キャンプでコーヒーを淹れる道具の最たるものといえば、パーコレーターでしょう。なんと言っても、アウトドアやキャンプと言った雰囲気がピッタリハマるんですよね。
早朝から沸き立つ湯気とポコポコと出来上がるコーヒーの色と香りが、1日の始まりを告げてくれます。しかし、パーコレーターを使ったことのある皆さんは「コーヒーの中に粉が混ざってる!」とか「口の中がざらつく……」など、そんな経験はありませんか?
そんな経験をされた方に朗報です。2020年12月19日にスノーピークから発売されたスノーピークのパーコレーター「フィールドコーヒーマスター」は、なんとペーパーが使える、今までにないパーコレーターなのです。
いちコーヒー人として、またいちキャンパーとして、この斬新なギアを試してみました。
フィールドコーヒーマスターの使い方
まずは手順をご説明します。
(1)ハンドルを本体に取り付けます。バンドルネジは真鍮製ですので、斜めにねじ込んだり、強く締め過ぎない様に注意して下さい。
(2)本体に水を入れます。本体の注ぎ口に3列7つの穴が開いていて、上から3つ、3つ、1つと穴が配列されています。
3杯分の場合は、上から3列目の1つ穴の丸穴の下部まで水を入れます。4杯分の場合は、上から2列目の3つ穴の下部まで入れます。
(3)このパーコレーターは、3〜4杯分のコーヒーを淹れるので、ペーパーは市販されている扇形タイプの102(2〜4人用)と呼ばれるペーパーを準備します。
圧着されている側辺と底辺の端からそれぞれ15mmくらいの辺りを折ります。しかし、今回は不測の事態を想定して円錐形のペーパーで試してみました。自宅で円錐形ドリッパーを使われている方はそのペーパーを使えます。
円錐形のペーパーの側辺を折ったあと、ドリッパーの底辺部を作るために下部を底部の長さに合わせて折ります。折ったらペーパーをドリッパーにセットします。
(4)ハンドミルなどで中挽きに挽いたコーヒーの粉をドリッパーに入れ、スチームロートにセットします。
普通のパーコレーターなら小さい穴が無数に開いたバスケット入れるので粗挽きにしますが、このパーコレーターはペーパーを使用しますので、豆を挽く際は細目でも大丈夫です。
パーコレーター自体は薄めに抽出されるので、逆に細かく挽くほうが濃度のあるコーヒーが抽出できます。
(5)ドリッパーにコーヒーの粉を入れたら、スチームロートにセットします。スチームロートの先端をドリッパーの小さなU字フックに通し、スチームロートの中間にあるツメにドリッパーの底の縁を引っ掛けてセットします。
セットしたら水の入った本体にスチームロートを入れて、フタをします。これで準備は完了です。
(6)準備ができたらバーナーの上に置いて弱火で加熱します。お湯が沸騰するまでワクワクしながら待ちましょう。沸騰したらスチームロート吹き 出し部からお湯が噴出します。
噴出するのが安定したら、火加減をとろ火にします。火力が強すぎると吹き出しが安定しないようです。ガラス製のノブを確認し、吹き出しが 安定するように火力を調節しなくてはならず、コツを掴むまでは苦労しそうです。
(7)ガラス製のノブ部の縁を確認し、吹き出してくるお湯が わずかにコーヒー色になったらバーナーから本体を一旦下ろして、40秒ほど蒸らします。ちょっとペーパードリップっぽい行程です。
本体ハンドルが非常に熱くなっている可能性がありますので、必ず乾いた布巾やミトンなどを使用するようにしてください。焚き火用グローブなどを使うとカッコイイですね。
(8)蒸らしたら再度バーナーの上に本体を置き、弱火で再加熱します。ガラス製ノブで吹き出すコーヒーの色を確認して、お好みの色合いになったらバーナーの火を消すか本体を下ろします。
(9)コーヒーが出来上がるとスチームロートとドリッパーのセットをケトルから取り出す必要があります。必ずミトンや乾いた布巾、焚き火用グローブんどを着用してフタを開け、スチームロート のパイプ部を持ち、ドリッパーとスチームロートのセットを本体からゆっくりと取り出します。
取り出したセットを置く受け皿を用意しておくと便利です。ケトル本体にフタをしてカップなどに注ぎ出来上がりです。
完成したコーヒーを飲んでみた感想
飲んだ感想は、熱いうちは薄味アメリカンと言う感じで「パーコレーターらしい味」と思いました。
しかし、冷めてから飲んだらコクが強く感じられ、「これはアリかも!」 と、他のパーコレーターとは異なる新しい発見がありました。
フィールドコーヒーマスターを使う際の注意点
順序と使い方は普通のパーコレーターと同じで、水の状態から火にかけるようにしましょう。沸騰してからスチームロートを入れると、いきなりロートパイプからお湯が吹き出して危険です。
また、1〜2杯分を作る場合は、カップやサーバーにドリッパーをセットし、パーコレーター本体をケトルとして使用し、ハンドドリップするといいでしょう。
パーコレーターはどれも薄味になりがちで、濃いコーヒーを淹れるには、細挽きにしたコーヒー粉の量を増やすか、抽出時間を少し長くする必要があります。
結論としては、一般的なパーコレーターと比べるとやや手間はかかりますが、淹れたコーヒーは時間がたっても美味しく飲めるのは素晴らしいと感じました。
ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。