常温で長期保存でき、持ち運びも簡単な缶詰。キャンプに、防災用の備蓄に、大活躍のアイテムです。
缶詰は道具なしで開けられるプルタブ式が主流になっていますが、たまに缶切りがないと開けられないタイプのものが混じっていることも。そんなときに缶切りが手元にないと、開かない缶詰を片手に立ち尽くす羽目に……。
キャンプシーンなら笑い話で済みますが、災害時に避難所でいただく缶詰にこのタイプが混じっていることも有り得ます。覚えておいて損はない、スプーンで缶詰を開けるライフハックを紹介します。
後半では「栓抜きがない!」という場合に役立つ、スプーンでビールの王冠を外す方法も紹介します。
スプーンで缶詰を開ける方法
腕力と根気、コツがいりますが、缶詰は金属製スプーン1本で開けられます。
もちろん缶切りがあるにこしたことはありませんが、緊急事態には役立ちます。
材料・道具
缶詰、金属製のカレースプーン(十分な強度があるもの)、手袋
開け方
手袋をはめ、スプーンのくびれの部分をしっかりと握ります。
手袋は必ず着用してください。素手だと缶の切り口が危ない上に、かなりの力でスプーンを握り続けるため手が痛くなってしまいます。
今回は軍手を着用していますが、滑り止めのある作業用手袋を着用すると缶が滑らず、作業がしやすくなります。
片方の手で缶詰をしっかり固定し、スプーンを缶詰のふちに力いっぱいこすりつけます。
こすりつける場所は缶のどこでもいいですが、手前の部分を使うと、力が1点に集中しやすくなります。
スプーンを上から押し当てた状態で、缶の方をグリグリと回してもいいでしょう。
缶の強度にもよりますが、女性の力でも穴が開きました。
開いた穴をスプーンでグリグリと広げていきます。切り口が鋭利になるので、ふちで怪我をしないよう十分に気をつけてください。
ある程度穴が大きくなったら、スプーンのふちを缶切りのように使って、穴をさらに広げていきます。
缶の強度が高く、簡単に開きそうにない場合は、もう2〜3か所穴を開けて広げていくといいでしょう。
かなりのパワーがいりますが、なんとか缶を開けるのに成功しました。
今回は女性の力で缶が開くまで約1時間かかりましたが、缶詰の強度によっては1分たらずで開くこともあるようです。
また、「プルタブ式の缶詰の引き手部分が壊れてしまった!」という場合なら、さほど強度が高くないため、線に沿ってスプーンを当てれば簡単に開けられます。緊急事態にぜひ試してみてください。
スプーンでビールの王冠を開ける方法
せっかく奮発して瓶のビールを買ってきたのに、栓抜きを忘れてしまった!楽しい気分も台無しですよね。
そんな時も金属製のスプーンが1本あれば、開けられます。
材料・道具
ビール瓶、金属製のスプーン
開け方
片手で王冠に近い部分をしっかり握ります。
人差し指の第二関節と王冠の間にスプーンを差し込みます。
人差し指を支点にして、てこの原理で王冠をはずします。
女性の力でも栓が開けられました。指が痛い場合は手袋をしておくといいでしょう。
スプーン1本で缶詰を開けてみよう
なかなか大変ですが、スプーン1本で缶詰はこじ開けられます。ただかなりの力を要しますので、缶詰が頑丈な作りだったり、全く穴が開く気配がない場合は、別の方法に切り替えたほうがいいかもしれません。コンクリートのブロックや地面に缶詰のふたをこすりつけていると、缶詰のふちが削れて開けられます。かなり時間は要しますが、こちらも試してみてください。
また、今回は紹介しませんでしたが、スプーンはワインボトルのコルク抜きを忘れてしまった時にも役立ちます。方法は簡単、スプーンの持ち手でコルクをワインボトルの中に押し込むだけ。勢いよく押しこむとワインが逆流して吹き出してしまうため、体重をかけながらゆっくり押しこむのがコツです。
キャンプや緊急事態に備えて、一度なんでもないときにスプーン1本で色々なものを開ける方法、チャレンジしてみるのはいかがでしょうか?