秋田と岩手の県境にまたがる高原リゾート、八幡平(はちまんたい)。関東より西では既に夏日を記録したところもありますが、こちらの山頂付近(標高1,613m)はまだまだ雪解け真っ只中です。
八幡平といえば「日本百名山」の1つに数えられる人気の山で、高山植物の名所としても親しまれています。約100万年前に誕生したとされる火山が連なる地域で、どこまでも広がるなだらかな地形を持つのが特徴です。
そんな八幡平には、毎年5月下旬から6月上旬にかけて出現する幻の絶景があります。
幻の絶景「八幡平ドラゴンアイ」とは
ドラゴンアイは、八幡平の山頂付近にある鏡沼が4月下旬から6月上旬にかけて雪解けする際に見られる神秘的な自然現象です。
池に積もった雪が溶けると ” 龍の眼のように見える ” ことに由来するそうで、例年6月上旬に見頃のピークを迎えます。
周辺には火山の水蒸気爆発によって形成された火口がいくつかあるのですが、このような現象が見られるのは鏡沼だけなのだそう。
積雪や雪解け状況だけでなく、訪れる日の天候や時間帯によって見え方が全く異なるのが、ドラゴンアイの魅力です。出現する時期が短いのはもちろん、「二度と同じ景色は見られない」という儚さも、人々を惹きつけて止まない理由の1つなのではないでしょうか。
ベストシーズンは6月上旬
さて、気になる2021年のベストシーズンですが、例年と同様に6月上旬頃を予定しているそうです。
雪解けが進み、中心に穴が空いた姿が最も美しく見応えがあります。ドラゴンアイに関する最新情報は八幡平市観光協会のホームページ上で随時更新されているので、訪れてみたい方は事前に確認しておくと良いでしょう。
靴・服装について
ザクザクとした雪の上を歩くので、トレッキングシューズやスノーブーツなど歩きやすい靴を履いていくのが好ましいです。
また、訪れる時間帯により山頂付近の気温が1桁となる場合があるため、必要に応じて防寒対策をしっかりと行うよう心がけましょう。
所要時間の目安は片道約25〜30分
ドラゴンアイは、八幡平山頂レストハウス付近にある登山口から歩いて約25〜30分ほどの場所にあります。
単純に往復するだけであれば休憩時間などを含めても約1時間半ほどの所要時間で楽しめるので、登山初心者にもオススメ。
また、周辺には遊歩道が整備されておりプラス1時間半から2時間ほどで回れるので、滞在時間に余裕がある場合はぜひ足を運んでみて下さい。
アオモリトドマツの原始林をはじめ、裏岩手連峰を見渡すパノラマ展望台、大小様々な湖沼など自然豊かな見どころの数々は必見です。
八幡沼
八幡平湖沼群の中で最も大きな面積と深さを誇る火口湖で、約6,000年前に起こった水蒸気爆発で誕生したといわれています。一帯はアオモリトドマツ(オオシラビソ)の原生林に覆われていて、見事な樹海を形成しているのが特徴。
5月下旬から6月上旬は、透き通った雪解け水に空の色が映し出されてご覧のような美しさを見せます。日本とは思えないほどダイナミックな景観を目の前に、思わず時間が経つのを忘れて見惚れてしまいました。
ガマ沼
3つの火口が複合して形成されたといわれる周囲約500mの小さな沼。沼の水に硫黄コロイドという物質が溶け込んでいるため、美しいコバルトブルーを帯びています。
すぐ横にある展望台からは八幡沼を一望できるので、鏡沼とガマ沼をセットで訪れるだけでも十分自然を満喫できますよ!
八幡平ドラゴンアイへの行き方
車でアクセスする場合
秋田と岩手の県境に位置する八幡平には、両県からアクセスすることができます。登山口付近には1日500円で利用できる駐車場が設けられていますのでご利用下さい。
【岩手側】
東北自動車道・松尾八幡平ICから所要約55分
【秋田側】
東北自動車道・鹿角八幡平ICから所要約1時間20分
バスでアクセスする場合
【JR東北新幹線・盛岡駅発(東口3番)】
八幡平自然散策バスを利用して所要約1時間45分(片道運賃 1,350円)
【JR田沢湖線・田沢湖駅前発】
羽後交通バス(土日祝日のみ運行)を利用して所要約2時間15分(片道運賃 2,090円)