道は良く踏まれていて歩きやすいものの…谷に目を向けるとすごい景色です。
アツコちゃんをサポートしながら先を歩いていたネパール人のジバンが、奥の大岩で待ってくれています。
心配するのは大人ばかりで、子どもは意外と怖がらずに普通に歩きました。身体が小さくて重心が低いから怖く感じないの!? 途中行き違った人に「ここから先はもっと悪くなる」と言われ心配しましたが、それほど大変なところはなく無事通り抜けてホッとしました。
ダールペディに向かってどんどん下っていく道で、ふと石の中の茶色い点々に気づきました。鉱物の本で見たことがある片麻岩の中のガーネット!
下り終えて川沿いを歩くと、中国による発電所の工事現場を通過することになりました。工事現場内の橋を渡って、中国の国境へ続く道へ出ると…待っていたのはのんびり草を食べる牛さん。
川沿いのダートの車道を2kmほど歩くと、中国との国境からほど近いティムレの集落に到着しました。ゲストハウスの建物はたくさんあるものの…実際に宿泊できる宿は少ないらしく、なかなか宿が見つかりません。国境近い町なので、中国からの物資を運ぶ大型トラックやバスが次々走り去っていきます。
よく見かけるこの派手なトラックに乗せてもらうことに!
ティムレでの宿泊はあきらめてシャブルベシに行く手段を考えていたところ、アツコちゃんの交渉により大型トラックに送ってもらえることになりました!ネパール語もさることながら“トラックに乗せてもらうのもあり”など「ネパール人流」をよく知っていて心強いアツコちゃん。
トラックの運転席はクッションが敷き詰められていて、なんとも居心地の良い空間でした。ただ…崖っぷちギリギリでの大型トラック同士のすれ違いは本当に恐ろしくて、運転手さんすごいなーと感心するばかりでした。谷側のドアが付いてないのは、タイヤが踏み外さないのを確認するためだと思うのですが、違うかな…。(5日目につづく)
4日目行程:ナクタリ ー トゥマン ー ダールペディ ー ティムレ ー(トラック)ー シャブルベシ
文・写真/根本佐和子
カモシカスポーツ横浜店スタッフ。仲間と作った子供の外遊びグループで子連れハイキングや焚火キャンプを楽しむ日々。
ネパールというとヒマラヤの高峰がフォーカスされることが多く、メジャーなトレッキングコース以外は山麓の里山に足を運ぶ人は少数だと思います。山で暮らす人々の生活の術は便利さにあふれた生活をする私たちにはとても刺激的です。観光化されずに昔ながらの生活をしている人々と触れ合えるタマン・ヘリテイジ・トレイル。このトレイルはヒマラヤ山麓の東から西まで続く「グレイトヒマラヤトレイル」の一部と重なっています。
グレイトヒマラヤトレイルはUpper route(山岳ルート)とLower route(丘陵ルート)の2本あり、Upper routeは総延長約1,700㎞(標高3,000~6,000+m)、Lower routeは総延長約1,500km(標高1,000~4,000+m)で構成されています。ジャングルのような低標高から高山帯、氷河地帯まで様々なエリア通り、様々な民族の集落を通過する生活の道。ヒマラヤには白い山々に劣らない魅力あふれる里山のトレイルがたくさんあります。
「ヒマラヤは世界最大の里山だ」という考えのもとにグレイトヒマラヤトレイルを踏査しながらヒマラヤの生活道の魅力を伝えるプロジェクトがあります。ヒマラヤの里山の文化と生活道に興味がある方はチェックしてみてください。
GHTprojectウエブサイト:http://ghtproject.com/
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