古くて新しい兵式飯盒の魅力を発見!
「今日は”激推し!”の兵式飯盒のプレゼンをします。飯盒の種類ですが基本的には、”丸形(円筒形)”と”兵式飯盒”と呼ばれるふたつのタイプがあります。上から見たときに”そら豆”のような形状をしたものが兵式です。使い分けは好みとか用途で選んでください。私は、カッコ良くてザック内での収まりもいいので兵式が好きです」
というわけで今回は、さばいどる かほなんが、兵式飯盒についていろいろと教えてくれた。かほなんが愛用する兵式飯盒は、キャンプテンスタッグ製。今は4個所有していて、「長いものは2年ぐらいガシガシ使っています」という。
「兵式飯盒は、色や見た目の武骨さとか、そのたたずまいがたまりません。焚き火で使うとどんどん黒くなっていき、使い込むほどに味が出るところも気に入ってます。しかも、いろんな料理に使えるのですから、これを使わない手はありません。では、兵式飯盒の魅力4選を紹介しましょう」
●かほなん的”兵式飯盒”の魅力4選
1:飯盒は3個のパーツからできていて、最大の特徴は蓋がふたつあること。中蓋はお皿になり、ご飯を炊きながら中蓋で別のおかずを同時に調理することもできます。外蓋は、フライパン代わりにして、炒め物や焼き物を作るときにも使えます。
2:底が深いこと。ご飯なら最大で4合炊けます。うどんや汁物を作ったり、クッカー代わりに使うこともできます。
3:本体に「つり手」と呼ばれるハンドルが付いていて、焚き火の上に吊るして調理することができます。
4:アルミニウム製で熱伝導率が高く、食材に均等に熱が入ります。メスティンよりも厚みがあるので、焚き火のような強い火でも、焦げ付きを心配せずに料理できます。
蓋を使ってお米の計量にも使える
「私が使っている飯盒は、中蓋が2合、外蓋が3合のお米が入るサイズになっているので、長いキャンプのときにお米を現地で計量するときにも役立ちます。また、重量が軽くて持ち運びも楽です。しかも安い!私が使っている兵式飯盒は1500円ほど。大きいかな?と感じる方もいると思いますが、中にお米や調味料、コンパクトストーブなどを入れられるから、じつは大きさも気にならないし、かなり便利です」
基本の”キ”の炊飯から
では、かほなんに兵式飯盒の使い方を見せてもらおう。まずは大定番の炊飯から。
焚き火とトライポッドで炊飯
「せっかく”つり手”があるので、今回は吊って使いましょう!」
かほなんはそう話すと、森の中へトライポッドを作るための枝を拾いに行った。
慣れた手つきでトライポッドを組み立て、火を起こし、チェーンとS字フックを使って飯盒をセット。準備ができたら炊飯開始だ。
トライポッドのいいところは、飯盒を吊るす位置を上下に調整できること。強火にするときには飯盒を下げ、弱火は飯盒を上げればいい。かほなんは、チェーンにかけたS字フックの位置を変えて、飯盒と火の距離を上手に調整していた。
上手にご飯を炊くコツは?
「今回は、かなり美味しく炊けました。底も焦げていません。飯盒で上手に炊飯するコツは、30分以上浸水することと、必ず10分蒸らすこと。それを守れば美味しく炊けますよ」
簡単に作れる”かほなん”のもう一品
兵式飯盒スペシャリストのかほなんが、超簡単な料理方法をもう一品教えてくれた。
「飯盒を使えば、簡単にお芋を蒸かすこともできます。今回は、ジャガイモでやってみます。用意するのは、ジャカイモと水と石。それに調味料(塩、コショー、バター)。まずは、石を飯盒の下に敷き、石が隠れるぐらいまで水を入れ、その上にジャガイモを載せます。あとは蓋をして火にかけるだけ」
「火にかける時間は、だいたい20分くらいかな。蒸しあがったら、飯盒から出してナイフで切って、塩、コショー、バターで味を調えればできあがり」
「ごちそうさまでした。兵式飯盒はすごく安いものですし、メッチャいいクッカーですよ。皆さんもぜひ使ってみてくださいね」
アイデア次第でキャンプ飯のメニューがグ~ンと広がる
構成/山本修二