テントの下に敷くグランドシートは、テントの耐久性や快適性を高める上で役立ちます。大切なテントを長く快適に使えるよう、テントにマッチしたグランドシートを備えましょう。グランドシートの概要やおすすめの商品を紹介します。
テントのグランドシートとは?
テントを張るとき、底面に敷くのが『グランドシート』です。「要らない」と言う人も散見されますが、実際にはどのような役割があるのでしょうか?テントのグランドシートを使う理由を紹介します。
テントの底面を保護する
グランドシートの最も重要な役割は、テントの底面を汚れや傷から守ることです。
テントを設置する際、石や枯葉だらけの場所にテントを張ることもあるでしょう。この場合、何も敷かずにテントを張ると底面が破れたり傷ついたりする恐れがあります。地面とテント底面の間にグランドシートをはさめば、テントへのダメージを軽減できます。
特に携行性の高い軽量テントは、生地が薄く作られていることが少なくありません。小石や小枝でも簡単に穴が開くことがあるため、グランドシートで保護するのが正解です。
急な雨による浸水・湿気対策
グランドシートは、雨天の浸水・湿気でテント内部がぬれるのを防ぎます。
テント底面は水気を通さないようになっているものの、全てのテントが高耐水性を持っているわけではありません。長時間水にさらされれば浸水することもあり、グランドシートを敷いてテント底面の耐水性を高めることは必要です。
また、地面が絶えずぬれた状態なら、下から湿気が上がってくるのは避けられません。この場合も、グランドシートが湿気を防いでくれます。グランドシートがあれば、悪天候時でもテント内を快適に保ちやすくなるでしょう。
底冷え対策にも有用
外気の温度が低い季節のキャンプは、底冷えとの戦いとなります。テント底面にグランドシートを敷くことは、多少なりとも冷気を遮断することにつながります。
特に寒さを実感するのは、地面に体を横たえる就寝時です。暖房等でテント内の空気が暖まっていたとしても、床面が無策だと寒くて寝られません。グランドシートでテント底面と地面の間にワンクッション入れることで、断熱&保温効果を期待できるのです。
ただし、真冬の底冷えはグランドシートだけでは対応できません。『ブランケット』や『インフレーターマット』などを併用して、しっかり底冷え対策することが必要です。
知っておきたいグランドシートの選び方
グランドシートは、選ぶサイズや素材によってテントの快適性が異なります。グランドシートの有効性を最大限生かせるよう、選ぶポイントを知っておくことが必要です。
グランドシートを選ぶとき注意したい『サイズ』『素材』について紹介します。
シートのサイズで選ぶ
グランドシートは、テント底面より10cm程度小さめのサイズを選びましょう。グランドシートが大き過ぎると、テントを張ったときにはみ出してしまいます。雨が降ればそこに水がたまり、かえって浸水の危険がアップしてしまいます。
「大きいなら折りたためばよいのでは?」と考える人もいますが、底面に段差ができるためおすすめできません。グランドシートはテントの快適性を保つためのものですから、初めからジャストサイズを選ぶことが重要です。
サイズで悩んだとき最もよいのは、テントと同じメーカーをチェックすることです。多くのメーカーは、テントにジャストフィットするグランドシートをラインアップしています。
素材の違いにも注目
グランドシートの素材を大別すると『化学繊維』『合成繊維』があります。
- 化学繊維:ナイロン・ポリエステルなど
- 合成繊維:ポリ塩化ビニル(PVC)・ポリエチレン(PE)など
化学繊維は、テントのフライシートと同じ素材です。汎用性・デザイン性が高い上、クッション性もあります。テント底面に敷けば、テント内の快適性が高まるでしょう。
ただし、化学繊維の防水性は加工によって加えられたものです。防水加工が剥がれると、防水は期待できなくなります。
一方、合成繊維は縫い目がなく、水が染みこむ心配がありません。いわゆる『ブルーシート』のようなものなので、価格も安価です。
合成繊維は軽量で携行性がよいというメリットがあるものの、使用感では化学繊維に劣ります。テント底面に敷くとバリバリガサガサ音がする上、地面の感触をダイレクトに感じやすいでしょう。
基本の1枚!おすすめグランドシート3選
「どれを選べばよいか分からない…」というときは、信頼性の高いアウトドアメーカーの1枚を選ぶと失敗が防げるはずです。インナーマットとのセット商品なら、統一感も出るでしょう。
グランドシートの中でも「まずはこれ!」という人気メーカーの商品を紹介します。
ロゴス「ぴったりグランドシート200」
総合アウトドアブランドとして高い人気を誇るロゴスからは、200サイズのテントにマッチするグランドシートがラインアップされています。サイズは192×192cmで、大き過ぎず・小さ過ぎずのちょうどよいサイズ感です。
グランドシートの主素材にはPEラミネートクロスが使われており、耐水性に問題はありません。テントの下に敷けば、地面からの湿気や雨天の浸水をしっかりと防ぎます。
取り付けは四隅のループをテントフレームに結び付けるだけと簡単です。
- 商品名:ロゴス ぴったりグランドシート200
- Amazon:商品ページ
コールマン「テントシートセット300」
アメリカのアウトドアメーカー・コールマンのインナーシートとグランドシートのセットです。
グランドシートのサイズは約280×280cmで、300サイズ以上のテントにマッチします。四隅にはテントシートに結び付けられるループも付属しており、取り付けは容易です。
グランドシートの素材はポリエチレンで、テントフロアと同じ素材が使われています。厚みがあって水気を通しにくい上、テント底面の傷・汚れ防止にも有益です。
地面からの湿気・冷気を防ぐインナーシートと合わせて使えば、テント内の快適性はぐっと向上するでしょう。
- 商品名:コールマン テントシートセット300
- Amazon:商品ページ
FIELDOOR「テント用グランドシート240cmx240cmタイプ」
コスパのよいキャンプ道具がキャンパーに好評なFIELDOORのグランドシートです。240×240cmサイズは、同社の『コンフォートキャンプドーム250』にぴったりマッチします。
グランドシートの素材に使われているのは、『210Dポリエステル』のリップストップ生地です。耐久性が高く、テントの底を汚れや傷から守ります。生地には撥水加工も施されており、湿気や雨にも強い仕様です。
四隅のベルトループで簡単に設置できる上、携行に便利な専用ケースも付いています。テント設営時の荷物置き場にしたりレジャーシートとして使ったりすることもできるため、キャンプシーンでは重宝するでしょう。
- 商品名:FIELDOOR テント用グランドシート240cmx240cmタイプ
- 楽天:商品ページ
持ち運びに便利なグランドシート3選
「グランドシートがあるとよいけれど、持ち運びが面倒」と感じる人は、携行用のケースが付いたグランドシートがおすすめです。
すっきり収納できて場所を取りにくい、おすすめのグランドシートを見ていきましょう。
DOD「GROUND SHEET(2person)」
DODのトレードマーク『ウサギ』がかわいいグランドシートです。サイズは190×120cmで、2人用のテントにマッチします。
厚手でしなやかな手触りは、『210Dポリエステル』によるものです。ブルーシートのようなガサガサ音がなく、安っぽさを感じません。PUコーティングによって耐水性も高く、耐水圧は5000mmあります。
設置するときは、四隅のショックコードをペグに引っ掛けるだけでOKです。キャリーバッグ付きで、コンパクトサイズで持ち運べます。
なお、同じ素材で3人用、5人用もあります。
- 商品名:DOD GROUND SHEET(2person)
- Amazon:商品ページ
BUNDOK「グランドシート 」
高コスパのアウトドアメーカーとして知られるBUNDOKのグランドシートです。
サイズは190×190cmなので、主に200サイズのテントにマッチします。中央には開閉可能な穴が開いており、ワンポールテント用のグランドシートを探している人にもおすすめできます。
グランドシートの素材はポリエステルで、PU加工が施されています。耐水圧は約5000mmと高く、雨の日も心配いりません。
付属の収納袋に入れると、約23×35cmサイズになります。
- 商品名:BUNDOK グランドシート
- Amazon:商品ページ
キャプテンスタッグ「グランドシート240」
オールラウンドなアウトドアアイテムがそろうキャプテンスタッグのグランドシートです。サイズは215×215cmで、240サイズのテントの底面にちょうどよい大きさです。ペグ用のループも付いているため、しっかり地面に固定できます。
また、グランドシートの主素材には防水性・耐久性ともに高いポリエチレンが使われています。テント底面に傷や汚れが付くのを防ぐ上、水や湿気も通しません。
付属の収納ケースに入れれば、携行も容易です。
- 商品名:キャプテンスタッグ グランドシート240
- 楽天:商品ページ
こだわりたい人に!シートを自作する方法
テント形状が複雑で合うものが見つけられなかったり、カスタムのグランドシートが欲しかったりする人は、思い切って自作する方法があります。
基本的には切って貼るだけのシンプルな作業なので、難しいことはありません。グランドシートを自作する手順を紹介します。
基本的なグランドシートの自作法
グランドシートの材料は、ブルーシートやシルバーシートがおすすめです。
自作前にそろえておきたい材料は以下のものです。
- ブルーシートまたはシルバーシート
- カッター
- 両面テープ
- ハトメ
- 油性ペン
- メジャー
材料をそろえたら、まず採寸します。説明書等でテントサイズを確認したり、実際にインナーテントを敷いたりして、油性ペンでシートに当たりを付けてみましょう。その後、以下の手順で作成していきます。
- 裁断する
- 裁断した部分に両面テープを貼って折り返す
- 穴を開けてハトメを付ける
より安価なのはブルーシートですが、シルバーシートは厚みがある分、防水性・耐久性が期待できます。好みやキャンプスタイルによって、使い勝手のよい素材を選びましょう。
自作する場合の注意点について
市販されているブルーシートなどを購入するときは、テントサイズより少し大きめを選びます。裁断後折り返す部分も考慮して、多めに余白がある方が安心です。
最終的にはテントサイズより10cm程度小さめに仕上げることを目指して、サイズを計算しましょう。
また、ブルーシートは厚さによって分類されており、#1000から#7000くらいまでの種類があります。数値が大きいほど厚みが増して耐久性もアップしますが、その分重量も増えて携行しにくくなります。
グランドシートの素材としてブルーシートを選択する場合は、軽量かつほどよい厚みのある#3000ほどがおすすめです。
まとめ
グランドシートは、テント底面を傷や汚れから守ります。加えて、グランドシートがあれば、雨や地面からの湿気による浸水への不安を軽減できます。テントの快適性・耐久性を高めたいなら、ぜひ1枚は持っておきたいアイテムです。
また自作する場合、材料はホームセンターでそろいます。「グランドシートの効果を試してみたい」「お気に入りを見つけるまでのつなぎが欲しい」、このように考える人は気軽に作ってみるのもおすすめです。
キャンプにはグランドシートを携行し、より快適にアウトドアを楽しみましょう。