キャンプでの薪割りや、ちょっとした作業に便利な道具である斧。薪割りの際にミスヒットして、柄のネック(首元)部分をぶつけてしまうと、傷がついてしまいます。長い間使用していると、その傷からひびが入ってしまい、柄が折れてしまうことも……。
これを防止する場合、柄のネック部分にあらかじめネックガードを巻いておくことで、柄の破損を予防することができます。
斧のネックガードは、レザーやパラコード製のものが一般的ですが、自作するには手間と時間がかかります。
しかし、今回ご紹介するFiberFix(以下、ファイバーフィックス)という万能補修・補強テープを使えば、数分の作業で斧のネックガードとして使用できます。強度も抜群で、手間もかからないのでおすすめです。
今回はファイバーフィックスの特徴・注意点・使い勝手をご紹介します。
ファイバーフィックスの特徴
素材
ファイバーフィックスは、巻くだけで使用ができる万能補修・補強テープです。素材はグラスファイバー。高強度、高弾性のある素材で、骨折した際に患部を固定する、ギプスにも使用されている素材です。
ステンレス(SUS304)に近い強度
公式情報では、ファイバーフィックスはダクトテープの100倍強いとされています。ただ、どれだけ強いのかあまりピンときませんよね?
鋼材などの強度を表す単位に引張り強度(ひっぱりきょうど)という単位があります。引張り強度とは、材料に引張り力が加わったときの、破損までの強さを表す単位です。
ステンレス(SUS304)の引張り強度は450Nです。ファイバーフィックスの引張り強度はひと巻きで241N、ふた巻きで409Nです。
ファイバーフィックスをふた巻きすることにより、ステンレスに近い強度が出るのです。
どんなものに使用できるのか?
ファイバーフィックスはボンドとは違い、下地の素材を選びません。ステンレス製のパイプ、木製の斧の柄、ゴム製のホース、アルミ製のテントポールなど、巻きつけられるものならば、何でも補修・補強が可能です。
箱の中身
今回筆者が購入したのは、ファイバーフィックスのリペアラップ1インチ(2.5cm)です。他には幅広な2インチ(5cm)と4インチ(10cm)のものも販売されています。
ファイバーフィックスの、リペアラップ1インチの中身はグラスファイバー製のテープが3ロール、圧着用のビニールテープが3ロール、作業時に必要な手袋が3組、紙やすりが1枚です。
注意点
硬化時間が短い
ファイバーフィックスは硬化時間が非常に短いので、使用の際は注意が必要です。グラスファイバー製のテープを袋から出すと、5分後には硬化がはじまり、20分後には全体がガチガチに固まります。手際よく作業を行なう必要があるので、あらかじめ、どのように巻くのかをイメージしておくことをおすすめします。
肌に付着するととれにくい
作業中に、グラスファイバー製のテープから染み出た樹脂を、肌につけないようにしましょう。肌についてしまうと、とれにくいので注意が必要です。万が一、肌についてしまった場合、アセトン系の溶液(除光液など)を使えば、落とすことができます。
実際に斧に巻いてネックガードとして使ってみた
必要なもの
・バケツに入った水
・斧
グラスファイバー製のテープは水にくぐらせてから使用するので、バケツに入った水、またはぬるま湯を用意しましょう。公式情報では、20~25度Cのぬるま湯をおすすめしています。
こちらが今回FiberFixを巻く斧です。
柄のネック部分に、薪割りでミスヒットした際についた傷があります。こちらをファイバーフィックスで巻いて、補強することで、柄の破損を防ぎます。
紙やすりで柄をなめらかにする
付属の紙やすりを使って、ネック部分をこすって滑らかにします。
手袋をはめる
グラスファイバー製のテープを袋から出す前に、付属の手袋をしましょう。
グラスファイバー製のテープを水に浸す
グラスファイバー製のテープを袋から出したら、水に10秒浸します。2~3回揉んで、テープに水をしっかりと染み込ませましょう。
テープを柄に巻く
柄にテープを巻いていきます。テープは内側にしか粘着力が無いので、巻く面に注意してください。テープを引き延ばしながら、すき間がないように巻きましょう。
上からビニールテープを巻く
グラスファイバー製のテープの上に、付属のビニールテープを巻きます。引っ張りながら強く巻きつけてください。そのまま5分間ほど放置して、ビニールテープを剥がしたら作業完了です。
強度を確かめてみる
床に斧を置き、ファイバーフィックスで補強した部分を、ハンマーで数回、おもいっきり叩いてみました。
指でさしている部分が、ほんの少しだけ白くなりましたが、硬くかたまっており、ひびが入ったり割れたりすることはありません。十分な強度があるので、斧をミスヒットした場合も、柄に傷がつくことはなさそうです。
さいごに
ファイバーフィックスは水につけて、巻くだけで使用ができます。驚くほど硬くなるので、折れたテントポールやタープポールなども補修することができます。キャンプの際にツールボックスに入れておけば、もしもの時に大活躍しますよ。ぜひチェックしてくださいね。