圧倒的な大自然を満喫でき、アウトドア好きの心を掴んで離さない「スイス」。九州とほぼ同じくらいの小国ながら大迫力の山岳、美しい湖、古都などエリアごとにさまざまな魅力で観光客を迎えてくれます。今回はスイス政府観光局主催のバーチャル・ツアーで、スイス南西部に位置する「レマン湖地方」へ行ってきました。現地のレマン湖地方観光局、モントルー・ヴヴェイ観光局協力のオンラインツアーは生中継で行なわれ、臨場感たっぷり!最新のスイスの状況やニュースとともに、ツアーの様子をレポートします。
ピクニックキットでワクワク。スイスの名品たち
バーチャル・ツアー前に自宅に届いたのは「ピクニックキット」。スイスの名品がリュックサックに詰め込まれており、日本にいながらスイスを感じられるものばかりです。ツアー開始直前に「ヴィクトリノックス」のアーミーナイフでスイスチーズをカットして準備。手のひらサイズのマルチなアーミーナイフは、期待を裏切らない便利さです。
自宅のPCからスイスへ!バーチャル・ツアースタート
PC前に各自集合しバーチャル・ツアースタート!添乗員はスイス政府観光局の押尾さん。まずはスイスの現状を、2週間前スイスに入国したスイス政府観光局 日本支局長サラ・ロロフさんに教えてもらいました。
現在スイスではワクチン接種が進んでおり、国のムードが明るく変化。全体の32%の人がワクチン1回目の接種、17.5%がワクチン2回目の接種を完了しています。夏には国境を開け近隣諸国から旅行者を迎える予定で、2回のワクチン接種完了者や抗体を持つ人は隔離期間なしで入国が可能です。感染対策としては公共交通機関や人との距離が保てない場所ではマスクの着用が義務。宿泊施設、交通機関、観光スポットなどは衛生・安全の新基準が設けられ、「クリーン&セーフ」ラベルがついている場所はスイス連邦公衆衛生局によって衛生・安全対策を明確に実施していることを証明しています。
レマン湖と葡萄畑の絶景。世界遺産「ラヴォー地区」
いよいよ生中継でスイス・レマン湖地方へ!迎えてくれたのはモントルー・ヴヴェイ観光局のニコルさん、ラヴォー地区唯一の公式日本人ガイド 田口さん。日本時間は夕方16:00でしたが、時差が7時間あるスイスは朝の9:00。晴れやかな青空や小鳥のさえずりとともにレマン湖とラヴォー地区の葡萄畑が広がり、画面越しながらその爽やかさが伝わってきました!ラヴォー地区は1000年にも及ぶワイン作りの伝統と素晴らしい葡萄畑の景観から、2007年世界遺産に認定されています。
ラヴォー地区には約200ものワインの作り手がおり、今回訪れたのは「ドメーヌ・ボビー」。11.5ヘクタールの畑を持ち、年間約18万本のワインを製造している家族経営のワイナリーです。シャスラ種の白ワインを主に作っていて、装飾の美しい「木製樽」から直接ワインを注ぎ試飲が可能。レマン湖を目の前に望むテラスでいただくワインは最高です!筆者も美しい景色を見ながら、ピクニックキットのスイスワインを堪能しました。
ちなみにスイス人はワインが大好きなので98%はスイス国内で消費されてしまい、日本ではなかなか出会えない逸品。出会えたら迷わず購入したいワインです。
車窓から見える風光明媚な景観。ゴールデンパス・ベルエポックで列車の旅
続いてレマン湖のほとりにあるモントルー駅でMOB鉄道のニクラウスさん、スイストラベルシステムのアンドレアスさん、モントルー・ヴヴェイ観光局のジュリアさんと待ち合わせ。スイスでは公共交通機関でのマスク着用が義務付けられているので、マスクを付けて「ゴールデンパス・ベルエポック」に乗車します。
正確な時刻表で有名なスイスの列車。9:50、時間通り出発です!
ゴールデンパス・ベルエポックは20世紀初頭の列車を改装した車両。レトロでおしゃれな車内から風光明媚な景観を望めます。出発してすぐにラヴォー地区の葡萄畑やレマン湖を大きな窓から一望!今回の目的地「レザヴァン駅」まで約20分間の鉄道旅を楽しみました。MOB鉄道のニクラウスさんから耳寄りなニュースがあり、2022年にはゴールデンパスラインが新しくなるんだとか!新車両を導入し今まで乗り換えが必要だったモントルー駅からインターラーケン駅まで直行できるそうです。
鉄道大国のスイスで役立つのが「スイストラベルパス」。主な鉄道、バス、湖船の路線が乗り放題だったり、山岳交通が半額になったり、スイス全国約500か所の美術館・博物館が無料になったり!料金は3日間で2等がCHF 232(約28,384円)、1等がCHF 369(約45,146円)です。
ケーブルカーで「5月の雪」の絶景を見に行く
レザヴァン駅に到着したらケーブルカーに乗り換え「ナルシスの花畑」を見に行きます!ナルシスはモントルー上部の山の斜面に5月〜6月群生する水仙の一種。牧草地を白く多い、遠くから見ると雪が積もっているように見えることから「5月の雪」と呼ばれています。ケーブルカーを使うと標高1158m地点のソンルーまですぐですが、ハイキングで登ることも可能です。
ナルシスの花は遠くからでも花が咲いていることがわかるほど、香りの強さが特徴。標高によって咲く時期は異なるので、シーズン中はさまざまな場所で美しい花畑に出会えます。ナルシスの花は一時絶滅の危機に瀕したこともあり、花を摘まない、足を踏み入れないといったマナーは遵守。「いつかその香りを体験したい」と思いながら、楽しいバーチャルツアーは幕を閉じました。
スイスではアウトドアを楽しむ旅行がトレンド
最後にスイスの観光トレンド情報をご紹介します。日本でアウトドア人気が高まっているように、スイスでも自然を楽しむ旅行が流行中。例えば「ミリオンスター・ホテル」というホテルプロジェクトでは「自然に抱かれ、星空を仰ぎ見る空間で眠る体験」をテーマに夏限定のポップアップホテルが登場しています。スイス全土の約50か所で宿泊でき、「山頂×ケーブルカーの客室」「屋上×透明ドームテント」などユニークなホテルが満載です。
女性のみで4,000m峰48座の登頂を目指すというプロジェクト「100% Women Peak Challenge」も実施中。世界各国のインフルエンサーが参加しており、SNSで#ineedswitzerlandというハッシュタグをつけ山頂での登頂記念写真を投稿しています。
バーチャル・ツアーを通してスイスの圧倒的な大自然、そして笑顔あふれるスイスの皆様の人柄の良さを深く体感。今回はオンラインでしたが、同じルートで実際に訪れたいと強く思いました。
現在スイスへの飛行機は成田ーチューリヒ間を週2便運行中で、秋には週5便に増便予定。チューリヒからは鉄道で約2時間半乗ると、レマン湖地方の都市・ローザンヌに到着します。スイスに行ける日を待ちわびながら、レマン湖地方へ訪れる観光ルートを組んでみてくださいね。
・スイス政府観光局
https://www.myswitzerland.com/ja/