ホビー社製のバンコンが日本初上陸
欧州製のバンコンバージョン(通称:バンコン)の多くが、商用車であるフィアット・デュカトバンをベースに製作されています。今回はドイツの老舗ブランドであるホビー社の「バンタナK60FTデラックス」が日本に初上陸となったので、さっそくその魅力を探ってみたいと思います。
フィアット・デュカトをベースにしたバンコンと言えば、ハイマー社「シドニー」や「フリー」をはじめ、ローラーチーム社「リビングストーン」、サンリビング社「V65SL」、サンライト社「クリフ」、アドリアモービル社「ツイン」など、数多くのモデルが国内で販売されています。どのモデルも共通しているのが、アクティビティ派に向けた装備やカジュアルな室内の作り大きな特徴です。
「バンタナK60FTデラックス」についても同様で、キャンプや外遊び派に使いやすい仕様になっており、基地のような感覚で車中泊旅が楽しめるようになっています。さらにデラックスと名が付くように、フロントシート上部に天窓を備えるほか、装備も充実し高級感あふれているのも魅力です。
まずは3サイズから。全長×全幅×全高は5990×2050×2640mmで、トヨタのグランエース(同:5300×1970×1990mm)より全長で690mm、全幅で80mm、全高で650mmほど大きなサイズ。欧州では一般的なサイズですが、日本だと街中をスイスイ走るにはちょっと苦労するサイズとなっています。とは言え、6mを切る全長なので慣れてしまえばそこまで運転しにくくはないと思います。
エクステリアはシルバーのボディにブラックのアクセントを施し、アルミホイールも装着したスポーティなデザインが魅力。商用車ベースとは思えない欧州らしいスタイルです。
トランポ的な使い方もできて積載能力も高い
次に室内を見ていきましょう。
こちらも欧州モデルで多く採用されるリビングの構成で、フロントシートを回転させてセカンドシートと向き合ってくつろぐことが可能。テーブル部分が延長できる仕様で、3〜4人での食事でもゆったりテーブルが使えるようになっています。
中央にはキッチンとサニタリールームを配置。キッチンユニットはスリムなカウンター式で、収納や冷蔵庫も内蔵。天板も広く調理がしやすいのはもちろん、動線もしっかりと確保されており、リビングからベッドまでの移動も楽々。
サニタリールームについてもスペースに余裕があり、洗面やトイレはもちろんのこと、着脱式の床下にシャワーパンが備わりシャワールームとしても使いやすいのが特筆すべきポイントです。
後方には常設のハイマウントベッドを装備。ベッド下が広大な荷室になっているので、キャンプや遊び道具がたっぷりと積めるほか、ベッドは跳ね上げることもできるので自転車なども楽に積載が可能。リヤゲートからも簡単にベッドにアクセスできるなど、利便性の高さが魅力になっています。
基本的には2人での優雅な旅に向けた仕様ですが、付属するアウトドアテーブルを利用することで、別売りのベッドマットと併用してセカンドシート部分にベッドスペースの展開ができるところも注目。ここは大人でも十分なサイズで、就寝人数も3人となり、家族などでの利用も可能。
アクティビティやキャンプ好きの夫婦や3人家族などにお勧めのモデルです。
価格:877万8000円〜。
問トーザイアテオ https://www.tozaiateo.co.jp/
構成・写真/伴 隆之