家庭用の包丁を、ケースに入れてキャンプに持って行くことは多い。でも、ナイフを使いこなせると食材をカットして調理に活用できる。しかも、シース(鞘)に収納すれば腰のベルトに吊して携帯できて、必要なときすぐに使えるのだ。コツをつかめば、まな板なしでも切り分けられる。
ニンジンをうまく切るには?
包丁のようにブレードが長ければ切りやすいのだが……
和包丁のようなつぶし切りではなく、引いて切る
引いて切る。根元の太いところは斜めにブレードを当てて乱切りにする。
肉のかたまりをうまく切るには?
洋包丁のようにブレードが長ければ、切りやすいのだが……
繰り返し前後に動かして、少しずつ切る
どちらかといえば引くときに切るようにする。切り口を広げながら再度ブレードを入れて、切り離してもよい。
リンゴを切ってそのままナイフで食べるには?
まな板は使わず、切りたてをすぐに食べてみよう。お皿は使わないよ。
親指で押さえながら切り離し、手首を返して口に運ぶ
① 丸く削ぐ
② カットしたリンゴをブレードに乗せたまま
③ 親指で押さえて、手首を返して口へ。
エッジは口に向けない。
皮が堅くて手でむけないオレンジをどうむく?
皮が厚くて堅いから、指をつき立てられない。
オレンジを縦に回転させながら皮にだけ切れ込みを入れる
① ペンを握るように、ブレード側面を指で押さえて持つ(ペングリップ)。
ポイントをヘタのそばに刺す。
② ナイフは動かさずにオレンジを縦に回転させる。
切りはじめた皮の厚さを見ながら切り進む。
③ 4本切れ込みを入れたら、親指を差し込んで皮をむく。
「あご」のないナイフでジャガイモの芽をどう取る?
「あご」という、角ばった出っ張りがない!
「あご」のある包丁を使えば簡単なのだが……
芽の脇にポイントを差し込んでジャガイモを回転させる
① 芽の脇にポイントを差し込む。
② ナイフは動かさずにジャガイモをゆっくり回転させる。
まな板なしで万能ネギの根を切るには?
ネギは手ではきれいにちぎりにくいし、くさい。
左手で葉を引っ張りながら、右手の親指で根を押す
① エッジをネギの根元に当てて食い込ませる。
② 葉のほうを引っ張りながら、右手の親指で根を押すと切り離せる。
同様にして葉の部分も切るとよい。
まな板を使わずにフランスパンを切るには?
一気に切ろうとせず、少しずつナイフを押し引きしてギリギリまで切り、最後はちぎる
① 底と側面の角の堅いところからエッジを当てると切りやすい。
② ナイフを押し引きしつつ、手首のスナップを使って手前に切り進む。
③ ギリギリまで切り離したら、親指でパンを押さえながら上方に引きちぎる。
ナイフ一丁で華麗にタマネギを切るには?
先に皮はむいてね。
ブレードと親指で皮をはさんではがして、タマネギを回しながらカット
① 根を切り落とす。
② 頭を切り落とす。
③ ブレードで皮を起こし、親指ではさんでむいていく。
④ ナイフは動かさずにタマネギを回転させて切っていく。
まな板なしで、川魚のはらわたを出すには?
肛門にポイントを刺して、ノドのほうへ切り開いていく
① 肛門にポイントを差して矢印方向へ。
腹皮を開くだけなので深く刺さなくてOK。
② このあたりまで切り開けば、はらわたは簡単に指でかき出せる。
ノド側から肛門に向かって切るやり方でもOKです。
カボチャを簡単に割るには?
オピネルのナイフでなく、力を入れやすい大きめのシースナイフを使ったほうが安全。しっかりと安定した台の上で切ろう。
ヘタを切り取ってからテコの力を利用して切り、最後は手で割る
① ヘタの下にエッジを刺し込み、カボチャを回転させてヘタを切り取る。
刺しては抜いて切り込みを入れてゆけばヘタがぐらつく。刺したままブレードをこじると、エッジが欠けるので厳禁。
② 皮の窪みに沿って切れ目を入れる。そしてヘタの窪みにポイントを突き刺し、切れ目に沿ってハンドルを下に押し下げる。
ポイントを支点にしてテコの力を利用するとうまく切れる。いちばん下まで切る必要はない。
③ 反対側も2と同様に切る。
皮の窪みを切る際はエッジを何度も当て深くすると切り分けやすい。
④ 両手で割る。
監修/鶴田康男 イラスト/Chai 構成/DECO(大塚 真)、大澤竜二