費用は1年間の電気代ぐらい
わがや電力を実際に作るために必要な材料は主に、太陽光パネル、バッテリーと、チャージコントローラー、シガーソケットの4つ。家庭用とはいえ発電システムを作るための必要最低限の部材をそろえるには5万円程度の費用がかかります。小学6年生の夏休みの自由研究の金額にしては少々高額かもしれませんが、家庭の電気使用料を削減するための投資として、1年間で元が取れる程度の制作経費と考えれば決して高くないと感じました。基本となるカーバッテリー関連の説明や、発電のしくみなど、知っていれば暮らしに役立つ知識が満載です。
イラストもわかりやすく語りかける文体は、小学6年生の読者を想定しているのでとてもわかりやすく、小学生から大人まで、多くの方にお勧めしたい内容です。例えば、ケーブル同士をハンダづけする場合のポイントや、ハンダごての手入れ方法、ニッパーの使い方、絶縁のしかたなど、わがや電力を作るために必要な基本技術とヒントが、わかりやすいイラストとともにしっかりと記載されています。
マジ電力について
わがや電力は家庭で使う電力の一部を太陽光でまかなう仕組みなので、基本の電力契約は残しつつ、太陽光と併用して使う仕組みなのですが、もしテンダーさんのように「完全に自分で作った電気だけで暮らしたい」と考えた場合は、わがや電力よりも規模が大きな「マジ電力」システムを作る方法も記載されています。ただしその場合、電気工事士という資格が必要になるため、そのあたりについてもしっかりと説明を読めばわかるところがこの本の素晴らしさだと思う。第二種電気工事士の資格を取得するとなると、夏休みだけでは終わらないかもしれないので、まずは本を読んでみて、興味のおもむくままに、わがや電力を作ってみる、というのはいかがですか?