エコロッジの敷地内にある食堂の様子。ワンデュ・エコロッジでは建物だけでなく、さまざまな面で環境に配慮した工夫をしています。食事のメニューは敷地内の畑などで採れる野菜によって毎日変わります。乳などを得るために敷地内で飼っている牛などの家畜からは、フンを再利用してバイオガスを製造し、それを調理などに使う計画もあるのだとか。
コテージの客室は、風通しがよく、ゆったりとした造り。洗面所で使う温水は太陽光温水器から供給されています。客室にはテレビも、Wi-Fiターミナルもありません。そういったもののないひとときを過ごしてほしい、というのがウゲンさんの考えです。レセプションのある建物ではWi-Fiに接続できるそうなので、何か緊急の連絡が必要になったとしても安心です。
客室のベランダからは、ブータンでも一、二を争う有名な古刹、ワンデュ・ポダン・ゾンが一望できる……はずだったのですが、大変残念なことに、2012年に火事で全焼してしまいました。現在は少しずつ再建が進められている様子を対岸に見ることができます。
ブータンの名所旧跡をかたっぱしから訪ねて回る旅もいいのかもしれませんが、このワンデュ・エコロッジのように何もないけれど豊かな自然に囲まれた場所で、穏やかな時間の流れにしばし身を委ねるのも、ブータンらしい旅の楽しみ方の一つなのではないか、と感じました。
ワンデュ・エコロッジ Wangdue Eco Lodge
http://www.bhutanecolodge.com/
宿泊料金
シングルルーム 2999ヌルタム
ダブルルーム 3999ヌルタム
(1ヌルタムは約1.6円。宿泊料金はディスカウントキャンペーンなども行われているので要問い合わせ)
【不思議の国ブータン1】
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【不思議の国ブータン6】
山本高樹 Takaki Yamamoto
著述家・編集者・写真家。インド北部のラダック地方の取材がライフワーク。2016年3月下旬に著書『ラダックの風息 空の果てで暮らした日々[新装版]』を雷鳥社より刊行。
http://ymtk.jp/ladakh/
取材協力:GNHトラベル&サービス
http://gnhtravel.com