このたび、山から山への移住を決意しました! この地域の土地勘がまったくなかったため、賃貸から始めた週末山暮らしもおよそ1年半が経ち、近くの中古物件が出るたびに足を運んだりしていたのですが、とうとう今年の冬に「ここに暮らしたい!」と思える物件に出会うことができました。
そこは標高が約600m、日本百名山の山々が一望でき、ずっと憧れていたログハウスだったのもあり移住先に決めるまではそう時間がかかりませんでした。
築20年以上のログハウスを移住先に決めた理由
気になる築20年以上の中古ログハウスの状態ですが、屋内はほとんど使っていなかったそうで、築数年程と言えるような本当にキレイな状態。
その一方で、屋外は一度だけウッドデッキを貼り替えたあとは、ほぼ手入れされずに雨ざらしであったことで全体的に腐食が進みフェンスは傾き、ウッドデッキの所々は朽ちて穴が開いていました。
それを初心者の私がDIYでリフォームしていくという決意のもと、その迷走っぷりをこのコラムに書き綴りたいと思っています。もちろん、他のテーマも書きますからね!
日本古来の「柿渋」には万能な力が宿っていた
何はともあれ、まずはウッドデッキを貼り替えないと危なくて引っ越しすらできないという状況。でありながら、手元には工具は一切なし。
作業を開始するために半年間はDIYのハウツー動画で勉強して、わからないことや知らない工具などをググる日々を繰り返し、やっとひと通りの工具を揃えることができました。
次に木を守るための防腐剤塗料を何にするか。パソコンにかじりついて検索してみると、キシラデコールの人気がダントツで油性にするか水性かの二択で大概の方は選んでいる様子。そんな中に日本古来の防腐剤塗料として「柿渋」を発見。
今度は「柿渋」で検索すると、様々な凄い効果がたくさん! 防腐はもとよりウイルスにも有効とあり、なんといま世間を騒がしている新型コロナウイルスの不活性化に有効という検証結果が出たそう。
また、それだけでなくアルムホルデヒトの吸着や鉄の黒サビ化(防錆)、臭いを抑えるシャンプーや石鹸、染めた服やマスク、飴などもあり、柿渋に含まれる柿タンニンはまるで魔法の万能薬ではないかと思えるほど。
柿の学名は「ディオスピーロス・カキ」と言われ、ラテン語で「ディオス」は「神」、「ピーロス」は「食物」の意味で「神からの与えられた食物」という意味の学名が付いているそうです。
実際の効果のほどはどうだろうかと試しに購入した無臭柿渋を、2階のベランダに使ってみました。すると、塗りたてはうっすらとオレンジがかった感じで、乾いてからもう一度塗り重ねて1週間後の様子を見てみたところ、塗装面の色味が濃くなり艶やかに光っています。
天然塗料なので艶までは期待していなかったのですが、思いのほか仕上がりがいい感じです。そうこうしている内に、地元で柿渋を20年以上作っている元大工さんに出会い、柿渋についてじっくりとお話を聞くことができ、さらに使ってもらえるならと柿渋を大量に譲ってもらえたのでした。
雨垂れで腐食苔が着いた外壁を塗ってみた
ログハウスの屋根は急勾配で、雨が降るとウッドデッキに勢いよく雨垂れが落ち、それが跳ね返って外壁の下側を濡らしてしまう構造になっています。それが何年も繰り返えされているうちに塗装は剥がれ落ち、苔まで着いてしまっています。表面をサンダーで削り、譲ってもらった柿渋を塗り込みます。
柿渋を塗るのに使うのはスプレーガンの「ペンキ屋くん」。刷毛が届かないところや広範囲を簡単に塗れるし、噴射角度や量を調整できるので便利だと思い購入しました。
実際に使うと、木部のヒビ割れの奥にも噴射して塗り込むことができるので重宝しています。ただ、古来の柿渋は発酵していることもあり臭いが強烈で、そのせいで敬遠している方が多いようです。
塗ってしばらくは周囲に臭いが漂うので、室内で使う場合はご注意ください。私は屋内に使う場合は、無臭柿渋にしようと思っています。
塗り終えた直後の状態はいかがでしょうか。一度塗りですが、少しオレンジ色に色づいている気がします。この日は雨が降ったり止んだりだったので、日を置いて何度か重ね塗りをやりたいと考えています
ウッドデッキを解体したり外壁の傷みなどを確認したりすると、やはり雨ざらしになっているところが顕著に腐食していることがわかります。これからウッドデッキを貼り替えても、雨にさらされないように何らかの対策をしないといけないのかなと思っています。例えば、屋根付きのパーゴラや雨どいを後付けするとか。
いま外壁塗装のほかに、傷だらけのダイニングテーブルの表面を削って、水性ウレタンニスを塗り始めました。このDIYリフォームについては次回書きたいなと思っています。
それでは、次回もお楽しみに!