日本よりもかなり高く、当時2歳だった息子は地面に足が届かなかった。しばらくすると、滑り終えたあとにぴょんとジャンプしてひとりで降りられるようになったが、ちょっとでも「危ないかな?」と思ったら、手伝ってあげたほうがよさそうだ。
また、キッズ用の水遊び場があるのも、熱帯の国ではうれしいところ。こちらは10時から使用することが可能で、すぐそばに更衣室も完備している。水場の周囲には監視スタッフが常駐していて、危ないかも、というときには笛をピッと鳴らして注意を促していた。驚いたのは、周囲の木々から葉っぱがひらりと落ちたとき。すぐさまさっとすくったのである。管理が行き届いているなあ、と思わず拍手したくなった。