一年中快適にキャンプができるように電気の配線作業
前回のソーラーパネルの設置で、白夜になるユーコンの夏には、ほぼ24時間発電、充電できるようになった。その反対に冬の日照時間は極端に短い。季節関係なく快適にキャンプができるように、電気の配線作業も進めていこう。
日照時間の短い冬は照明など使う時間も長くなる。ソーラーパネルだけで車内居住スペースの電力を確保するのは、厳しくなるだろう。冬にどう車内用バッテリーを充電するかが問題だ。
この車はもともと通信会社のメンテナンス用の車として使われていた中古車。工事で使うインバーター(直流を交流に変えて、電圧も変換する機械。これがあると家庭用電気製品が使えるようになる)が助手席後ろに標準装備されて、ボンネット内の走行用のバッテリーと繋がっていた。ある物を使わない手はない! 夏はソーラーパネルで、冬はこの配線を利用して車内用バッテリーを充電できるようにしよう!
どう配線するか図に描いてみる
この車で使っているバッテリーの電圧、ソーラーパネルで発電できる電圧はどちらも12ボルト。そして車内で使う電球や換気扇も12ボルトで統一。冷蔵庫やパソコンなど110ボルト(北米の一般的な家庭用電圧)を必要とするものは、インバーターを介してつなごう。どのように配線するか、簡単に図に描き出してみた。
スイッチ類の配置
冷蔵庫上の空いたスペースに、スイッチ類や配線を配置することにした。この場所は運転席の真後ろで、スイッチ類に簡単に手が届く。
1インチ厚の板に各スイッチ、コード類が収まるように穴を開けて設置、蝶番で棚にネジ留めして扉にする。左から順番に、発電した電気を使ったり車内バッテリーに充電したりとコントロールするチャージコントローラー、ヒューズボックス、電灯や換気扇などのスイッチが一箇所にまとまったスイッチパネル。
そして冷蔵庫などを動かすためのインバーターは、スイッチ類の下の棚に固定。
青いチャージコントローラー下のトグルスイッチは、ソーラーパネルと車のバッテリーから送られてくる電気を切り換えるためのもの。夏はソーラーパネルから、冬は車のバッテリーから。ただし冬は長距離を走る時以外はスイッチを切っておかないと、車のバッテリーが上がってしまうので、注意が必要だ。
配線を確実に、簡単に!
電線と電線を繋ぐときは、何かのはずみであずれてしまわないようにハンダ付けをして、最後にしっかりと絶縁テープを巻いた。
スイッチパネル背面にはあらかじめ端子がついているから、それらに対応する端子を電線につける。ハンダ付けなしで、ペンチで圧着するだけと簡単!
スイッチパネルとつなぐものは…
換気扇、室内照明、インバーター。
換気扇はプラスとマイナスを逆につないでしまうと、モーターが逆に回って換気ができなくなってしまう。ハンダ付けをする前に確認を忘れずに! ファンの下で煙を焚いて、モーターの回る向きを確認。
メインの照明は110ボルト電球用のソケットが余っていたので、これを使うことに。でも流れている電圧は12ボルトだから、12ボルトLED電球を…と思ったら、僕の住むホワイトホースでは買うことができなかった。オンラインで注文。なので配線はできたけれど、今回は点灯確認できず。その代わりにテスターで確認すると、きちんと12ボルトを指した。通電確認OK!
キッチン、ベッド枕元が暗いので、そこにはLEDストリップライトをサブライトとして取り付け。
インバーターも接続完了。冷蔵庫のコンセントをインバーターに差し込んでみたら、インバーターが壊れていることが発覚。メーカーに問い合わせてみたところ、修理不可能な箇所が壊れているとのことで、新しいものをオーダーした。
配線作業を進めながらその周辺の棚を作ったら、随分と部屋らしくなってきた。次回は内装編! お楽しみに!