2013年9月、友だちの大工さんが施してくたウッドデッキと目隠しのフェンスは「イペ材」を使用。イペ材とはブラジルを中心に南米アマゾン川流域に分布するノウゼンカツラ科の広葉樹のこと。耐久性が高いので、公共施設のボードウォークやウッドデッキでも多く採用。紫外線によりだんだん灰色っぽく変色してくるので、お手入れとしては3年ごとにキシラデコール(木材保護塗料)を家族一丸となって塗っています。
ベランダは私にとって大切な場所
私が家を想像するとき、欠かせないのが、「ベランダ」である。家のなかの、ちょっとしたアウトドア。都会にいても自然を感じさせる、ゆるりとしたスペース。学生時代、兄とふたりで暮らしていたアパートでも、よくありがちな奥行き1メートルくらいの長細く狭いベランダではありましたが、代官山の中古雑貨店で椅子とか鉢とか安く買ってきて、ジブンなりにデコレート。友人とワインを呑んだり、ちょっとしたハーブの寄せ植えをしてみたりとささやかに楽しんだものです。
年を追うごとに私のベランダ熱は高まり、2002年、27歳の冬にたどり着いたのが現在のアパート。もともとは2軒作る予定だったそうですが、建てる間際に北側の隣家と日照で揉め、部屋(30平米ちょいくらい)とほぼ同じ広さはあるだろう広々としたベランダがドーンと。
ここ、買います!!!! 即決(笑)。
ウッドデッキ+グリーンで心地よく
とりあえず、ベランダにウッドデッキを敷き詰めました。あちこちにグリーンも置きました。憧れていた陶器の金魚鉢を置き、週末はずっとこの場所で過ごしました。DIY好きな友人と一緒に作ったお手製のテーブルとベンチをど真ん中に置き、そこで原稿チェックしたり、週末になると仲間たちと集まっては呑んだり、ベランダは「もうひとつの部屋」として機能していました。
それはそれはお気に入りの家だったし、ひとり暮らしにはちょうどいい広さだったのですが、2011年結婚し(夫が大阪から引っ越してきました)、2012年イヌを飼い、2013年長男が生まれてからは、なんとも手狭に……。南側の住人が退去した2015年、ソレッ! とお隣さんを購入。大規模リフォームを施し2部屋つなげて今に至ります。
ベランダのベテランに!?
ベランダ歴も長くなり、だいぶベテランになってきた私です(ベランダとベテランてなんか似てますね……笑)。最初は思うがままいろんな装飾を施していましたが、ウッドデッキが古くなり、張り替えるタイミングで、思い切ってベランダをシンプル化しました。つまり何も置かない。そのかわり大きな物置を2つ購入。そのなかに、折りたたみチェアとテーブル、ちょっとしたBBQセット、2×3mのそこそこ大きなプールを収納して、ふだんはガランとした多目的スペースに。
BBQ、夏にはプール、ときにブルーシートを広げて子どもが絵の具でのびのび絵を描いたり、イヌのボール遊び、夕まぐれ夫婦でビールを呑みながらボーッ。壁に這わせるように置いたシンプルなプランターでは、野菜を育てています。私はそれを「空中菜園」と呼んでいるのですが、実際はそんなロマンティックなモノではなく、完全に収穫が見込めるコスパ重視の野菜ばかり、眼光鋭く植えています。
我が家の空中庭園にトマトの苗を植えてみた
2018年5月に生まれた次男。彼は食べ物の好き嫌いが激しく、食べ方もチャランポランで、「もう!」って感じなのですが、トマトは大好物。目をハートにして赤い実をほおばるラブリーな姿に、それならばと昨年、大きさが異なるさまざまな色や糖度のトマトを13苗植えました。さぁそろそろ収穫! というあたりで次男は急にトマト嫌いに。
おーい、どうしてくれるんだよ~……。
たわわに実った大量のトマトを眺めながら愕然としたものです。投資も野菜栽培も「分散」が大事なのだと、大変勉強になった出来事でした……。
いろいろな野菜を作ります
そんな痛い思い出がありまして、今年は完全分散型! でもコスパ重視は変わらず。定番のトマトを5苗。花が咲いた分だけ実がなって、手間いらずなピーマン&ししとう&おくらを各2苗。買うと高いしそんなにたくさんはいらない「ちょっと使い」のハーブ類は、鷹の爪、バジル、パセリ、イタリアンパセリ、しそ、ローズマリーを各1苗ずつ植えました。
実がなる野菜は7月頭くらいから順次食べられると思いますが、ハーブは植えた日からさっそく料理に使っていますよー。
2021年の空中菜園が始動しました!
苗を買いに行く前に、何をどこに植えるかキチンと計画を立てます。合言葉は「コスパ重視」。
GW明けの週末、いざ買い出し! 時期が早すぎても朝晩冷えこむ日があるし、暑くなるころには苗は店頭から消えているしで、関東圏なら6月前までが苗購入のオススメ時期。
購入した2021年春夏コレクションの野菜苗たち。これに、土×1。しめて5000円ちょいでした。さぁ元取りますよ~笑
「アパートの3階まで土を運ぶの大変でしょう~」なんて言われるのですが、もともとプランターに入っている土はほとんど「活かし」で。苗を植える1か月くらい前に、赤玉土、石灰、腐葉土などを入れてよく空気と混ぜます。苗を植える際に、買った土をうっすら乗っけてさらによく混ぜます。以上! かなりテキトウですが、毎年それでたくさん収穫できているのでヨシとしています。
植えるプランターの前に、苗を仮置きしていきます。
先日8歳になった長男も土いじりが大好き。いつも手伝ってくれます。苦手なカナブンの幼虫を見つけるのも、彼の仕事。
いざ植え付け。ポットを逆さまにして、やさしく苗を外し、あらかじめ掘っておいた穴に植えます。穴は深く掘りすぎないように注意。苗に周りの土をそっとかけてトントンと固める。ふかふかの土が気持ちよくて大好きな作業。
これはもう定番のトマトですね。わが家は夏の間、トマトを一切買いません。むしろ昨年なんて、周りのみんなにあげまくっていたほど……。
初めて挑戦した青唐辛子。辛くない品種らしいですが、水と肥料を怠ると激辛な実がなるそうです! 子どものとき千葉県勝浦の朝市で、父がよく青唐辛子を買っていました。魚焼きグリルで焼いて、塩か醤油かでシンプルに食べるのですが、ときどき「爆弾」と私たちが呼んでいたものすごく辛いモノに当たりました。きっと水と肥料を怠ったんだなーと、今回植えながら懐かしい記憶がふっと。
バジルやパセリは直射日光ギラギラの場所よりも、半日陰で育てる方が葉が柔らかく味も良くなります。半日しか陽が当たらない東側のプランターに、ハーブ類を寄せ植えしました。
小さな苗だったのがいつの間にか木質化し、15年以上一緒に過ごしたローズマリーでしたが、昨年夏急にお亡くなりに……。チキングリルとか、ジャーマンポテトとか、あるとうれしいハーブなので今回リトライしました。
茄子と挽肉のキーマカレーに、ちょこんと乗っけたパセリとイタリアンパセリ。こうやって「ちょっと使い」できるのが空中菜園の醍醐味。双方ともカリウム、βカロテン、ビタミン、カルシウムなど数多くの栄養素を含んでいます。とくに鉄分の含有量が多いところが特徴。パセリは飾りじゃないんですよー笑。
1975年東京生まれ。大学卒業後ラジオレポーターなどを経て二輪雑誌でエッセイスト・デビュー。現在は、オートバイのほか、旅、クルマ、自転車、サーフィン、スノーボード、アウトドアなど多趣味をいかしたエッセイを執筆中。ハーレーダビッドソン/スポーツスター1200xl、HONDA XR230、キャンピングカー所有。自転車はデローザ、寺田商会/minidisk、電動アシスト付きママチャリ。旅が好きなのと同時に、おうちも大好き。家での一番の趣味は収納。いかにラクするか考えること、「時短」という言葉も大好き。嫌いな言葉は「二度手間」。インテリア、ネットショッピング、お取り寄せグルメ・酒、手抜きおつまみ作りに熱心。「痩せたい」というのが口癖。飼い犬はボストンテリア。ふたりの男児の母でもある。https://ameblo.jp/kuniritsu/