生き方すべてを動画にする、脱サラさいとう夫婦の素顔とは?
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    2021.07.18

    生き方すべてを動画にする、脱サラさいとう夫婦の素顔とは?

    車中泊の準備をする動画が2日で2万回再生! 

    脱サラさいとう夫婦のタローさんとはるぴんさんは、名前の通り、2018年にふたりで脱サラをし、ネット通販の会社を起業。1年ほどその準備期間でほとんど外に出ることができず、なにか発散できることを探していたそう。

    タロー「ずっとこもって作業をしていたので、You Tubeばかり見ていたんですね。そのときに『ヒロシちゃんねる』を見てキャンプが気になりました。ちょうどキャンプブームもあって、うちのネットショップでもアウトドア用品を取り扱いたいと思ったんです。それでまずは、キャンプをやってみないと商品を売れないだろうと、キャンプに行くことにしました。妻は子供の頃にキャンプの経験があるのですが、僕は経験がまったくなくて。テントも何を買っていいかわからなかったし、リサイクルショップでたまたたま手にとった4人用のテントと、シュラフを持って、2019年の2月、初めてのキャンプに行きました」

    やってみたい気持ちが先行し、真冬に十分な装備もないままに初キャンプを果たしたさいとうさんたちだが、その体験がアウトドアYouTuberへの道を切り開いた。

    タロー「とにかく寒くて、地獄でした(笑)。でも、元々趣味だったカメラ撮影をしてみようということになって、星空を撮ったら、ものすごくきれいに撮れて。都会にはない、日帰りでは出会えない景色に感動しました。その幻想的な瞬間が衝撃すぎて、キャンプにハマったんです」

    はるぴん「私は外遊びが大好きでしたし、ネットショップの立ち上げでずっと外に出られないストレスもありました。キャンプに行ったときには『やっと外に出られた』と思いましたね。外でごはんを食べているだけでも十分楽しくて!」

    一気にキャンプ熱に火がついたふたりは、ネットショップでアウトドア用品を取り扱うことを決意。そのPRとしてYou Tubeをスタート。その中で商品の紹介よりも、自分たちのライフスタイルを面白がって見てくれる人が多いということに気づいた。そこで会社名だったYou Tubeアカウントも「脱サラさいとう夫婦」に変更し、初心者ならではのキャンプ動画を発信していくように。

    タロー「でも最初は、なかなか再生数が伸びず…。そんな中、日産キューブで10日間の車中泊旅をするためにあげた準備編という動画が2日で2万回再生したんです! いわゆるバズったんですね。そこで一気に登録者数が3000人ぐらい増えて、エンジンがかかった気がしました。
    ただ、なぜその動画がバズったのかはわからないんです(笑)。正直に言ったら、妻も適当な服装だし、捨て駒みたいな気持ちで上げた動画で。旅に出るうえで準備しないとなぁと思っていたから、経緯を伝えるためにも動画撮ろうか、ぐらいの軽い気持ちだったんですよ。多分その当時、車中泊やバンライフの動画をアップしている人が少なかったので、日産キューブで車中泊するなんて、どういうこと!?という目線で見た人が多かったのかもしれません」

    田舎暮らしを始めて、登録者数が急増!

    2020年には、田舎暮らしをスタート。キャンプだけではなく、田舎での生活や在宅ワークなど、コロナ禍で注目されるコンテンツも多く発信している。

    タロー「キャンプのイメージが強いですが、キャンプは僕たちにとってはひとつのコンテンツであって、発信したいのはライフスタイル全般なんです。コロナ禍で働き方が見直される前に脱サラをして在宅ワークを続けていました。そこに田舎暮らしも加わって注目度が上がったようで、今の家に引っ越す前の登録者数が8000人ぐらいだったのですが、この1年で2万人近く増えました。とくに今、都会での生活が苦しい状況でもあるので選択肢のひとつとして、僕らみたいな生き方に興味がある人が増えたのかもしれません。僕らもその楽しさを伝えていきたいというのはありますね」

    はるぴん「ここでの生活は毎日がキャンプ場にいるみたいな空気感なんです。とくに朝と夜は外の香りが似ている。攻撃してくる虫はいやですが(笑)。でもすごく気持ちいい生活なんです」

    田舎で暮らすようになり、以前にも増して夫婦ふたりの時間が多くなった。仕事もプライベートも一緒。You Tubeもふたりが一緒に出ている。ここまでふたりでいると、窮屈に感じることがあるのでは? と聞くと「その質問多いんですよ!」とはるぴんさん。

    はるぴん「コロナ禍になってから、とくに『在宅ワークで夫が家にいるんですが……』というメールをいただくことが増えました(笑)。私もこの生活が始まる前までは、ひとりの時間も大事だと思っていました。だけど、一緒にやっていくという覚悟のうえで話もしているので、想像以上に窮屈さは感じていません。“さいとう夫婦”というコンテンツで走り出しているのだから、そこに対しての責任もありますし、ケンカしたとしてもいいものを発信するためには言い合ったほうがいいとも思っています。それにタローちゃんだから、ここまで一緒にできるというのもありますね」

    タロー「そうですね。カメラが回っていなくても仕事が終わっても、どちらかだけが出かけることもなくて、基本は24時間一緒。それが普通になったので、むしろ楽しんでやっています。ふたりとも仕事もYou Tubeに対しても真剣なので、方向性とか意見の食い違いは出てくるけど、そのときのケンカや話し合いこそが大事ですよね」

    はるぴん「自分の中で、サラリーマンじゃなくて自分ですべてをやりたいという気持ちがずっとあって、それで起業をしました。同じ夢を描いていたのがタローちゃんなので、夫婦でありながらも大事な仕事のパートナーです。
    今は、自分のペースで、仕事をして、家事をして、遊びも自由。結果をコンプリートしていれば、時間の使い方は自分次第です。この生活になって体的にも気持ち的にも、すごく楽になりました」

    タロー「お金の面では独立すると心配なことは増えます。売上が下がったりすると、胃が痛かったり……。その精神的なダメージはありますけど、体が自由な暮らしの楽さと比べるとサラリーマンには戻れないですね。時間と場所を選ばずに働けるから、キャンプ場で仕事をすることも。天気がよければ昼間は遊びに行って、夜仕事しようとかもできますしね。結局、夜にツケが回ってきているんですが(笑)。それでも楽しく日々過ごせています」

    脱サラさいとう夫婦

    田舎暮らしをしながら、キャンプやアウトドアを楽しむ。2018年に脱サラをして起業。在宅ワークについての動画も発信中。登録者数約2.7万人(2021年7月上旬現在)。

     

    構成・文=中山夏美

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