自然をすぐそばに感じながら寝泊りするには、テントが欠かせません。
日本のフィールドではダブルウォールテントを選ぶ人も多いですが、近年「フロアレスシェルター」をあちらこちらで見かけるようになりました。あえてインナーのないフロアレスを選ぶことが、トレンドとなりつつあるのです。
ここでは、フロアレスシェルターのメリットや選び方、おすすめモデルをご紹介します。夏休み、裏山で見つけた秘密基地で遊んだように、シンプルな道具でキャンプをよりワイルドに楽しんでみましょう。
フロアレスシェルターとは
フロアレスシェルターは、床なしで設営し、幕が四方を地面の近くまで覆うものを指します。
フロアレステントとも呼ばれ、四方を幕で囲えることが、床のないタープとの違いと言えるでしょう。
フロアレスシェルターは出入りに靴の脱ぎ履きが必要なく、アイデア次第でいろいろな楽しみ方ができます。流行りの軍幕を使用したものや人気のワンポールモデル(ティピー型)、大人数のリビングとして使えるツーポールの大型フロアレスなど、市場にはさまざまなモデルが展開されています。
フロアレスシェルターのメリット
設営に手間がかからず、かつバリエーションが豊富で、汎用性が高く自然との一体感を味わえる——。そんなフロアレスシェルターのメリットを具体的に見ていきましょう。
設営バリエーションが豊富
フロアレスシェルターは汚れ物を置け、キッチンやリビング、寝室としても使え、設営の仕方次第でバラエティーに富んだ使い方ができます。
例えば、半分は地面のままチェアを置き、もう半分はグランドシートを敷く。コットを設置して寝室として使ったり、インナーテントを入れたりしてもいい。グランドシートにマットを敷いてシュラフで寝る、また、フロアレスシェルターを車中泊のリビング代わりに使う方法もあるでしょう。
アイデア次第で使い方は無限に広がるのです。
設営や撤収が楽
床のないシンプルな構造ですから、設営や撤収が比較的簡単にできることもメリットです。フロアレスシェルターはフライの設置の手間がかからず、多くのモデルでは、ダブルウォールテントのように本体にポールを通していく作業も必要としません。
設営方法がシンプルですから、急な悪天に見舞われても素早い撤収ができるでしょう。
1年を通して楽しめる
フロアレスシェルターは汎用性が高く、夏でも冬でも状況に応じて工夫することで、さまざまな楽しみ方が考えられます。夏はコットを設置して寝転んで過ごしたり、日除けとして利用したりできます。
冬は大型のフロアレスシェルターに小型のテントを入れて、カンガルースタイルを楽しみましょう。インナーテント内は冷気が遮断され、より暖かく過ごせます。
自然との一体感を楽しめる
フロアレスシェルターの魅力は何と言っても床がないこと。ただそれだけで、ぐっと秘密基地感が増します。むき出しの地面が自然と自分との距離を近づけ、野営に近い感覚を味わえるのです。
フロアレスシェルターは幕に覆われており、安心感がある。ここがオープンタープとの違いです。これから野営志向のキャンプに挑戦したい人にも、ぜひフロアレスシェルターをおすすめします。
フロアレスシェルターの雨対策
自然との距離が近くなるということは、その反面リスクも大きくなり、デメリットも認識しておかなければなりません。
フロアレスシェルターはひとたび大雨になると地面から雨が侵入し、内部に水たまりができるほど浸水することも考えられます。その対策としては、設営場所を慎重に選べば(芝生や砂利など水はけの良い場所や、高地になっている場所を選ぶようにすれば)問題ありません。
さらに設営時、張り綱やポールにしっかりとテンションをかけ、耐候性を上げることもポイントです。
フロアレスシェルターを選ぶときのチェックポイント
フロアレスシェルター選びでは、他のテント選びと同じく、まず用途を明確にし、形状やサイズ、素材などを吟味しながら用途に合った最適なモデルを選びましょう。
形状
フロアレスシェルターには、ワンポールテントや軍幕テント、クラシックなA型テントスタイルなど、各種の形状があります。デザインや構造によって室内空間の広さや快適性が異なりますから、好みや用途に合うものを選んでください。
もし設営のしやすさを重視するなら、数秒ほどで自立できるワンタッチタイプのシェルターもおすすめです。
サイズ
先に述べたようにフロアレスシェルターはさまざまなモデルがあり、ソロ用の小型モデルからファミリーキャンプに適した大人数が収容できるものまであります。
人数や荷物、キャンプのスタイルなどを考慮し、最適なサイズを選びましょう。
素材
通気性がよく、結露しにくいコットンやTC素材も人気です。また、焚き火をするなら難燃性の素材を選びましょう。ナイロンやポリエステルは軽量ですが、熱に弱い傾向があり、火の粉がかかると穴が開くこともあります。
夏場がメインなら、遮光性が高いものを選べば日除けとして内部の温度上昇を和らげられます。中にはUVカットモデルもあります。
メッシュ
メッシュ付きはクローズ時でも風通しがよく、熱気がこもりません。虫対策をしながら通気性も確保できるので、夏のキャンプにはメッシュ付きモデルを検討してみましょう。
スカート
秋冬のキャンプでは、シェルターの隙間から吹き込む寒気や、地面からの冷気をいかに遮断するかがポイントです。肌寒いフィールドでも、冷たい空気の侵入を防げるスカート付きのモデルなら、より快適に過ごせるでしょう。
ニーモ / NEMO
ヘキサライト LE 6P
HEXALITE™ LE 6P / NM-HEX-6P-LE
靴の脱ぎ履きを気にすることなく、室内で立ったまま歩けるほどの大型フロアレスシェルターです。対応人数は6名と、大人数のキャンプにおすすめ。考え抜かれたデザインにより、短時間で簡単に設営でき、多彩なアレンジが可能です。
●サイズ:561×470×226(h)cm ●重量:2.1kg(本体)+1.5㎏(ポール)●素材:30D Sil/Silナイロン
オガワ / ogawa
ツインクレスタ
3347000080
フロアレスシェルターとして、またアレンジでタープとしても利用できるモデルです。コンパクトな外観ながら、Y字ポールが作る広い室内空間は快適そのもの。シェルターサイドにメッシュとベンチレーションを備え、さまざまな条件下で利用できます。
●重量:総重量(付属品除く)6.9kg/付属品重量: 約2.9kg ●素材:フライ:ポリエステルリップストップ75d(耐水圧1,800mm)/ポール:6061アルミ合金 φ22/14.5mm
テンマクデザイン / tent-Mark DESIGNS
サーカス720サイドウォールセット
サイドウォールが付属していることで、フルクローズ時でも広い空間を確保できるシェルターです。シェルター長辺には4本のダブルファスナーが備えられ、多彩な設営バリエーションを楽しめます。
●サイズ:フライシート(約)7,200 × 3,600 × 2,200(高)mm/サイドウォール(約)3,500 × 1,600(高)mm ●重量:(約)23.1kg(ペグ/張り綱/収納ケース含む)●素材:フライシート&サイドウォール・ポリエステル150D(表面テフロン加工・裏面ポリウレタンコーティングUVプロテクション加工/撥水加工/難燃加工)/ポール・スチール
ユニフレーム / UNIFLAME
REVOタープ<solo>ウォールセット カーキグリーン
682043
タープとウォールがセットになったフロアレスシェルターです。タープのみで利用する、あるいはタープ+ウォールで設営するなど、状況に応じた利用ができます。メッシュパネルやスカートも完備し、活躍には季節を問いません。
●重量:タープ・約1.1kg/ウォール・約2.5kg(いずれも幕体のみ)●素材:タープ・ポリエステルタフタ150D(耐水圧1,800mm以上/UV-CUTコーティング/PUコート・テフロン撥水処理)ウォール・ポリエステルタフタ75Dポリエステル(メッシュ部)
タラスブルバ / TARASBOULBA
ワンサイドフォークAFシェルター
TB-S19-015-002
片方のメインポールを二股とした、A型フレームシェルターです。二股ポールとすることで、室内空間を広々と確保し、出入りの妨げにもなりません。前面を跳ね上げればパップテントのように設営でき、ソロ〜2人キャンプに最適です。
●サイズ:(約)470×230×180(h)cm ●重量:(約)6.5kg ●素材:生地/ポリエステル(裏面:ポリウレタンコーティング)、ダブルポール/φ25mmアルミ二ウム合金、シングルポール/φ25mmアルミ二ウム合金 ●UVカット:紫外線遮へい率90%以上
タラスブルバ / TARASBOULBA
ワンサイドフォークアレンジシェルター
TB-S19-015-004
二股ポールを採用した、全長7mの大型シェルターです。別売のポールを使用するこでタープのように設営したり、前面を跳ね上げてパップテントのように設営したり、多彩なアレンジを楽しめます。二股ポールは空間を有効活用でき、出入りの邪魔になりません。
●サイズ:(約)700×320×235(h)cm ●重量:(約)11.0kg ●生地/ポリエステル(裏面:ポリウレタンコーティング)、ダブルポール/φ30mmアルミ二ウム合金、シングルポール/φ25mmアルミ二ウム合金 ●UVカット:紫外線遮へい率90%以上
ピジョンピークス / VISIONPEAKS
TCバタフライシェルター
VP160202J01
収容人数6〜8人と、広い空間を作り出せる大型シェルターです。綿混紡TC素材を採用し、火の粉に強く、遮光性や通気性も兼ね備えます。ファスナーを閉じてフルクローズに、前面を跳ね上げてタープにように設営するなど、多彩なアレンジで1年を通して活躍します。
●インナーサイズ:(約)680×440×220(h)cm ●重量:(約)16.5kg ●素材:フライ・ポリエステル+綿混紡/メインポール・スチール製/フロントポール・スチール製
DDハンモック / DD Hammocks
DD SuperLight A Frame Tent
「DD SuperLight A Frame Tent」は、軽くコンパクトなフロアレスシェルターです。バックパックに収められるサイズと重量であり、トレッキングポールを使用して設営する設計です。別売のインナーメッシュと組み合わせることで、より快適な空間を確保できるでしょう。トレッキングやハイキングのベースキャンプ用途におすすめです。
●サイズ:345×150×115(h)cm ●重量:730g
パーゴワークス / PAAGOWORKS
ニンジャシェルター
NINJA SHELTER
軽量な、2人用フロアレスシェルターです。ハイキングやバックパッキングに適したサイズや重量であり、なおかつアレンジや高さ調整機能により、コットやチェアーを設置したレイアウトにも対応できます。サイド2カ所のファスナーと、ひさしを自由に使い分けることで、さまざまなシーンで活躍します。
●サイズ:380×220×140cm ●重量:1.6kg/最小重量・1.15kg (本体とポール2本)/●素材:20Dポリエステル(シリコン/PUコーティング)
ゼインアーツ / ZABEARTS
ギギ1
GIGI-1 / PS-011
デュオキャンパー向けの、小型フロアレスシェルターです。コット2台が余裕で収まる空間を確保し、テーブルやチェアなど必要な小物を十分に収納できます。パネルの開閉や跳ね上げにより、環境やスタイルに適した設営が可能です。
●サイズ:500×400×220cm ●重量:4.5kg ●素材:50Dシリコーンポリエステルリップストップ・PU加工(耐水圧1,500mm)
ゼインアーツ / ZABEARTS
ギギ2
GIGI-2 / PS-022
家族4人がくつろげる、ツーポール仕様の大型シェルターです。4隅をペグダウンし、ポールを入れるだけで自立する簡単設営仕様。ドアパネルをオープンしたり、オプションのインナーテントを設置したりと、豊富な設営バリエーションが魅力です。
●サイズ:700×400×220cm ●重量:7.5kg ●素材:75Dシリコーンポリエステルリップストップ・遮光PU加工(耐水圧1,500mm)
ナショナル ジオグラフィック / National Geographic
HIDEOUT
美しいデザインに加え、多目的に活用できるシェルターです。「HIDEOUT」は鎌倉天幕とのコラボレーションで誕生しました。アレンジ次第でクローズ、オープン、メッシュスタイルと、用途に応じた使い分けができます。広々とした大型シェルターで、多人数のキャンプにおすすめです。
●サイズ: 480×760×220/240(h)cm ●重量:(約)10.5kg ●素材:ポリエステル ・リップストップ(耐水圧1,500mm)
DOD
ライダーズベース
RIDER’S BASE / TT3-587-TN / TT3-587-BK
バイクツーリングに最適な、大型のフロアレスシェルターです。バイクに積載しやすいコンパクト性に加え、設営が簡単でスピーディーに組み立てられます。1人+バイクを収納する、あるいは3人分のコットを設置するなど、さまざまシーンで活用できます。もちろん通常のキャンプ用途にも◎。
●サイズ:440×360×160(h)cm ●重量:(約)4.2kg ●素材:アウターテント:30Dナイロン(PUコーティング、シリコンコーティング)ポール・アルミ合金/キャリーバッグ・150Dポリエステル(PUコーティング)
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