日本の農業に革命をもたらしたミニ耕運機「こまめ」を使ってみた
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    2021.07.14

    日本の農業に革命をもたらしたミニ耕運機「こまめ」を使ってみた

    青空に映えるこの赤い機体は、ミニ耕運機のベストセラー「こまめ」。

    2020年から、約1200平米の耕作放棄地を借りた友人のお手伝いする形で朝農業を楽しんでいます。これから農業を始めたいという皆さんに、初心者目線で農業についてお伝えしていますが、今回は耕運機のご紹介です。雑草を根こそぎ取り除くという重労働の次は、土を耕します。さすがに約1200平米を手作業で耕すわけではなく、小さな耕運機を使います。正式名称「ホンダ耕うん機 こまめ」。耕運機マスターになるべく、こまめを飼い慣らす日々の始まりまです。

    常識を打ち破った小さな革命児
    ホンダ 耕うん機 こまめ

    こまめ目線の畑。雑草を抜き終わったら登場だ!

    「こまめ」の登場は1980年。今から41年前です。畑で機械を使うのは男の仕事とされていた時代に、誰もが手軽にもっと野菜作りを楽しめるようにという願いを込めて登場すると、わずか2年7か月で10万台も売れるベストセラーに。

    「流行は常に町娘から」。

    封建的な江戸時代を終え、開国して以来、特に文明開花の流行は感度の高い若い女性から生まれるとされるこの言葉は、昭和の農業も同じでした。「こまめ」は女性から高い支持を得たのです。

    初めに「こまめ」の良さに気が付いたのは、ホンダ耕うん機を取り扱うお店の女性スタッフだったとか。「私たちでも使えそう!」と思わせたことで、農家の畑仕事だけでなく家庭菜園にも人気は広がり、大ヒット商品になります。こういう思いもしないヒットの裏話って、令和の時代でもありますよね。

    ハンドル左手にあるスイッチ。操作はとても簡単!

    確かに、農業初心者の僕にも操作は簡単でした。ハンドル左手にあるスイッチを「運転」に切り替え、始動グリップを強く引っ張るとエンジン始動です。

    そして、ハンドルのレバーを握ると耕運がスタートし、レバーを放すと止まるというシンプルにして、簡単・安心の操作性は、確かに初心者にも女性にも優しい設計です。なるほど、これはヒットするわけだ!

    耕作機のスーパーカブ!

    燃料のガソリンを注入!容量は0.67Lで満タンに。

    燃料はガソリンです。ガソリン以外の特別な燃料は必要ありません。

    縦横70cm x 60cm、高さ70cmほどのコンパクト設計のため、軽自動車の荷台に積むことができるのも、広く支持された要因でしょう。「こまめ」は、日本人が小さくコンパクトながら高機能機器を作るという名人芸から生まれた名機のひとつです。

    こまめで耕した畑。まっすぐ耕すには慣れが必要。

    操作ですが、最初はもちろん慣れません。腕に余計な力が入り、力技でコントロールしようとすると、こまめは左右に暴れます。最初はその繰り返しで、腕が筋肉痛になりました。ちゃんと重心を下に腰を据え、こまめの動力に逆らうことなく、静かに深く進める意識を持つと、この暴れ馬は優等生に生まれ変わりました。

    歩くよりも遅いスピードで、目の前の土のかえりと耕す先をうっすら見つめる近視と遠視の両方を同時にこなす目線意識が、まっすぐ耕すコツで、近視と遠視の関係は、トレイルの下りを疾走するときに少し似ています。

    「こまめ」は小さくても頼もしい相棒。

    バスケットボールコートを縦に3つ並べた大きさに相当する約1200平米は、農地として決して広くはありません。しかし、もし手作業で耕していたら?と考えると、途方に暮れていたと思います。

    作業効率を飛躍的に改善し、棚田をはじめ、小さい農地が点在する国内の農業事情を的確に捉えたこのベストセラーは、まるで、60年以上の歴史と累計生産台数1億台を突破して、今なお愛され続けているバイク「スーパーカブ」のような存在なのかもしれません。そういえば、「スーパーカブ」もホンダ製ですね。

    雑草を抜き、「こまめ」で耕し終えたら、やっと種や苗を植えるフェーズに入っていきます。植え付けについては、また今度ご紹介したいと思います。

    私が書きました!
    フリーライター
    山田 洋
    2020年3月から、「ときどき農業生活」を始める。きっかけは「耕作放棄地を農地に再生したい!」と、1200平米ほどの農地を借りた友人のお手伝いから。リモートワークと並行しながら、100%オーガニックの鎌倉野菜を育てるために朝農業を続けている。趣味はトレイルランニング。

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