Q 薪ストーブの構造と燃焼の仕組みは?
A 暖炉や焚き火と違い、小さな空気の入り口を調節して燃焼に必要なだけの空気を取り入れ、煙突からの排出も調整できるのが薪ストーブだ。なかでも現在主流なのが、二次燃焼タイプ。薪を燃やして出た煙を再度燃やすことで、煤を減らし、煙をクリーンにするという構造で、垂直燃焼型の煙よりも、煤を70〜80%減らすことができる。
また、二次燃焼タイプの内部は、おもに排煙再燃焼装置を通して煙を燃やす触媒方式と、クリーンバーン方式という空気で燃やすタイプがあり、触媒方式とクリーンバーン方式が融合した、最新のハイブリッド型も登場している。
■二次燃焼型ストーブ
一次燃焼室で発生した未燃焼ガスを二次燃焼室で再燃焼させるため、煙がほぼ透明。煙突の目詰まりを軽減し、少ない薪から効果的にエネルギーを引き出せる。
■垂直燃焼型ストーブ
日本古来のだるまストーブに多い、垂直燃焼型。薪を燃やした黒い煙がダイレクトに煙突から排出される。煤を大量にともなうため、煙突内部が汚れやすく、手入れも大変。
薪が燃やされると煙突内部が暖まり、上昇気流が発生し、煙が排出される。つまり、燃焼ガスを効率よく外に排出するためには、煙突内の温度が常に一定して高い必要がある。そのため、煙突は外気の影響を受けにくい、高い断熱性能を持つ二重煙突がおすすめ。
また、煙に含まれるクレオソート(木に含まれるタール分)は、冷えると液化して煙突内部に付着してしまう。煙が高温のまま排出されれば、その付着も抑えられ、危険な煙突火災も予防できるのだ。
二重煙突は断熱材を充填したタイプ。表面温度は80度Cくらいまでしか上がらず、優れた断熱効果を発揮する。煙がスムーズに排出され、結露の発生も抑える。
1枚の鉄板を丸めた簡単なつくりのシングル煙突。外気の影響を受けやすく、室内用にはいいが、室外には不向き。クレオソートが付着しやすく、煙突火災を起こす危険性も。