アロハシャツといえば、ハワイ。はじめて登場したのは1935年ごろといわれ、’40年代から’50年代にかけて、ハワイのリゾート化が進むにつれて人気が高まっていった。
その起源は日本の和服という説が有力。第二次世界大戦前後は、多くのアロハ用生地が日本で作られていたという事実もある。当初は、リゾートウェア、お土産用という認識だったが、やがて、ハワイの文化や歴史を象徴するアイコンウェアへと成長したのだ。
そんなアロハシャツに魅了されたのが、パタゴニア創業者のイヴォン・シュイナード。彼は、’85年に開かれたある祝賀会の席に、なんとアロハシャツに蝶ネクタイという出で立ちで出席。『pataloha』の織りネーム付きパタロハシャツが、パタゴニアのカタログにデビューしたのは、その翌年のことだ。
カタログの製品紹介文には、当時失われつつあったアロハシャツ本来の印象主義的芸術としての「古典的品位を回復したい」(1986年カタログより)と、力強く書かれていた。以降、(休止した年、時期はあるものの)毎年のように発表されてきたパタロハは、パタゴニアファンのみならず、アロハシャツフリークのコレクターズアイテムとしても人気を博してきた。