「ろうそくができる前の明かり」を作ってみよう
電気が発明されていない時代、人々が明かりとして使っていたのはろうそくや、油を燃料にしたランプでした。
簡単に作れてキャンプや防災にも役立つオイルランプの作り方を2種類紹介します。電気に慣れた現代人にとっては難しいイメージがあるかもしれませんが、昔の人にとっては日常のものです。とても簡単にできるので、ぜひ作ってみてください。
使用時の注意
このランプは火の周りが囲われていない「裸火」の状態になります。地震直後、粉塵が舞っていたり余震の危険がある場合に使うのは大変危険です。地震時の利用は避け、停電時やキャンプなどで利用してください。
使用時は目を離さず、その場を離れる場合や就寝時は必ず消してください。
「灯明皿」を作ってみよう
灯明皿は日本で古くから使われてきたオイルランプです。あんどんの中身としても使われており、時代劇などでもしばしば登場します。
今回は小皿を使いますが、ホタテなどの貝殻を代わりに使えば、バーベキューや海辺の花火遊びにもぴったりのアイテムになります。
材料・道具
・小皿1枚(火に強い素材のもの)
・下に敷いて延焼を防げるもの(大きめのお皿やタイルなど)
・麻ひも(10cm、1本)
・油
・重石になるもの(小石や陶器の箸置きなど)
・マッチやライターなど火をつけられるもの
小皿は貝殻などでも代用可能、麻ひもは細いロープや、ティッシュをねじって作ったこよりでも大丈夫です。油は菜種油が良いとされていますが、においを気にしなければサラダ油や、揚げ物をした後の廃油、ツナ缶の油なども使えます。ただ鉱物性の油(ガソリンなど)は危険なので避けてください。
作り方
お皿など延焼を防げるものの上に、小皿を置いて油を入れます。
麻ひもを油にひたし、よく油を吸わせます。
端を少しだけお皿のふちから出るよう置き、麻ひもが動かないよう重石で押さえます。
麻ひもに火をつけると、お皿からはみ出ている部分で燃えます。最初激しく燃えたり、すすが出ることもありますが、しばらくすると落ち着きます。
重石を持って麻ひもをずらすことで、火力の調整ができます。
糸端がお皿のうちから出る部分が大きくなるほど火は強くなり、少なくなるほど火は弱くなります。
「アラジンのランプ」の作り方
「アラビアンナイト」で有名な「アラジンと魔法のランプ」。「ランプの魔神」が中にいると言われるあのランプですが、「あれはランプなのかな?水差しかカレーを入れるポットなのでは?」と思われたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
あれはれっきとしたオイルランプの一種で、中に油を入れて使います。今回は手に入りにくい金属製のランプの代わりに、日本のご家庭なら1つはあるであろう「急須」で代用したランプを作ってみたいと思います。
材料・道具
・急須(火に強い素材のもの)
・ティッシュ(細いロープや木綿の布きれなどで代用可)
・油
作り方
まずはティッシュを固くねじり、こよりにします。
急須に油を入れ、ティッシュをひたしてよく油を吸わせます。急須の注ぎ口からティッシュの端を少し出します。
急須の口から出したティッシュに火をつけます。最初は勢いよく火が上がったり煤が出ることもありますが、しばらくすると落ち着き、安定して燃え続けるようになります。
もし火がすぐに消えてしまう場合は、こよりの太さや長さを調節してみてください。細すぎたり、短すぎたりすると油を吸い上げる力が足りず、消えてしまうことがあります。
大昔の明かりをキャンプや防災に取り入れてみよう
裸火なので火の取り扱いには注意を要しますが、とても簡単に作れる大昔の明かり。においさえ気にしなければ、廃油やツナ缶の油でも作れるので、とてもエコ。キャンプや防災にも役立つので、何かの機会があればぜひ作ってみてください。
くれぐれも火の取り扱いにはご注意ください。